ペットの保険のコラム
膵炎ってなに?
目次
どんな病気?
膵臓が自らを消化して炎症を起こす病気
膵臓は消化酵素を分泌する臓器です。この消化酵素が過剰に活性化し、膵臓そのものを消化して炎症を起こすのが膵炎です。本来、自己消化しないように調整されていますが、何らかの原因で制御不能になってしまうのです。この状態が急に起こり、強い症状を伴うのが急性膵炎。まれですが、炎症が全身に広がり続け、死に至ることもあります。
おもな症状
嘔吐や食欲不振などの消化器症状が多い。
● 嘔吐
● 吐き気
● 強い腹痛
● 食欲不振
● 元気がなくなる
● (ときどき)下痢
まれに黄疸の症状が出る
● 白目が黄色っぽくなる
● 耳の中の皮膚が黄色っぽい
● オシッコの色が明るいオレンジ色になる
予防法
膵炎の発症の仕方はくわしくわからず、原因不明のケースがほとんどです。
膵炎との関連が指摘されている要素を遠ざけることが予防につなげる可能性があります。
関連が考えられる要素
● 脂質代謝異常
● 高脂肪食
● 肥満
● ホルモン疾患
● 手術や麻酔の影響
● 免疫介在性疾患 など
検査・診断
血液検査や超音波検査などから総合的に判断します。
診断のポイント
● 消化器症状がある
● 血液検査で犬膵特異性リパーゼの数値、炎症マーカー(CRP)の上昇
● 超音波検査で膵炎の所見が見られる
膵炎の症状はほかの消化器疾患と重なるため、診断は血液検査と超音波検査も含めて総合的に行うことが重要です。血液検査では、膵特異的リパーゼや炎症マーカー(CRP)の測定が不可欠。膵特異的リパーゼは膵炎診断によく利用される有用な検査ですが、この数値だけで診断するのは危険です。CT検査や膵生検が必要になることもあります。
おもな治療
入院して集中的に治療することが多く、早期の食事再開も重要です。
輸液療法
嘔吐や下痢、食欲不振による脱水を防ぎ、膵臓の血液循環を維持するために行います。
抗炎症療法
ブレンダ®Zやステロイド剤を使って炎症の広がりや、炎症そのものを鎮めます。
制吐剤
嘔吐による脱水などを抑え、早期の食事再開のために使用。
栄養管理
腸内環境の維持のために早期に食事を与えます。無理がなければ口から与えますが、経鼻チューブを使用することも。
鎮痛剤
強い痛みを伴うケースでは、麻薬系の鎮痛剤を使用することもなくありません。
注:この記事は、アニコム損害保険株式会社が提供する「アニコムどうぶつNEWS_2025年12月号」の内容です。
取扱代理店:パナソニック保険サービス株式会社
引受保険会社:アニコム損害保険株式会社






