2025.7.15

業務をもっと楽しくするために、新しい技術をどう生かす?

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事業開発・R&D本部 R&Dセンター 技術開発1部 技術開発チーム 先行技術企画ユニット 樋口高行

大規模システムの構築・運用に携わりたくて、パナソニック インフォメーションシステムズに入社。R&Dセンターにて、グループ内のファイル転送サービス「CIFT」のクラウド移行を手がける。現在は先行技術を研究するチームにて、グループ専用の生成AI「PX-AI」の開発・運用を担当。

少数精鋭で、大規模システムを動かす

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工学部の情報学科で学び、就職活動ではIT企業を中心に見ていました。父が勤めていたり、実家の近くに大きな工場があったりしたパナソニックグループは、自分にとってとても身近な企業。そんなグループの社内システムを構築・運用していたのが当社でした。まだ従業員数が少ないころで、少数精鋭で大きなシステムに挑める環境が面白そうだと感じ、エントリーを決めたんです。

入社後はずっとR&Dセンター勤務。2年目からは、グループ内のファイル転送サービス「CIFT」の開発・運用チームに入り、システムのクラウド移行に携わりました。これまでは送信者が社内サーバにファイルを格納し、受信者は社内サーバからファイルをダウンロードしていたけれど、クラウド版ではファイルの置き場所といった細かいことをゼロから考えなければなりません。システムの内側ではSaaSのサービスとも連携しているため、外部ベンダーとの密なやりとりも必須。いままでさまざまな基盤の構築に携わってきたチームメンバーとともに、システムをどう動かし、情報をどう守るか考えながら、インフラ整備を進めていきました。この機会にもっと便利なシステムにしたいと、複数の新機能も追加。社内から「使いやすくなった」などとフィードバックをいただけたときはうれしかったですね。少人数で大きなシステムに携わるという、入社当時に思い描いていたとおりの仕事ができました。

業務を少しでも便利に、楽しく変えていく喜び

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入社4年目からは手を挙げて、先行技術チームに異動。量子コンピューターやWeb3.0、NFT、AIといったさまざまな先行技術を調査・検証し、実用化を考えていくチームです。ここでは、パナソニックグループ専用の生成AI「PX-AI」の開発に携わってきました。世の中で生成AIはもはや一般的なツールですが、パナソニックグループ専用のシステムがあれば、グループ内の情報がAIの学習に使われ、社外に漏れることがありません。データをやりとりしたログも残り、いざというときには追跡できるため、情報漏洩のリスクなく活用できるのがいいところです。

もともとグループ内ではパナソニック コネクトが社内用の生成AIを使っていたため、システムのひな型はありました。しかし、それを全社展開するためにはセキュリティのレベルを引き上げたり、新たな統一ルールを定めたりする必要があります。そのうえ、納期は3週間ほどと非常にタイト。異動後すぐプロジェクトチームにアサインされ、大急ぎでクラウド移行からルール整備に取り組んで、なんとか間に合わせました。とにかく慌ただしく取り組んだので、正直、当時の記憶はあまり残っていません(笑)。

AIは技術の進化がとても速く、次から次に新しいモデルや機能が登場します。それを追いかけるPX-AIでも、毎月のようにバージョンアップや新機能をリリース。最近は、チャットのやりとりをクリップボードにコピーできるようにし、社内間で共有しやすくしたり、入力欄に画像をドラッグ・アンド・ドロップしたりする機能などを追加しました。息つく間もない日々ですが、アップデートのたびに社内から喜びの声が聞こえてくるのが、本当にモチベーションになりますね。生成AI活用コミュニティで新機能を公開するたび、数百件ものリアクションがつくんです。2023年末には2000人ほどだった一日のユーザー数も、いまでは一万人を突破。右肩上がりで利用者が増え、便利に使ってもらえていることが実感できます。

もちろん、扱うのはPX-AIだけではありません。さまざまな新しい技術をキャッチアップし、外でどう使われているのか、グループ内ではどう使えるかを考えるのが業務の根幹。先日は開発作業を支援してくれる「GitHub Copilot」(※)が実用に足るか、現場のエンジニアと連携しながらトライアルをしました。必要なコードについて答えてくれたり、データを提示してくれたり、ずいぶん業務を助けてくれそうです。

(※)GitHubとOpenAIが共同開発した、プログラミング中にコードを自動で提案・補完してくれるAIツール。

関わるツールはさまざまですが、仕事のやりがいは共通しています。ユーザーの業務がちょっとでも便利になったり、楽しくなったりすることが私の喜び。手がけるシステムがパナソニックグループ全体に影響を与えることも多いので、その規模の大きさもやりがいにつながっています。

仕事の充実度はもとより、働き方がフレキシブルなのも当社の魅力のひとつですね。在宅や出社が自由に選べて、特別な申請も不要。家族の都合で突然出社できなくなった日も、在宅勤務に切り替えればOK。メンバーと話しながら手を動かしたいときは会社のオープンスペースで、集中したいときには個室ブースなど、気分に合わせてオフィスの中で場所を選べるのもありがたいです。

AIが社内システムと連携して「エージェント」になる未来へ

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最近注目しているのは「MCP」(モデル・コンテクスト・プロトコル)という、生成AIが外部のデータソースやツールと連携するための新技術です。これをさまざまなシステムに導入することができたら、業務効率化が飛躍的に進むはず。たとえば「開発に必要なデータを、社内のサーバから探してきて」みたいなことから「総務に勤怠データを提出しておいて」「明日の会議室予約と入館申請をよろしく」なんてことまでメッセージひとつで頼み、PX-AIが勝手にやってくれるようになるかもしれません。

これまでのAIは、何かを尋ねたらさまざまな情報から答えを集めてきてくれる、チャットボットのイメージが強かったと思います。でも、そこから一歩踏み出して、AIが特定のタスクを自律的に実行するエージェントになる未来が、確実に近づいてきているんです。技術がどうなっていくかは過渡期ですし、実用化にはまだ時間がかかるかもしれませんが、具体的な全社の業務を見据えて大規模な活用計画を立てられるのは当社ならでは。内製のPX-AIだからこそ、社内システムとスムーズに連携して、業務の強力な味方になってくれることでしょう。必要だけどあまり手を取られたくない事務作業をAIに任せ、自分だけの価値が出せるような仕事に集中できれば、パナソニックグループはさらに前に進めるはずです。

そのために私たちのチームは、これまでどおりの「開発」と広く伝える「活用推進」の両輪を回していかなければなりません。ポイントは、具体的な業務に当てはめて、仕事がどう効率的になるかを伝えること。「先行技術」と聞くと難しそうですが、その価値をうまく翻訳することで、技術はぐっと身近になります。目指すは「PX-AIの文房具化」。新しいものが苦手な方々にもその利便性を伝え、使いこなしてもらえるシーンを目指して、力を尽くしていきたいです。

※所属部門はじめ、内容は取材時のものです

デジタルで、幸せをつくろう。

Panasonic Information Systems Co., Ltd.

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