- 平池 礼樹
- 空調冷熱ソリューションズ事業部 商品開発
2016年入社 30代
研究された技術を、
実際の商品につなげていくパイプ役。
今、どういったお仕事をされていますか?
業務用空調の先行開発をしています。開発には大きく2つのステージがあり、基盤となる技術の開発段階と、実際に発売される商品の量産開発段階があります。先行開発は両者の間にあり、上流の技術を活かし、商品力をつけて量産開発に引き継ぐ、パイプのような役割です。具体的には、市場状況や他社動向などさまざまな調査をおこないながら商品コンセプトや発売時期、販売企画台数、コスト、生産工場などを検討し、固めていく仕事です。
法規改正やカーボンニュートラルの対応もされていると伺います。
特に欧州は環境への意識が高く、温暖化に関する規制が年々、厳しくなっています。地球温暖化係数が一定以上の冷媒が使用禁止になり、これまでの空調機器に入っていた冷媒ガスが使えなくなると想定されています。欧州以外の国々にもさまざまな法律規制があるので、いち早く情報を入手し、対応を検討していかねばなりません。また、省エネ性が向上した環境にやさしい商品の開発をおこない、地球温暖化防止に貢献していくことも大切な役割になります。
どんなきっかけで転職されたのですか?
前職で入社7~8年目に大きなプロジェクトを担当させて頂きました。それが発売されたタイミングがちょうど30歳になる節目の年であったこともあり、技術者としての自分の立ち位置を知りたいと思い転職活動を始めました。その中で、これまで自分が恵まれた環境で貴重な経験ができていたことを自覚しつつも、業務用空調事業を成長事業ととらえて力を注いでいるパナソニックに魅力を感じました。そこで、新たな挑戦がしたいと思い転職を決めました。
自主責任経営。一人ひとりが、
経営を自分ごとと考えて行動する。
転職後は、どのような印象を持ちましたか?
会社として大きな枠組みのルールはありますが、仕事へのアプローチの仕方などを自分なりの方法で決めて、業務を進めることができます。また、社員には新卒からずっとパナソニックという方だけでなく、合併によって途中から一緒になった方やキャリア入社の方など、さまざまなバックグラウンドを持つ方がいます。そういった意味で、物事を広い視野で考えることができる環境も、大きな魅力だと感じています。
他にも、入社して初めてわかったことがあれば教えてください。
いろいろな節目で、創業者の松下幸之助さんの考え方に触れる機会があります。その一つに「自主責任経営」があって、これは一人ひとりが経営を自分ごとと考えて行動しようというものです。それまでは目の前の仕事に集中するだけで、あまり考えてこなかったことなので新鮮でした。毎月おこなわれる全体会議の場でも「経営者の一言」が紹介されます。経営の神様といわれる方が今も身近な存在であるのも、この会社の魅力です。
先行開発のお仕事は、調査がベースになると伺いました。
確かに今は文献や過去の資料を調べたりする時間が多いです。新商品の開発は当然、今ある技術がどこまであるか、逆に言うと他社はどういうことやっているかを把握した上で、進めていきます。また、たとえばエアコンの室外機も、室内機と1対1でつながるものもあれば、1個の大きな室外機からたくさん室内に分岐するものもあります。先行開発はそういった商品の理解から始まるところもあるので、常に広い知識を得るよう、つとめています。
いろいろな人を巻き込んで、
まだ世の中にない商品を出したい。
どんなときに、やりがいを感じますか?
上司から「こういうテーマがある」と紹介されて、「我々のところでやりたいです」と手を挙げたことで任せてもらえた仕事があります。従来商品のマイナーチェンジではないため、検討事項が多くて大変ではありますが、完成すれば会社として強い売りになるので、やりがいを感じています。先行開発は足元の業務に追われることが少なく、落ち着いて考える時間が確保できる環境です。それによって新たな発想が生まれやすくなることを肌で感じています。
今後の目標について、教えてください。
もともと、ここ群馬県の大泉に会社のラグビーチームがあったこともあり、私の部署は「One Team, One Goal」を意識しています。先行開発の段階でいかに企画や工場、マーケティングなどの人たちと連携していくかが、商品化に向けては大事です。これからもいろいろな人を巻き込んで、世の中にない商品を出して事業の発展に貢献したい。そしてチームの一人ひとりが達成感を持てる仕組みをつくっていきたいです。
最後に、転職者の方へメッセージをお願いします。
私は大型空調の専門知識がそれほどない状態で入社しましたが、6年間、なんとかやれています。同じように知識に自信がない方でも、ここは入社してから着実に力を付けられる環境です。自分がわからないことを周りの方や先輩、関連部門の方々に聞くと、嫌な顔一つせず答えてくださる雰囲気もあるので、心配は要りません。空調は成長事業です。この上昇気流に乗っていきたい人には、挑戦する場としてぜひお勧めです。