2024.10.16

お客様の成果に貢献できたのは、データ分析の山積する課題に向き合い続けたから

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ビジネスデザイン本部 マーケティングDXソリューション事業部 施設・監視ソリューション部 集客施設サービスチーム チームリーダー 加藤藍子

2004年、当時の松下電器産業に入社。半導体工場向けERPシステム開発を経て、業務コンサルティングに関わる。新規事業企画推進を経験し、現在はデータ分析を活用したマーケティングの外販を担当。

誰もが理論的に業務を改善できる仕組みがほしい

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大学の経営システム工学科で学び、当時の松下電器産業に入社してはじめに担当したのは、半導体工場向けのERP(Enterprise Resource Planning)システムであるSAP導入プロジェクトでした。SAPを導入することで、工場内の受注から出荷までの業務は効率化されましたが、販売計画・生産計画といった意思決定を伴う業務は複雑だったので、SAPではなく手作りのシステムが採用されました。業務が多少変わってもSAPに合わせるべき部分があったのではないか、はたまた本当に選ぶべきERPはSAPだったのか、などと考えていくうちにシステム構想のフェーズに興味を持ち、業務コンサルティングの部署に異動しました。

コンサルティングのファーストステップは、パナソニックグループの事業会社からヒアリングを重ねて、業務の課題を整理すること。そのあとに、課題を解決するためのソリューションを考えていきます。しかし、同じ課題に向き合っていても、解決に向けた優先順位や取り組みたい内容は人それぞれ。例えば、売り上げを増やすためにPR強化が必要となったときに、ある人は商品Aの強化が必要と考え、またある人は商品Bの強化が必要と考えるために、取り組みがバラバラになり、成果を出しづらいケースがあったのです。そこで、データによる現状分析の手法を整え、根拠を持って今後の業務や施策の改善策を検討できる仕組みをつくろうと考えました。事業会社や部門ごとではなく、グループ全体で最適なシステムを構築する「エンタープライズアーキテクチャ」の考え方を教えてくださった先輩が、戦略的にデータを活用することで全体最適につながることを教えてくださったことも、背中を押してくれました。

手探りで始めたデータ分析は課題が山積み。システムに保存されているデータは多岐に渡るため、分野別、目的別にデータ定義を考えることから始めました。そして、これがデータクレンジングというデータ分析に必要不可欠な工程であることを学びました。プライベートでは子どもを授かり2度の産休・育休を取得。二人目の育休復帰のタイミングで夫が東京転勤となり、私自身も当社の東京拠点に転勤しました。家庭都合での異動が難しければ退職も考えなくてはいけないと思っていたので、無事に復職できたときはうれしかったです。

お客様に寄り添い、必要なデータと仮説をお渡しする

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東京で着任したのは、新規事業立ち上げを企画する部署でした。私が業務コンサルティングやデータ分析の仕事をしていた経験を買ってくださったそうです。この部署で、プロサッカーチーム「ガンバ大阪」様のデジタルマーケティングを支援するプロジェクト(※)を担当しました。データを分析し、どのような顧客がどのような試合に来場しているかを把握した上で、シーズンの各試合のターゲットとなる顧客仮説を提示。チケット販売やファンクラブ運営のご担当者と一緒に、ターゲット顧客の来場促進に向けた施策を検討していきました。取り組みを進める上では、クライアントの立場に立った提案ができるよう、チケット販売における業務がどのように進められているのか、顧客にアプローチする際の課題はどこにあるのかを理解することで、納得感ある具体的な施策提案ができるよう心がけました。クライアントにターゲット顧客を意識したイベント企画や情報発信に取り組んでいただいた結果、活動開始から2年で集客は過去最高をマーク。私たちが提供するデータ分析と、クライアントによるマーケティング施策の実践を両輪でまわしたことが、成果に結びついた瞬間でした。

データ分析に基づくマーケティングの有益性が明確になったことで、これを新規事業として外販したいと思うようになりました。弊社商材であるPOSやチケットシステムの導入実績がある集客施設向けのデジタルマーケティング支援事業を企画したところ、とある水族館様から受注をいただき、ご支援中です。集客の増加を目指すのはスポーツ事業者も集客施設も同じですが、スタジアムと水族館では訪れるお客様が違うため、スポーツ事業者向けの分析モデルを応用して集客施設向けに新しい分析モデルを作りました。マーケティング業務がどの様に進められているか、施策を進めるうえでどこに課題があるのかを理解し、データから具体的な施策仮説を提案する部分は、水族館様向けの支援でもこだわっています。

私たちがお渡しできるのは、いわばデータに基づくマーケティングの“素材”です。素材が自分たちの手を離れ、クライアントの元で具体的な施策や商材につながっていく様子を見ると、本当に感動します。今後はそうした施策のアフターフォローとなる部分も強化し、結果をレポートするところまで寄り添っていけたら、さらに面白いPRができるのではないでしょうか。

諦めずに進んできたからいまがある

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当社の「PX」(Panasonic Transformation)が掲げる「7つの原則」の中のひとつ「『お客様を誰よりも理解する会社』になるために、顧客接点の多様性を活かし、データを徹底利活用する」は、まさに私がデータに基づくマーケティング支援を通じてクライアントへご提供したい内容です。社会的にデータ分析が追い風の分野だからこそ、他社との差別化を図れるように、業務のところまで伴走するソリューションにこだわりたいです。また、今後は、さまざまな業種での分析モデルの構築と導入を進められるよう、ノウハウを蓄積していきたいです。いま特に力を入れたいと思っているのは、大学や教育機関といったクライアントです。出欠管理や課題の提出管理、教材活用といった教育の現場にデータ分析を導入できれば、教育の質向上に大きく貢献ができると考えています。業務がどのように行われているかを学びながら、ご支援できるお客様の幅を広げていきたいです。

本当は、ここ数年の各クライアントのご支援現場で見られたような成果を、パナソニックグループ内の業務コンサルティング時代に出したかったのですが……なかなかうまくいきませんでした。でも、黎明期に失敗しても諦めずデータと向き合ってきたことが、いま実績に結びついているとも思います。悔しい思いをしながらも、社内でやりたいことをアピールするなど、チャンスの前髪をつかむ練習は怠りませんでした。

今年はチームリーダーに就任し、データ利活用の可能性を社内でさらに広げていこうとしています。まだそこまで大きな成果が出ているプロジェクトではないにもかかわらず、こうした機会を与えてくれた会社にはとても感謝していますね。子育てと両立するために仕事をセーブした時期には、社会から取り残されたような気持ちになることもありましたが、いまはそのぶんも前に進むタイミング。在宅勤務やリモートでの打ち合わせも増え、物理的にもずいぶん働きやすくなりました。我が子たちの個性を見つめて育児をしてきた経験は、チームメンバーのマネジメントにも生きています。当社の特長は、まさにさまざまな個性を持った人が、それぞれのやりたいことに打ち込めるところです。個々の興味や得意を生かしながら、面白い仕事を見つけて邁進できるような環境を、リーダーとしても整えていきたいと考えています。

<ご参考>「ガンバ大阪」様へのデジタルマーケティング導入事例についてはこちらもご覧ください。
導入事例 株式会社ガンバ大阪様

デジタルで、幸せをつくろう。

Panasonic Information Systems Co., Ltd.

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