すまいの保険のコラム
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「冬は乾燥して火災が発生しやすい」というイメージから火災が多いと思われがちですが、実は春は冬以上に火災が多いでのす。今回はその理由と、どのような対策を取るべきかを見てみましょう。
火災件数のピークは3月
図表1は、10年間の月別火災件数の平均値を示しています。
もっとも多い月は3月で4,568件、次いで4月の4,282件で、1年でもっとも火災が多い時期は春頃なのです。
図表2の火災種別で見ると、全体の56%を建物火災が占めています。
その半分が住宅火災で、それだけ住宅には火災リスクがあるといえます。
ここ10年間の火災件数自体は図表3の棒グラフのように、防火住宅の増加などもあって減少傾向ですが、それでも2019年で年間38,000件近く発生しています。
一方で1件当たりの損害額(折れ線グラフ)は増加傾向にあり、この背景に住宅価格の高騰などがあります。
春に火災が多い理由:乾燥&南風
乾燥は火災が発生しやすい条件の1つですが、そこに強風が加わると、炎は燃え広がりやすくなります。
札幌市消防科学研究所は、春想定の環境(湿度30%・風速3~4m/)と夏想定の環境(湿度80%・風速1~2m/秒)で、枯草にタバコの吸い殻を置き、炎が上がるまでの時間を測定しました。
すると、夏想定では10分かかったのに対し、春想定では約3分で炎が上がっています。
出典:春先の火災危険についての実験|札幌市
https://www.youtube.com/watch?v=LVH1OuW5P2I
春先は偏西風で大陸から乾いた移動性高気圧と、低気圧が交互にやってくる傾向があります。
乾いた移動性高気圧の後に日本海側を低気圧が進むことで強い南風が吹きやすく、火災が発生しやすいのです。(出典:お天気.com、ウェザーニュース)
また消防法第22条により、火災が発生しやすい状況下では自治体が火災警報を出すことがあります。
発令条件は自治体ごとに異なりますが、基本的には大阪市の基準のように、湿度と風速が条件となっています。
- 実効湿度(注)が60%以下であり、かつ、最低湿度が35%以下であって、風速が毎秒7m以上又は7m以上となる見込みのとき
- 風速が毎秒10m以上のとき又は風速が毎秒10m以上の風が1時間以上連続して吹く見込みのとき
(注)実効湿度:木材の乾燥の程度を表す指数で、数日前からの湿度を考慮に入れて計算する。大阪市の火災警報発令条件 出典:大阪市「火災警報について」
日常的には乾燥注意報のチェックも大事です。
冬は主に太平洋側が乾燥しますが、春は移動性高気圧によって全国的に乾燥しやすい傾向があります。
実際、図表5のように乾燥注意報の件数は冬よりも春の方が多いのです。
主な火災原因
家庭の中で火災の原因となりやすいものは何でしょうか。
図表6は全火災の出火原因の内訳を示しており、タバコ・たき火・コンロががトップ3となっています。
しかし「放火」と「放火の疑い」を合わせると全体の12%を占め、1位で9%のタバコを上回ります。
また、住宅火災において死者が発生したものについて原因を示したものが、図表7です。
これを見ると、タバコやコンロの他、ストーブや配線も上位となっており、これらにも特に注意が必要です。
住宅の火災予防
消防庁は、住宅の防火について「いのちを守る7つのポイント」を公表しています。(図表8)
これを見ると分かるように、火災原因として多いタバコ・コンロ・ストーブについて対策が網羅されているだけでなく、火災警報器や消化器など火災発生時の対策も提案されています。
なお、火災警報器は設置だけでなく定期的な動作確認・交換も必要です。
放火に関しては消防庁の「あなたのお宅の放火火災に対する危険度の評価シート」で放火リスクを自己評価できます。
人通りや施錠、ゴミを適切な回収日時に出しているか、隣近所との協力関係などについて26個の設問があり、具体的な対策集例も掲載されています。(参考:消防庁「放火火災の防止に向けて」(PDF))
参考文献
当社の福祉制度や各種サービスをご紹介するものですが、
今回の内容は、普段の生活でのお気づきや、お役に立ちましたか?
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