ペットの保険のコラム
てんかんってなに?
目次
どんな病気?
脳の神経細胞は電気信号を使って情報を伝達していますが、その電気活動が突然異常をきたすことで「てんかん発作」が起こります。こうした発作が繰り返し起こりやすくなった脳の状態(病気)を「てんかん」と呼びます。100頭に1頭の割合で起こるといわれる、犬の神経疾患のなかでもっとも多い病気です。
おもな症状
てんかん発作は大きく分けて2タイプ。
全般発作
全般発作のうち前足に強直発作(足をぴーんと突っ張る)、後ろ足に間代発作(ガクガクと激しく動く)が起きている様子。意識がなく、ヨダレを大量に出す、尿・便失禁をすることもあります。
焦点発作
体の一部にだけ症状があらわれる発作で、片足だけを上げる動きが見られたり、顔がピクピク動いたりする様子が見られるなど症状はさまざまです。
「てんかん」と聞くと、全身を激しく動かす発作をイメージしがちですが、実際の発作の症状にはさまざまなバリエーションがあり、その犬その犬でパターンはほぼ決まっていることも特徴です。
てんかん発作のパターン
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発作前の徴候※
・近寄ってくる
・ウロウロする など
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発作(数十秒から1~2分間)
・全般発作
・焦点発作(焦点発作の場合、目がパチパチする、目がピクピク動くなど発作の前兆がある場合もあります)
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発作後の徴候※(5~10分程度。長いと30分間以上)
・ぼーっとする
・ウロウロする
・寝てしまう など
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通常の状態に戻る
・ケロッとする
・すっかり普通に戻る など
おもな原因
遺伝や脳の病気が原因になります。
脳の病気なし 特発性てんかん
遺伝的な背景などが疑われるてんかん(生後半年から6才までに初めてのてんかん発作を起こしがち)
脳の病気あり 構造的てんかん
脳腫瘍や脳の形態異常、脳炎などが原因になります。
診断のポイント
発作がてんかん発作なのか、脳に病気があるかの
2つの観点から診断していきます。
1 本当にてんかん発作なのか?
問診や動画の確認、場合によっては脳波検査も行い、てんかん発作かどうかを鑑別。脳以外に発作を起こす原因がないかを調べるため一般身体検査、尿検査、血液検査も実施します。
2 脳の病気があるか?
脳に病気があれば、その治療も行わないとてんかん発作のコントロールは難しいです。そのため、神経学的検査やMRI、脳脊髄液検査などで、病気の有無を調べます。
おもな治療
通常自然に治ることはなく、投薬治療によって発作をコントロールしながら、生涯にわたってつきあっていく必要があります。投薬の開始は、発作の頻度や症状など国際的なガイドラインを参考に行います。かかりつけの動物病院で相談しましょう。
注:この記事は、アニコム損害保険株式会社が提供する「2025年11月号 アニコムどうぶつNEWS」の内容です。
取扱代理店:パナソニック保険サービス株式会社
引受保険会社:アニコム損害保険株式会社






