くるまの保険のコラム
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ゲリラ豪雨や台風による浸水や飛来物、土砂災害や雪・雹(ひょう)による損傷に至るまで、自然災害で自動車が被害を受けるケースは多岐に渡ります。これらリスクは長期的に見て高まっており、1台当たりの修理コストも上昇しています。今回はこの背景を見ていきましょう。
増えるゲリラ豪雨
図表1は日本沿岸の海面水位について、1981~2010年の平均を0とした時の差を示しています。周期変動がありますが、現在は水位が高く、潜在的に高潮被害のリスクが高いといえます。
海面上昇や海水温上昇による異常気象の一つがゲリラ豪雨です。図表2のように、1時間に50mm以上の大雨が降る回数は増加傾向にあります。
「1時間当たり50mm」は都市計画で目標とする排水能力で、これを超えると道路が冠水しやすくなります。国土交通省水管理・国土保全局によれば、50mmに耐えうるインフラが整っているのは60%に過ぎず、民間貯留施設などを活用しても80%に留まります。
この水準の大雨は今後も増加すると見られています。以下は気象庁による観測地点別の大雨発生回数の変化(灰:20世紀末、赤:21世紀末の予測)を示しています。沖縄は言うまでもなく、人口が多い東日本・西日本太平洋側においても、20世紀末時点で年間0.2~0.25回となっています。
これは、この地域の「どこにいても数年に一度は道路が冠水するレベルの大雨に見舞われるリスクがある」事を示しており、そのリスクは今後さらに高まっていくと予想されるのです。
洪水時の走行は故障リスクが高い
大雨や台風の際には、タイヤが浸かるような洪水の中を走行する自動車が報道されることがありますが、あれは大変危険な状態です。一般的な普通自動車だとタイヤの外径が60cmほどですが、JAFの実験ではSUVを除いて30km/hの低速走行でもエンジンが停止しました。タイヤ半分ほど30cmの冠水だと「何とか走行できる」という状況ですが、30km/hでエンジンルームに水が入ります。
山手の土砂災害リスク
沿岸部を中心にゲリラ豪雨などによる洪水リスクが高い一方で、山手に住む人にとってリスクが高いのが土砂災害です。図表4の土砂災害発生件数の推移からも分かるように、ゲリラ豪雨だけでなく台風や地震など様々な自然災害で発生し、なおかつ増加傾向にあります。最近では平成30年7月豪雨(西日本豪雨)や東日本台風で多くの土砂災害が発生しました。
毎年被害が大きい台風
これからの季節に増えるのが台風です。図表5は、日本への台風の接近数と上陸数の推移を示しています。これによると毎年約12個近くが接近し、3個が上陸しています。例えば大阪を中心に甚大な被害をもたらした平成30年台風21号では約11万4,000台の車両に約780億円の被害、東日本台風(令和元年台風19号)では約4万8,000台の車両に約645億円の被害がもたらされました。(日本損害保険協会)
他にも地震・雪・雹(ひょう)・竜巻など
土砂災害にも関連しますが、日本は地震大国です。地震といえば人や家屋への被害が注目されがちですが、走行中や停車中の自動車に落石や看板の落下などの被害も多いのです。
北日本はゲリラ豪雨のリスクは低い一方で降雪量は多いため、大雪が自動車に積もって屋根が破損したり、カーポートが倒壊して自動車が破損したりするケースが多く報告されています。
また、東日本を中心に5~8月上旬は雹(ひょう)が発生することがあり、特に北関東は発生が多く、2018年5月にはガラスが割れるなどの被害が報告されたのは記憶に新しいところです。茨城県龍ケ崎市役所によると、記録的なものでは2000年5月には茨城県・千葉県で80kmに渡る範囲で大粒の雹(ひょう)が降り、自動車3万3,000台、130億円の被害が出ました。
そして気象庁が近年観測に力を入れているのが竜巻です。観測を強化した2007以降、2017年までに陸上で発生したものだけで年平均23件にのぼります。
自動車の高機能化による修理費の増加
このように自動車が被害を受け得る自然災害は非常に多様であり、これらのリスクを無視して生活する事は出来ないと言っても過言ではありません。そして自動車が損傷した場合の修理費も、年々高くなっています。
図表6は車両保険支払1件当たりの修理費を示しています。2012年は22.9万円だったのに対し、2018年には31.6万円まで増加しています。これは損害保険料率算出機構によれば、サポカー(安全運転サポート車)に搭載される自動ブレーキなどに使われるセンサーが高額なことによるものです。
参考文献
当社の福祉制度や各種サービスをご紹介するものですが、
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三井住友海上火災保険株式会社
東京海上日動火災保険株式会社
損害保険ジャパン株式会社
そのリスクは年々高くなっています。
自動車は高機能化して安全になってきていますが、いざ故障してしまうとその修理費は高くついてしまいます。
自然災害のリスクを過小評価せず、保険で備えを考えませんか。