ペットの保険のコラム
ネフローゼ症候群ってなに?
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目次
どんな病気?
腎臓の糸球体の異常で尿中にたんぱく質が大量にもれさまざまな症状が出る病気です。
腎臓は心臓からの血液をろ過し、糸球体が老廃物を尿として排出します。ネフローゼ症候群は、その糸球体の炎症によりたんぱく質が尿に排出されることで発生します。血中のたんぱく質が減り、低たんぱく血症になると、腹水やむくみ、高コレステロール血症などの症状が出ます。完治を目指すことが難しい進行性の病気ですが、早期発見・治療によって、病気の進行をゆるやかにすることができるケースもあります。
おもな原因
糸球体腎炎や腎アミロイドーシスといった糸球体疾患が原因とされています。
糸球体腎炎
糸球体そのものに炎症が起こる病気です。遺伝性の要因や免疫異常が、糸球体にダメージを与えることもあるほか、感染症や腫瘍、慢性炎症、内分泌疾患、代謝疾患といった基礎疾患がきっかけになる場合もあります。
腎アミロイドーシス
たんぱく質の一種であるアミロイドが、腎臓に沈着してダメージを与える病気です。糸球体もダメージを受けて機能が壊されます。遺伝的なものや、細菌、真菌、寄生虫、免疫介在性疾患、腫瘍などの慢性炎症から二次的に起こることも。
飼い主さんが気づきやすい症状
・足先が冷たくむくんでいる(とくに後ろ足に多い)
・なんとなくおなかがふくらんでいる(腹水がたまる)
・食欲がない
・元気がなくだるそう
・寝てばかりで活動量が落ちる
・急な体重の増加など
合併症や進行によって加わる症状
・高血圧による突然の失明
・凝固異常による血栓症
・腎機能低下による多飲多尿
・尿毒症による嘔吐・下痢
・腹水や胸水がひどくなることによる呼吸困難など
おもな治療法
・たんぱく質が糸球体からもれ出にくくする治療
・免疫が関与している場合の治療
・腎臓そのものへの治療
・基礎疾患の治療
・むくみや腹水への対応
・合併症への対応
糸球体疾患に免疫が関与する場合は、状況によって免疫抑制剤や抗炎症剤を使うことがあるものの、ネフローゼ症候群を起こすほど壊れてしまった糸球体を元に戻すのは難しく、基本的には、今出ている症状への対症療法を行います。完治を目指すのは難しいですが、適切に治療すれば、体調をコントロールできるケースも。糸球体疾患を起こす基礎疾患があって、それを治療できるなら、症状の改善が期待できることもあります。
早期発見のために
ネフローゼ症候群は、糸球体疾患が進行して起こるため、糸球体疾患を早期に発見することが大切です。ただし、初期では、たんぱく尿が確認できる以外は無症状のことが多いため、尿検査が重要。健康診断などを受ける際には、症状がなくても尿検査を希望しましょう。簡易的な検査なら、トイレシーツの裏面を上にして、たまったオシッコを持参すれば検査できます。
注:この記事は、アニコム損害保険株式会社が提供する「2025年2月号 アニコムどうぶつNEWS」の内容です。
取扱代理店:パナソニック保険サービス株式会社
引受保険会社:アニコム損害保険株式会社