2025.9.16

職種も国境も飛び越えて、想像以上の経験を積み重ねてきた

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データ&アナリティクスソリューション本部 アナリティクスプラットフォーム事業部 事業部長 イー・ヨンリー

マレーシア出身。現地の銀行勤務を経て、松下電器産業株式会社に入社し、基幹システムの開発に従事。その後インドネシアに赴任し、デジタルマーケティングの立ち上げを経験して、業務についての理解を深める。帰国後はデータ&アナリティクスソリューション本部にて、データ分析やデータ基盤の構築に携わる。

駐在先でデジタルマーケティングの仕組みを立ち上げ

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母国のマレーシアで金融SEを経験したあと、日本の大学院に進学し、大学時代からの専攻領域であるコンピューターサイエンスについて研究。その後、当時の松下電器産業に入社しました。配属面談では「アプリケーション開発をしたい」と伝え、希望通り海外受発注システムの担当に。海外の販売会社から注文を受けて、各工場に分配するシステムの開発に、4年ほど携わりました。その後、よりよいシステム構築のためには現場での業務経験が必要と考え、インドネシアの販売会社へ出向。外国籍であることや多言語のスキルも生かせるチャンスだと感じ、駐在を打診されたときはうれしかったですね。これまでの海外受発注システム構築よりも、さらに前線で、グローバルな仕事ができると思いました。

インドネシアでは、マーケティングコミュニケーションチームに配属となり、新商品のキャンペーンやメディアリレーションなどを担当しました。そのような現場の業務は初めてで、何もかもが新鮮。最大の挑戦だったのは、看板や雑誌といったアナログの販促が主流の時代に、デジタルマーケティングの仕組みを立ち上げることでした。当時、「Panasonic Beauty」のハイエンドモデル商品がインドネシアで初めて発売されたばかりでしたが、日本以上に高額な商品と受け止められたので、ただアピールするだけではなかなか売れません。緻密な販売戦略が必要になり、富裕層向けのタッチポイントとして、デジタルマーケティングに力を入れはじめたのでした。

インドネシアでのビジネスは、想定していたスケジュール通りにいかないこともしばしば。何事にも余裕を持たせてスケジュールを組んでいました。また、現地のメンバーと少しでも深い議論ができるようにと、必死でインドネシア語を勉強しましたね。初めての国で、何もベースを持っていないマーケティングのプロセスを立ち上げる──振り返るとなかなかのハードシングスですが、おかげで多少のことでは動じない精神力が身に付いたと思います。

継続して結果を出せるデータ分析を

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インドネシア駐在中のあるとき、別部署の上司から「任期終了後は、日本でデータ分析業務をやらないか」という誘いを受けました。海外でのマーケティング経験を生かしつつ、今後さらに注目が高まるであろうデータ分析業務に挑戦できるのは、渡りに船。帰国とともに、いまも所属しているデータ&アナリティクスソリューション本部へ異動することを決めました。ただ、データ分析の領域はまだ黎明期であり、いまほどの認知や浸透がなかったため、グループ内のさまざまな部署に「あなたの部署のデータを分析して、業務に生かしましょう」と提案するところからのスタートです。自部門の人数は少なかったため、社内営業から実際のデータ分析、その後のデータ活用提案まで、すべてを自分が担当しました。

でも、そうやって全体感をつかめるのは、大変でもあり面白くもあるところ。たとえば、家電の事業部署に営業をして、データ分析を取り入れてもらう。販売している家電製品の口コミを分析し、評価されているポイントや改善要望などを抽出して、商品企画部にフィードバックする。そして、その成果事例をポートフォリオやポータルサイトに落とし込み、さらなる社内営業に生かす……。データ周りと広報を組み合わせたような一連の仕事に、インドネシアでの経験はおおいに役立ちました。

PX(Panasonic Transformation)によって、データ分析への期待は高まるばかり。しかし、いくつもの部署で多様な分析案件を手がけていると、共通の課題も浮かび上がってきました。求められている分析結果や活用方法を導き出すために必要なデータが揃っていないことが、とても多いのです。せっかく毎年データを収集しているのに、それぞれの定義が微妙に異なっていたり、ローカルのどこかにあって整理されていなかったりと、課題はそれぞれ。でも、根本のデータを整えていかなければ、分析による成果を最大化できません。そもそも、データ分析は一回きりのスポット対応で効果が出るものではなく、定点観測・改善によって本来の価値が見えてくる分野です。今後も適切な分析を続けていくために、前段となるデータ整備の仕組みづくりが必要、ということを実感するようになりました。

コンフォートゾーンに留まらず、常にストレッチできた

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そうして立ち上げたのが、いま事業部長を務めているアナリティクスプラットフォーム事業部です。必要なデータを収集・蓄積・加工し、有意義に活用していくため、グループ共通で使えるデータ基盤をつくることが私たちの使命。すでに各社で独自のデータ基盤を構築する動きも出てきていましたが、妥当な理由がないまま独自のデータ基盤を構築すると、無駄なコストがかかり、非効率的です。一方で、共用のデータ基盤には、全事業会社のすべての要望に応えることはできないという問題もあります。従量課金制のため、一社のニッチなニーズを満たすと他社にはToo muchなサービスになってしまい、費用に納得がいかない……といったこともあり得るでしょう。複数社が使う以上、情報セキュリティのルールもシビア。それぞれのテナントが求める機能や使用状況をヒアリングしたうえで、バランスを取りながらシステムを整えていく必要があり、一筋縄ではいきません。

ただ、データ分析は今後のビジネスの根幹にかかわる分野。近年トレンドのAI領域においても、信頼できるデータマネジメントの問題は必ずセットで議論されています。システムの質を引き上げ、グループ全体をカバーできるよう拡げていくことは、とてもやりがいのある仕事です。

これまでのキャリアを振り返ると、当社だからこそ、面白いことをやり続けてこられたと感じます。自分のコンフォートゾーンから飛び出し、さまざまな環境や分野で、エンジニアという職業ではくくれないような経験がいくつもできました。当初の希望通りアプリケーション開発の部署に入社し、数年働いた後の面談で「次はもっとグローバルな仕事がしたい」と伝えたら、タイミングがよく2週間後にインドネシア駐在のオファー。その4年後「マーケティングの経験を生かして新しいことがやりたい」と話していたら、日本でのデータ分析業務に声をかけてもらいました。チームの立ち上げを経て事業部長となったいまは、テーマの取り組み方や組織の方向性など、事業全体のハンドリングもできるようになってきています。年齢を重ね、立場が変わるにつれて、仕事の自由度が年々広がっているんです。これからは、若手にもそうした機会を提供する番。後に続く世代にも、やりたいことを伸ばし、未知のことにチャレンジできる環境をつくり続けていきたいですね。

※所属部門はじめ、内容は取材時のものです

デジタルで、幸せをつくろう。

Panasonic Information Systems Co., Ltd.

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