くるまの保険のコラム
2020年
8月号
交通の安全を確保するために、道路交通法において、車が一時停止又は徐行をしなければならない場所や場合がいくつも定められています。そこで今回は、一時停止又は徐行をしなければならない主な場所や場合についてまとめてみました。
一時停止しなければならない場所や場合
一時停止しなければならない場所
一時停止しなければならない場所について、主なものをあげてみると、次のようになります。
◆踏切
踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられている場合は、停止線の直前)で一時停止し、安全確認をした後でなければ進行できません。ただし、信号機が設置してある踏切で青信号に従う場合は一時停止をせずに進行できますが、その場合でも安全確認は必ず行う必要があります(道路交通法第333条第1項)。
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※前車に続いて踏切に侵入する場合でも一時停止をしな
ければなりません。
◆道路標識等で一時停止すべきことが指定されている交差点
交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合は、交差点の直前)で、一時停止しなければなりません(道路交通法第43条)。
【歩道橋を横切る場合】
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※歩行者や自転車がいない場合でも一時停止しなければ
なりません。
一時停止しなければならない場合
一時停止しなければならない場合について、主なものをあげてみると、次のようになります。
◆歩道等を横切る場合
駐車場など道路に面した場所に出入りするために、歩道や路側帯を横切る場合は、それらの直前で一時停止しなければなりません(右図参照)(道路交通法第17条第2項)。
◆横断歩道等に横断歩行者等がいる場合
横断歩道等(横断歩道又は自転車横断帯)を横断していたり、横断しようとする歩行者や自転車がいる場合は、横断歩道等の手前で一時停止しなければなりません(道路交通法第38条第1項)。
◆緊急自動車が接近してきた場合
交差点やその付近で緊急自動車が接近してきた場合は、交差点を避け、道路の左側に寄って一時停止しなければなりません(道路交通法第40条第1項)。
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徐行しなければならない場所や場合
徐行しなければならない場所
徐行とは、車が直ちに停止できるような速度(おおむね時速10キロ以下の速度)で進行することをいいますが、次の場所を通行するときは徐行しなければならないことが定められています(道路交通法第42条)。
- ①徐行の標識等のある場所
- ②左右の見通しのきかない交差点
※交通整理が行われている場合や優先道路を
通行している場合は徐行義務はありません。 - ③道路の曲がり角付近
※見通しの良し悪しにかかわらず
徐行する必要があります。 - ④上り坂の頂上付近や勾配の急な下り坂
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徐行しなければならない場合
徐行しなければならない場合について、主なものをあげてみると、次のようになります。
◆歩行者の側方通過時に安全な間隔がとれないとき
歩行者の側方を通過するときで、安全な間隔がとれない場合には徐行しなければなりません(道路交通法第18条第2項)。
◆交差点で左折や右折をする場合
交差点を左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、できる限り道路の左側端に沿って徐行します。右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、交差点の中心の直近の内側を徐行しなければなりません。ただし、左折・右折のいずれも、道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を徐行して通行します(道路交通法第34条第1項、第2項)。
※道路外に出るために右左折する場合も、徐行が
義務づけられています(道路交通法第25条第1
項、第2項)。
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一時停止又は徐行が義務付けられている場合
次のような場合は、一時停止又は徐行をして通行を妨げないようにしなければなりません(道路交通法第71条第2号、第2号の2)。
- ・監護者が付き添わない児童や幼児が通行して
いる場合 - ・身体障害者用の車椅子が通行している場合
- ・白や黄の杖を持った人や盲導犬を連れた人が
通行している場合 - ・身体に障害のある人や高齢歩行者が通行して
いる場合
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※イラストの二次利用はご遠慮願います
〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ