くるまの保険のコラム
車は、道路であればどこでも通行できるというわけではありません。道路標識や道路標示によって、通行が禁止されている道路や場所があります。また、渋滞等の交通状況により、青信号であっても交差点に進入できない場合や踏切、横断歩道に進入できない場合があります。そこで今回は、車の通行が禁止されている道路や交通状況による進入禁止についてまとめてみました。
車の通行が禁止されている道路や場所
道路標識や標示による通行禁止
◆道路標識による通行禁止
「通行止め」「車両通行止め」、「自転車及び歩行者専用」、「歩行者専用」等の標識によって通行が禁止されている道路を通行することはできません(図1)。
◆道路標示による通行禁止
「安全地帯」や「立入り禁止」の道路標示によって通行が禁止されている部分に立ち入ることはできません(図2)。
歩道や軌道敷内、路肩、歩行者用道路の通行禁止
◆歩道、路側帯、自転車道
歩道、路側帯、自転車道を通行することはできません。ただし、駐車場等の道路外施設に出入りするために歩道等を横切ることはできます。その場合は、歩行者の有無にかかわらず、歩道の手前で一時停止し、歩道等の安全確認をする必要があります。
◆軌道敷内
軌道敷内を通行することはできません。ただし、右左折等のために横切ることや、危険防止のためやむを得ない場合等は通行することができますが、後方から路面電車が接近してきた際は、速やかに軌道敷外に出るか路面電車と十分な距離を保つ必要があります。
◆道路標示による通行禁止
「安全地帯」や「立入り禁止」の道路標示によって通行が禁止されている部分に立ち入ることはできません(図2)。
歩道や軌道敷内、路肩、歩行者用道路の通行禁止
◆歩道、路側帯、自転車道
歩道、路側帯、自転車道を通行することはできません。ただし、駐車場等の道路外施設に出入りするために歩道等を横切ることはできます。その場合は、歩行者の有無にかかわらず、歩道の手前で一時停止し、歩道等の安全確認をする必要があります。
◆軌道敷内
軌道敷内を通行することはできません。ただし、右左折等のために横切ることや、危険防止のためやむを得ない場合等は通行することができますが、後方から路面電車が接近してきた際は、速やかに軌道敷外に出るか路面電車と十分な距離を保つ必要があります。
◆路肩(二輪車は除く)
歩道や路側帯のない道路を走行するときは、路肩(路端から0.5メートルの部分)にはみ出して通行することはできません。
◆歩行者用道路
歩行者用道路を通行することはできません。ただし、沿道に車庫がある場合や、身体障害者を輸送する場合等で警察署長から通行の許可を受けた車は通行できます。その場合は、特に歩行者に注意して徐行する必要があります。
交通状況による進入禁止
混雑している交差点への進入禁止
車は、対面する信号が青信号で交差点内に進入できる場合であっても、進路の前方が渋滞している等により、交差点に進入するとその中で停止し、信号が変わって発進してくる交差道路側の車の進行を妨げるおそれがあるときは、交差点に進入することはできず、交差点の手前で停止しなければなりません。
特に交通量の多い市街地で、信号機のある交差点が連続しているような道路では、青信号だからと安易に交差点に進入すると、渋滞等のために交差点内で停止するおそれが十分にあります。交差点に進入する時は、前方の状況をしっかり確認しましょう。
なお、混雑時の交差点への進入禁止は、交差点の直進時だけでなく、右左折時も同様です。
停止禁止の道路標示のある場所への進入禁止
前方の道路の混雑により、「停止禁止部分」の道路標示(図3)のある場所で停止し動きがとれなくなるおそれがあるときは、その場所に進入することはできません。
この道路標示は、主として警察署や消防署の前などに設けられています。したがって、万一そこで停止してしまうと緊急車両の出動を妨げてしまうおそれがありますから、注意しましょう。
前方の道路が混雑していて、踏切や横断歩道、自転車横断帯で停止し動きがとれなくなるおそれがあるときは、踏切や横断歩道、自転車横断帯に進入することはできず、その手前で一時停止し、混雑が解消するのを待つ必要があります。
特に踏切においては、前方が混雑しているにもかかわらず進入すると、踏切内で立ち往生し動きがとれなくなり、最悪の場合、列車と衝突するという大事故につながりかねません。踏切の先に信号機のある交差点があるような場所では、赤信号により停止車両の列ができ、最後尾の停止車両と踏切の間に車が入れる余地が不十分な場合があります。そのような踏切に進入すると、踏切内で停止せざるを得ない状態になりますから、踏切に進入するときは、一時停止して安全確認をするとともに、踏切の先に自車が入れる十分な余地があるかどうかを必ず確認しましょう。
※イラストの二次利用はご遠慮願います
〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ