2024.07.16

「くらし」と「しごと」を幸せにするために。
PXを牽引するリーダーの挑戦

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流通SCMソリューション本部 販売・物流DXソリューション事業部 受発注ソリューション1部 部長 豊田逸平

2007年、当時の松下電器産業に入社。家電の開発設計をシステム面で支え、三次元CADデータによるマーケティングプロセスを手掛ける。グローバルのWebサイト運用やCXプロジェクトの企画・立ち上げを経て、家電受発注システムをクラウドシフトするべく、2022年より現職。

チャレンジを奨励する社風を、受け継いで

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海外留学から戻って当時の松下電器産業に入社したのは、いままさに盛り上がっているITで経営を変えていくことや、グローバルな仕事に憧れたから。コーポレート情報システム部に配属され、入社後の10年ほどは家電の商品開発部門で、開発設計システムの導入に携わりました。商品開発の最前線の現場に赴き、新しい家電のデザインに関われたのはとても楽しかったです。

仕事を少しずつ覚えて入社から5年が経ったころ、パナソニック インフォメーションシステムズ側からパナソニックグループの事業会社に向けて、新しいソリューションを提案する機会に恵まれました。そこで思いついたのが、三次元のCADデータをマーケティングやプロモーションに生かしていくアイデアです。たとえば、それまでは新しい家電の販促物をつくるとき、実物ができてから商品カタログ用の写真を撮っていました。でも、冷蔵庫や洗濯機といった大物家電になると、撮影をするだけでも大変。CADによる3Dデータでその写真撮影を代替できれば、時間もコストも大幅な削減が可能になります。「ITの力でこんなことがやりたい」という明確なイメージがあったため、企画が採用されてプロジェクトリーダーを任されたときには、とてもやりがいを感じました。

ただし、家電業界ではあまり例のないソリューションだったため、本格導入までにはいくつもの重いタスクがありました。フランスのCADベンダーと組んでゼロからシステムをつくったり、海外で販売される複数の商品で実証実験を行ったり……。当時流行りはじめていたARやVRを組み合わせた提案も考えましたね。実物を運ぶのにコストや時間がかかる、海外で販売する商品を対象にしたほうがソリューションの効果が大きいこともあって、入社時からやりたかったグローバルなプロジェクトにさせてもらいました。“現場・現物主義”の当社は、本当に必要な海外出張や現地での実験の手間を惜しむことはありません。意志を持ってやりたいことを提案すれば、周りはチャレンジを奨励してくれる。そんな社風を肌で感じつつ、大きな裁量を持って仕事を進められたことは、若手時代の大きな財産となりました。

若手時代に体感した、意欲のあるメンバーに仕事を積極的に任せていく姿勢は、自分がリーダーになったいまでも大切にしています。知識や経験はあとからついてくるもの。本当に大切なのは、新たな視点で課題を捉え、解決策を自分で考えて挑戦したいと思う気持ちですから。

古くからグループを支える基幹システムを、新たに

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商品開発やマーケティング領域で培ったスキルを生かし、2017年からはWebマーケティングの部署に異動しました。グローバルのWebサイト運用やCRM(Customer Relationship Management)プロジェクトの立ち上げなどが主な仕事です。60ヶ国以上で閲覧されているパナソニックグループのWebサイトを一括管理するタスクは、とても大きなプレッシャーがかかりましたが、世界規模の企業で働く醍醐味も感じられました。自分たちがひとつ変更を加えるだけで、各国のシステムが一斉にアップデートされていくんです。デジタルが経営につながっていく様を体感できましたね。

次に異動したのが、現在所属している販売・物流DXソリューションの部署です。20年以上前につくられた家電の受発注システムをクラウド移行するプロジェクトで、開発リーダーに着任。これまでのように商品開発やマーケティングといった一部の領域だけでなく、パナソニックグループの基幹システムに携わり、グループ全体や経営の根幹を感じられるポジションです。フルスクラッチの古い仕組みをグローバルスタンダードのERP(Enterprise Resource Planning)に変えていく過程にも、技術者として純粋に興味が湧きました。

ただし、いままでとはまったく違う仕事のため、まずは家電受発注業務に関するインプットからスタート。現状のシステムは古くからの業務に則った構成なので、まずはいまのプロセスや仕様といった実情をつかむ必要があります。もちろん、開発側だけでそれを把握するのは難しいため、現場へのヒアリングがとても大切です。そうしていま起きているさまざまな課題やトラブルの因果関係を探り、システムによる解決策を提案していく。現場が望んでいたとしても、仕様があまりに複雑だったり、開発コストがかかりすぎたりするシステムは正解とはいえません。業務の状況や必要な機能を見定めたうえで、コストやスケジュールとのバランスを取りながら、移行プロジェクト全体の舵を切っていかなければならないのです。

ただ、パナソニックグループに所属する人たちは、立場は違ってもみんな家電やITが好き。だからこそ、家電受発注という根幹の業務を支えることに、誰もが使命感を持って働いているように感じます。私たちもシステムだけをつくって終わりにならないよう、実際の業務に取り組む現場と連携して、ベストな運用の仕組みまでを一緒に考えていく姿勢で臨んでいるんです。

システム移行は手段。目的は、より良い「くらし」と「しごと」

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基幹システムのクラウド移行に取り組み始めて3年。今後のモダナイゼーションの先端を切り拓くプロジェクトだと捉えてはいたけれど、取り組めば取り組むほど、その難しさと重要性を感じています。万が一このシステムが止まれば、量販店にパナソニックグループの製品が届かず、お客様が購入できなくなってしまいます。事業への影響はもちろんのこと、お客様の暮らしにもご迷惑をおかけしてしまうことになります。まさに入社時から夢見ていた、ITで経営や、人の暮らしをも変えていくプロジェクトともいえます。

いま私たちが目指しているのは、システムのモダナイゼーションを通して業務プロセスをシンプル化し、無駄のない最適な在庫配置を実現して、滞りなく店頭に製品を届けること。必要な家電がお客様のお手元に届き、その背景で新しい製品が生まれ続けていけば、パナソニックグループの事業によって人々の暮らしがより良くなっていきます。システム移行はそのための手段であり、私たちが手を動かす先には、パナソニックグループの事業成長がある。そうした大きな循環のなかで、私たちは働いているのです。

だからこそ、これほど壮大なプロジェクトでリーダーを経験できるのは、非常に稀有な経験だと思っています。難しい局面は多々ありますが、入社から17年が経っても思いきり頭を使って働けているのは幸せなこと。難しいと感じるときほど、成長の機会です。プロジェクトメンバーは少数精鋭なので、それぞれに確かな成長の実感を抱けているとも感じます。ただ、自分主導で面白いことを考え、取り組んでいく余白を持たせるためにも、今後はチームの拡大が必要ですね。

私の好きな言葉に、当社のスローガン「デジタルと人の力で『くらし』と『しごと』を幸せにする」があります。デジタルの可能性は、無限大。でも、どれだけITやデータ環境が発達しても、その適切な使い方がわからなければ、くらしやしごとは幸せになりません。デジタルをうまく使いこなせるかたちにしていくのが、僕たちの使命です。ここ数年で訪れる新システムの初回導入を乗り越え、真に、デジタルが活用できる状態まで昇華させていけるよう、ともに歩む仲間を求めています。

デジタルで、幸せをつくろう。

Panasonic Information Systems Co., Ltd.

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