パナソニックに入社した理由と、現在の仕事内容を教えてください。
ITソリューション領域におけるAI開発やデータ分析などに携わってきた中で、これまで培ってきた自身の経験やスキルを、より大きな舞台で活かしたいという思いを持っていました。パナソニックに興味を持ったのは、一家に一台ともいえる家電製品を数多く取り扱っている会社であったこと。自分が技術開発に携わった製品が、多くの方々の生活に近い場所で実際に役立つ楽しさややりがいを数多く味わえるのは、この会社ならではだと思っています。
現在は、主に海外向け家庭用エアコンの故障診断AIの技術開発を担当しています。具体的には、エアコンに不具合が発生した際に、スマートフォンやタブレットなどのデバイスとエアコンとを無線で接続することで、エアコンのどこが悪くなっているのか、どのように修理すればいいかをAIの技術によって判断するツールのアルゴリズム開発を担っています。このツールがあることで、エアコンの故障原因がどこにあるのかをスムーズに判別できたり、修理の現場におけるムダな工程や人件費、工賃などを削減できたりといったことも実現可能。今後はこの技術を、アフターケアなど、カスタマーサポートの現場でも活用していけるのではないかと考えています。
パナソニックでベンチャーマインドを
感じたエピソードはありますか?
私が入社2年目のときに、自分のやりたいことを経営幹部にプレゼンさせていただく機会があったのですが、そのプロジェクトが半年経たないうちに具体化していったという事例があります。
入社当初より開発に携わっている故障診断AIは、もともと日本国内向けのものでした。しかし、国内と同じように「海外にもエアコン修理現場のムダを省きたい、効率化したいというニーズは必ずある」「この技術を海外でも展開していきたい」という仮説が私にはありました。そんな時に、事業部長をはじめとする経営層にかなり近い方々へ「こういった取り組みをしているのでぜひ海外でも進めていきたい」というプレゼンをする場を設けていただけて。そんな機会をいただけるだけでも驚きですが、プレゼン後、「どんどん進めてほしい」「おそらく海外拠点のこのメンバーに協力してもらうのがスムーズだろう」と、すぐに海外向けの取り組みが社内で進んでいくことになりました。そして半年も経たないうちに海外の現地スタッフとも繋がり、事業化へと前進していく結果になったんです。入社1~2年目の担当者レベルであっても、経営に近い方々にアイデアを提案・議論することができたり、その結果すぐに新たな取り組みがスタートしたりといったスピード感は、これだけ大きな規模を持つ会社ではかなり珍しいのではないでしょうか。社員一人ひとりが、自分の発信から会社をダイナミックに動かすことができる環境は、まさにベンチャーの雰囲気に近いと思います。
パナソニックならではの、
ソフトウェア開発環境の魅力を教えて下さい。
在宅メインで開発を進めることができたり、開発に必要なツールに投資してもらえたり、開発現場目線の職場だなと感じています。
例えば、大企業ではセキュリティの問題で在宅勤務はさせてもらえないというケースもまだまだ多いと思うのですが、当社の使っている開発ツールやデータは、そういったセキュリティの事項をクリアしつつ在宅勤務ができる環境が整っています。会社として「在宅してもいいよ」ではなく「できる限り在宅をしましょう」というスタンスです。
また、ソフトウェア開発者の場合、「キーボードはこれ」「モニターはこれ」「このツールがあったほうが開発しやすい」というこだわりを持っている方も多いはず。そういった成果のために必要なものに対しては、会社が積極的に投資してくれる点も開発現場目線の素晴らしい会社だなと思っています。
そして何よりも、自分発信で物事を動かしていける環境こそが、私にとってはモチベーションにも繋がっている大きな魅力です。社歴や年齢にかかわらず挑戦できる社風が全社的に根付いているのも、日頃から事業部長やセンター長など上層部の方々が、「言いたいことがあれば遠慮なくどんどん言ってほしい」「どんどん若手にチャレンジしてほしい」と背中を押してくださっているからこそだと思います。
パナソニックでは、
どのようなキャリアステップを実現することができますか?
例えば、現在の私は主任技師という立場ですが、このポジションは新卒入社の場合でおよそ4~5年経てば一つ上へとステップアップできるようになっています。そうなれば、ある程度の裁量を持ってプロジェクトを推し進めていくリーダーを担う機会もありますし、対外的な発表なども中心となって担っていくことができます。前職まで勤めていた会社では、31~32歳くらいで同様のポジションに就くケースが多かったので、かなりスピーディーにキャリアステップができる環境と言えるのではないでしょうか。課長職以上の管理職についても、本人の適性と希望があれば手を挙げられると聞いていますし、実際に30代で課長職についている方もいます。
どんなソフトウェア人材に、
パナソニックの空質空調事業をおすすめしたいですか?
あくまでも個人的な意見ですが、「プログラミングが大好きでそれだけをやっていたい」「面白い技術を深掘りしていきたい」という方よりも、本当にゼロの状態から「新しい基礎技術を開発してみたい」という方のほうが、楽しみながら取り組める環境ではないかと思っています。それこそデスク上だけでなく、自分の足で世の中のニーズを調査したりして、「技術を活かしてこういうことができるんじゃないか」と考えることが好きな方であれば、きっと活躍できるはず。そういった新しいアイデアを発信しやすく、受け入れてもらえる環境だからこそ、周りをどんどん巻き込みながら前進していくことができると思います。
最後に、今後挑戦していきたいことを教えてください。
現在取り組んでいる故障診断AIを海外展開していくプロジェクトは、会社的にも新しい取り組みでまだまだ黎明期と言えます。だからこそ、このプロジェクトを推し進めることによって、海外のエアコンの修理スタッフやサービススタッフが、少しでも楽になるような未来をまずは実現していきたいです。また、ゆくゆくはこのAIのアルゴリズムや技術を、別の領域にも活かしていけたらと考えています。世の中のIoT化・AI化がどんどん進んでいく中で、どのようなシーンで、どのようなツールで、どのようなアイデアでこの技術を活かしていけるかを考えるだけでも、個人的にはワクワクしますね。
PROFILE
ソリューション事業開発センター
機械学習スペシャリスト
黒川 孝幸