ペットの保険のコラム
心筋症って?

どんな病気?
「心筋」という心臓の大部分を構成している筋肉に異常が起き、心臓のポンプ機能が低下することで、全身の血液の循環が悪くなる病気です。
血液の循環が悪くなることで全身的に様々な障害が生じたり、突然死を起こすこともあります。
心筋症は、心臓病の中で発症率が高い病気で、若くても発症する可能性があります。
原因と症状
猫の心筋症は原因によって大きく3つのタイプに分類されます。
1.肥大型心筋症
左心室を囲む心筋が内側へ向かって厚くなる(肥大する)ことで、心室が狭くなり血液を十分に取り込めなくなり、全身へ血液を送り出すことが難しくなります。遺伝的素因が関与していると考えられ、甲状腺機能亢進症や高血圧が原因となることもあります。現在、猫の心筋症では一番多いタイプとされています。
2.拘束型心筋症
心筋や心臓内を内張している薄い膜(心内膜)の中に、固く伸縮性に乏しい組織(線維結合組織)が作られてしまうことで、正常であればゴム風船のように伸び縮みしていた心筋が固くなってしまい、うまく動くことが出来なくなります。はっきりとした原因は分かっていません。
3.拡張型心筋症
心筋が薄くなってしまい、収縮する力が弱くなることで血液を送り出せなくなってしまう病気です。伸びきって縮まなくなったゴムのようなイメージです。猫の場合、アミノ酸の一種であるタウリンの不足が原因の一つとされています。
心筋症の初期症状はわかりにくく、一番多いタイプとされている「肥大型心筋症」では、約33~55%で無症状という報告もあります。症状が悪化してくると呼吸が荒くなったり咳が出たりするほか、うずくまって休むなどの変化が見られる場合もあります。しかし、異変がまったく見られなかったのに突然倒れるということも少なくありません。
検査と治療
心筋症の疑いがある場合は、血液検査、心臓超音波(エコー)検査、心電図検査、レントゲン検査などを行います。現在、心筋症を根本的に治す方法はないため、治療の主な目的は投薬による進行の抑制と症状の緩和となります。心臓の収縮機能を高める強心薬や、血栓を予防する抗血栓薬などを用います。
早期発見のポイント
正常な猫の心拍数は、安静時で1分間に130~160拍です。 安静時でも200以上が継続する場合、心臓に異常がある可能性があります。 心拍数には個体差があるので、愛猫の通常時の数値を知っておくためにもできるだけ毎日測るとよいでしょう。 心筋症は通常の定期健診では判明しにくいので、できれば心臓に特化した血液検査を定期的に受けるようにしましょう。
注:この記事は、アニコム損害保険株式会社が提供する「アニコムどうぶつNEWS_2025年4月号」の内容です。
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