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サーマルカメラとは?仕組みや特徴、導入メリット・デメリットも解説

更新日:2024/09/30
サーマルカメラとは?仕組みや特徴、導入メリット・デメリットも解説
昨今、新型コロナウイルス感染症対策の一環で、建物の入り口で見かけるようになった「サーマルカメラ」。導入を検討されている方も多いことでしょう。そこでこの記事では、サーマルカメラとは何か、導入時のメリット・デメリット、活用シーンなどを紹介していきます。
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サーマルカメラとは何か?

サーマルカメラの「サーマル」には、「熱の」という意味があります。このことからもわかるとおり、熱を検知できるカメラが「サーマルカメラ」です。サーマルカメラで撮影した映像「サーモグラフィー」は、温度が高い部分は赤く、低い部分は青く表示されます。このサーモグラフィーを見ることで、対象物の温度を瞬時に確認できるのが最大の特徴です。

サーマルカメラの仕組みとは?

サーマルカメラは遠赤外線を検出することで、対象物の温度を検知しています。遠赤外線は地球上の物質すべてが発している見えない電磁波です。温度が高いほど遠赤外線の強さは強くなり、温度が低いほど遠赤外線は弱くなります。この赤外線を検出するセンサーが、サーマルカメラには搭載されているのです。

物質が発する遠赤外線をセンサーが検出・分析し、遠赤外線が強ければ赤く表示、弱ければ青く表示します。

サーマルカメラの特徴

それでは、サーマルカメラの特徴を見ていきましょう。

非接触で温度を計測できる

サーマルカメラは物質が放つ赤外線をセンサーで感知して温度を測定します。そのため、直接物に触れることなく温度を計測できるのが特徴です。非接触であれば、接触感染リスクを軽減することができます。

暗い場所でも撮影可能

映像や画像をカメラで撮影するときには、ある程度の明るさ・光が必要となります。しかし、サーマルカメラは光を必要としません。赤外線を捉えることで映像や画像を撮影できるからです。このため、暗い場所や逆光といった環境でも撮影可能で、体温を計測することができます。

広範囲の温度を計測できる

製品にもよりますが、サーマルカメラでは広範囲の温度も計測可能です。この特徴により、カメラの前で立ち止まることなく、スムーズに、複数人を検温できます。

透過性能が高い

サーマルカメラは、霧や煙などで視界が不明瞭な場所や状況でも、撮影することができます。これは、遠赤外線が通常の光と比べてより物体をすり抜ける性質が強いためです。

設置が簡単

サーマルカメラは病院や小売店などの受付やエントランスなどに設定されている事例が増えました。サーマルカメラにはさまざまなタイプがありますが、タブレット型と呼ばれるスマートフォンをひとまわり大きくしたようなタイプであれば、三脚に取り付け、電源をつなぐだけで簡単に設置できます。

前述したように、サーマルカメラは赤外線を捉えるため、光を必要とせず、通常のカメラのように明るさを気にする必要もありません。設置・導入が簡単なことはサーマルカメラのひとつの特徴といえます。

サーマルカメラを導入するメリット・デメリットとは?

サーマルカメラの導入には、メリット・デメリットがあります。これらを理解した上で、導入を検討しましょう。

メリット

サーマルカメラの最大のメリットは、非接触で広範囲の体温計測ができることです。感染症拡大のリスクも減らせますし、スピーディーに検温できます。

また、検温結果のデータを、映像と一緒に保存できるのも良い点です。もしもの事態が起きたときに、このデータと映像で検証できます。

さらに良い点は人的コストを抑えられることです。通常、建物の入り口で体温測定をするには監視員や検温するスタッフが必要ですが、サーマルカメラを導入すれば、その必要がありません。

デメリット

サーマルカメラにもデメリットはあります。1番大きいのは、導入コストがかかることでしょう。サーマルカメラ自体の価格が高いためです。最近では価格の安いモデルも登場してはいますが、「お手軽価格」とは言い難いでしょう。また、複数台導入したい場合には、その分コストがかかります。

もう1つのデメリットが、感染の陰性・陽性、無症状患者を判断できないことです。サーマルカメラはあくまでも体温を計測する端末。感染防止対策にはなりますが、感染を完全に防げるわけではありません。

サーマルカメラの活用シーン

どのような場所でサーマルカメラは活用されているのでしょうか。活用シーンをご紹介します。

サーマルカメラの活用シーン

感染症対策

医療機関や空港、大型の商業施設、テーマパークやイベント会場など、多くの人が訪れる場所の入り口に、サーマルカメラが設置されています。サーマルカメラを設置することで、体温の計測がスピーディーにでき、感染症拡大の防止につながります。

監視目的

サーマルカメラは、視界が不明瞭な場所でも撮影することができるという特徴を生かし、異常事態が起きていないかの監視目的にも活用されています。導入されている場所は、海上や高速道路、トンネル内、空港や港湾といった国境などです。

電気・ガス設備などの点検

電気・ガス設備の点検・整備を行う現場や工場でもサーマルカメラは活躍しています。サーマルカメラは異常な発熱を検知することから、これらの場所で設備の故障や火災が起きた場合に、素早く対処できるのです。

サーマルカメラのタイプ

サーマルカメラはいくつかタイプがあり、それぞれ性能や使い勝手が異なります。PCと専用ソフトが必要なタイプや、単体で使えるタイプがあります。それぞれ特徴を見ていきましょう。

ガンタイプ

バレットタイプとも呼ばれる長細い箱のような形をしたサーマルカメラです。監視カメラや防犯カメラに温度を測定する機能を追加したものと考えてもよいでしょう。従来、サーマルカメラとしては最も一般的なタイプで、カメラを建物のエントランスなどに設置したあと、パソコンと接続し、専用ソフトウェアを使って、来場者の温度を計測します。

複数の人物を同時に検知できるほか、対象者を追跡する機能を備えた高性能なタイプもあり、イベント会場や不特定多数が出入りする施設など、検温を実施していることを明確に伝えたいケースに向いています。

ドームタイプ

半円形の形をしたサーマルカメラです。基本的な性能や用途は、ガンタイプと同様ですが、ガンタイプに比べて、設置していることがわかりにくく、利用者にプレッシャーや不快感を与えないことが特徴です。オフィスビルなど、出入りする人が概ね限られている際の利用に適しています。

タブレットタイプ

ショッピングセンターにテナントとして入っている小売店の入口などでよく見かけるのがタブレットタイプです。製品によってはスマートフォン程度の大きさのものもあります。一体型、スタンド型とも呼ばれ、PCや専用ソフトウェアは不要で、電源を用意すれば、端末だけで使用できますが、利用者に画面に顔を向けてもらう必要があります。最も手軽に設置・運用できるタイプです。

ハンディタイプ

文字どおり、手に持って利用するタイプのサーマルカメラです。ガンタイプやドームタイプのように複数を一度に検温することはできず、手に持って1人ずつ検温する必要があります。他のタイプに比べると、導入コストを抑えることができます。

サーマルカメラを選ぶポイントとは?

サーマルカメラにはさまざまなタイプ、種類のものが販売されています。どれを選べばよいのか、そのポイントを解説します。

検温できる距離・範囲、人数

サーマルカメラによって、検温できる距離・範囲、人数が異なります。多くの人が通行する場所にはより広範囲のもので、複数人を一度に検温できるタイプがおすすめです。

検温スピード

検温スピードもチェックしましょう。検温スピードが遅いと待機列ができてしまい入場者のストレスになったり、時間がかかってしまいます。多くの人が通行する入り口では、検温スピードが速いものを選ぶようにしましょう。

検温管理機能の有無

サーマルカメラで検温した人の「名前」「温度」「検温時間」を記録し、データ管理できるタイプもあります。企業や工場などの従業員の体温管理を行いたい場合は、このタイプを選ぶとよいでしょう。

アラート機能の有無

温度が高い人をサーマルカメラが捉えたときに、音がなる機能を「アラート機能」といいます。この機能がついたサーマルカメラは、音で高温かどうかを判断できるのが特徴です。お客様向けに使う場合には、アラートが鳴って不快な気持ちにさせないようなアラート音を設定できるものにしましょう。

マスク着用検出の有無

昨今では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、マスク着用が求められています。サーマルカメラには、マスク着用を検出できるカメラもあるため、この機能をもつタイプであれば、体温検測とマスク着用チェックが同時にできます。コロナ対策を強化したい場合に最適です。

サーマルカメラの導入事例

新型コロナウイルス感染拡大により、サーマルカメラは一般的なものになってきました。サーマルカメラの導入事例を紹介します。

大型イベント開催時にエントランスに複数台設置

コロナ禍での大型イベントでは、厳しい感染対策が求められ、来場者の体温を厳重に検温することはその第一条件といえます。イベントには大勢の人が来場されるため、複数の来場者をまとめて一度に検温できる体制が必須。ドームタイプのサーマルカメラを複数台準備し、三脚に取り付けて、エントランスに配置しました。

カメラは専用のレコーダーに接続して、集中管理。万一、発熱者を検知した場合はサーマルカメラが映し出している画面とは別に、発熱者だけを集中的に表示するようにし、発熱者を見逃さない体制を整えました。

幼稚園の玄関に設置し、スムーズに登園

幼稚園では登園前に自宅での検温をお願いするほか、当初は保育士さんがハンディタイプのサーマルカメラを使って、登園してきた園児を一人ずつ検温していました。

ただし、その体制では検温に時間がかかって、幼稚園の玄関が思いがけず密な状態になってしまったり、全員が幼稚園の中に入るまで時間がかかってしまうことがありました。

そこでドームタイプのサーマルカメラを玄関に設置、園児が登園してきた際に複数の園児を同時に検温できるようにしました。ハンディタイプと比べると、手間や時間がかからず、スムーズに登園できる体制が整えられたうえ、保護者からは安心して登園できる、との声が寄せられています。

玄関と受付で二重の検温体制

大規模な病院であれば、ガンタイプ/ドームタイプのサーマルカメラを設置し、運営することも可能ですが、小規模な医院では導入の負担、運用の負担も大きくなります。

そこで導入や運用の負担を軽減しつつも、厳重な検温を行うために、玄関にタブレットタイプのサーマルカメラを設置。来院された方に1人ずつ、カメラに顔を向けて検温していただくようお願いし、さらに受付でも検温を行う二重のチェック体制を整えました。

タブレットタイプのサーマルカメラは、コンセントにつなぐだけで使えるうえ、運用に人手も不要です。

サーマルカメラに顔認証機能をプラスして運用

新型コロナウイルス感染対策のために、オフィスの入口にタブレットタイプのサーマルカメラを設置することを検討。さらに顔認証システムのリーダー機能を備えたタイプを選択することで、オフィスに入る際の検温と同時に、顔認証機能を使った入退出管理も実現しました。

マスクを付け忘れている時にアラートを出す機能もあり、厳重な感染予防対策とともに、高度なセキュリティ体制も実現しています。

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パナソニックEWネットワークスでは、複数人同時検温タイプや、PCレス・設置工事不要な自立タイプなど、さまざまなサーマルカメラをラインナップしています。また、サーマルカメラと入退ゲートの連携も可能です。サーマルカメラデモ機の貸し出しも行っておりますので、導入をご検討されている方は、ぜひお問い合わせください。

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サーマルカメラは非接触で温度を計測でき、設置すれば感染症対策にもつながります。サーマルカメラの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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