くるまの保険のコラム
道路交通法において、一刻一秒を争う救急車や消防車等の緊急自動車は、それ以外の一般車両よりも優先されることが定められています。また、公共交通を担う路線バス等についても、専用通行帯や優先通行帯が設けられるなど一定の優先が認められています。そこで今回は、緊急自動車と路線バス等の優先についてまとめてみました。
緊急自動車の優先
緊急自動車とは
また、緊急自動車には、通行区分等において、次のような特例が認められています(道路交通法第39条)。
・追越しをするためその他やむを得ない必要があると
きは、道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出
して通行することができる。
・法令の規定により停止しなければならない場合にお
いても、停止する必要はなく、他の交通に注意して
徐行して進行することができる。
緊急自動車に対する避譲の方法等
①交差点やその付近では、交差点を避け道路の左側に
寄って一時停止をします(図1)。
②交差点やその付近以外の場所では、道路の左側に寄
って進路を譲ります。この場合は一時停止の義務づ
けはありませんが、状況に応じて一時停止をして緊
急自動車の通行を妨げないようにします。
※上記①と②の場合において、緊急自動車がセンター
ラインを越えて走行してくる場合は、対向車線側の
車も道路の左側に寄って進路を譲る義務があります
。
③一方通行路で、左側に寄るとかえって緊急自動車の
通行の妨げとなるような場合は、右側に寄って進路
を譲ります。
④高速道路で緊急自動車が本線車道に入ろうとしてい
るときや出ようとしているときは、その通行を妨げ
てはいけません
路線バス等の優先
路線バス等の発進妨害の禁止
路線バスの停留所において、乗客の乗降のために停車していた路線バスが、発進するために進路変更をしようとして合図をした場合は、その後方にある車両は、急ブレーキや急ハンドルで回避しなければならない場合を除いて、合図を出した路線バスの発進を妨げてはいけません(道路交通法第31条の2)。
路線バス等の専用通行帯と優先通行帯
路線バス等については、標識や標示によって専用通行帯や優先通行帯に指定されている通行帯があります(図2)。専用通行帯と優先通行帯では、路線バス等以外の車の通行方法が異なります。
◆専用通行帯
標識や標示に示されている車の専用通行帯に指定
されている通行帯では、当該車のほかに小型特殊自
動車、原付バイク、自転車などの軽車両は通行でき
ますが、それ以外の車は、緊急自動車に進路を譲る
ときや右左折する場合などのやむを得ない場合を除
いて、通行することはできません(道路交通法第
20条、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令
別表第1規制標識327の4)。
◆優先通行帯
標識や標示によって路線バス等の優先通行帯に指
定されている通行帯は、路線バス等以外の車も通行
できます。ただし、路線バス等が接近してきたとき
は速やかに優先通行帯から出なければなりません。
また、道路の混雑等により、路線バス等が接近し
てきたときに優先通行帯から出られなくなるおそれ
があるときには、右左折等のやむを得ない場合を除
いて、優先通行帯に入ることはできません(道路交
通法第20条の2)。
【留意点】
路線バス等の専用通行帯や優先通行帯は、通常、
道路標識や標示により適用される時間帯等が指定さ
れています。道路標識や標示をよくチェックし、専
用通行帯や優先通行帯の時間帯でないかどうかを確
認することが大切です。
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〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ