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DNSとは?DNSサーバーを社内に導入する際のメリットを解説

更新日:2023/05/26
DNSとは?DNSサーバーを社内に導入する際のメリットを解説
Webサイトの閲覧やメールの送受信をおこなう際、DNSの存在が必要不可欠です。必要なサーバの数や運用上の仕様、セキュリティなどの観点から、社内で独自のDNSサーバを導入する企業も少なくありません。今回の記事では、DNSの概要や必要性、調べ方やメカニズムを解説。またDNSサーバを社内で運用するときのメリット・デメリットも分かりやすくご紹介します。
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DNSとは?

DNSとは「Domain Name System(ドメインネームシステム)」の頭文字をとった略語であり、インターネット上でドメイン名の管理・運用をおこなう重要なシステムです。具体的には、ドメイン名とIPアドレスを対応付ける、別のDNSを紐付けるための枠割りなどを担っています。インターネット上における住所録のような存在であり、DNSを設定していない場合、Webサイトの閲覧やメールの送受信がおこなえません。

DNSはなぜ必要なのか?

Webサイトの閲覧やメールの送受信をおこなうとき、DNSの設定が不可欠です。インターネット上でWebサイトを閲覧する場合、ブラウザでドメインを入力してアクセスします。ただし、実際のところドメインを入力するだけでは、インターネット上のWebサイトへ直接接続することはできません。
Webサイトへ接続するためには、IPアドレスが必須となるからです。

IPアドレスとは「123.45.67.89」のようなピリオドで区切られた数字の羅列で構成されているコンピュータの認識番号であり、インターネット上の住所に当たります。すべてのコンピュータが個々に持つIPアドレスは、10進数という数字で表記されていることから、一般的なユーザにとって分かりづらい点が特徴です。またIPアドレスを変更した場合、以前のIPアドレスからアクセスできないなどの障害が生じます。

このような課題を円滑に処理するため、DNSというシステムが開発されました。DNSがドメイン名とIPアドレスを紐付けることで、コンピュータがWebサイトやメールサーバの情報を見つけ出しやすくなり、ユーザのWebサイトの閲覧やメールの送受信といったリクエストに素早く反応できるようになるのです。

DNSの調べ方は?

DNSの情報を調べる場合、WindowsやLinux上でコマンドを使って確認する方法やWebサービスを利用して確認する方法があります。Windowsでは「nslookupコマンド」を使用し、Linuxでは「digコマンド」を使用する方法が一般的です。

DNSのメカニズム

DNSのメカニズム

ドメイン名とIPアドレスを紐付けるDNSですが、具体的にどのようなメカニズムになっているのでしょうか?基本的な仕組みとしては、ユーザが検索画面に入力したドメインをDNSが処理し、Webサイトの情報を提示するようになっています。ドメイン入力後から情報が表示されるまでの所要時間は、わずか数秒です。その間の流れを「ew.co.jp」のドメインを例に見ていきましょう。

  1. ブラウザが入力されたドメインをもとに、最上位のDNS(DNSルートサーバ)から情報を抽出
  2. DNSルートサーバが「.jp」のDNSサーバに問い合わせ
  3. 「.jp」のDNSサーバが「.co.jp」のDNSに問い合わせ
  4. 「.co.jp」のDNSサーバが「ew.co.jp」のDNSサーバに問い合わせ
  5. 「ew.co.jp」のIPアドレスを取得
  6. 取得したIPアドレスをもとに、Webサーバへアクセス
  7. Webサイトを表示させるためのデータを受け取る
  8. ブラウザがデータを組み立て、Webサイトが表示される

ツリー構造になっているDNSの最上位に位置するDNSルートサーバを起点として、数多くのDNSを経由することでIPアドレスを取得します。そのIPアドレスをもとにWebサーバへアクセスできるようになるため、必要なデータが取得・表示できるのです。

DNSサーバを社内で立てる際のメリット

インターネット上には、膨大な数のサーバが存在しており、その中のひとつにユーザのデータが保存されています。そんなサーバの位置情報が「DNS情報」であり、DNS情報を格納するサーバが「DNSサーバ」です。このDNSサーバを自社で独自に立てれば、いくつかのメリットが生じます。最も大きなメリットは、詳細な設定が可能になる点です。外部のDNSサービスを利用した場合、提供会社のGUI(マウスや指などで操作できる画面)によって機能的な制限がかかるため、細かい設定ができないことも珍しくありません。この観点から鑑みれば、DNSサーバを社内で独自に立てた方が自社に最適な設定をおこなえるようになります。また、すべてのリスクマネジメントや管理者レベルでのクエリ解析が可能であること、運用スキルが身につく点などもDNSサーバを社内で独自に立てるメリットです。

DNSサーバを社内で立てる際のデメリット

DNSサーバを社内で立てれば、詳細な設定が可能となるほか、自社でリスクマネジメントや高レベルのクエリ解析などをおこなうこともできます。その反面、いくつかの不安要素を抱えている点も事実です。ここからは、DNSサーバを社内で独自に立てる際のデメリットをご紹介します。

デメリット①高い技術や知識が必要になる

社内に独自のDNSサーバを立てる場合、その運用に携わるための高度な技術や知識が必要となる点がデメリットになります。ツリー構造となっているDNSサーバは、わずかな設定ミスや些細な問題などがインターネットの世界全体に影響を及ぼす可能性があるからです。社内で立てる独自のDNSサーバとはいえ、結果として企業の大きなダメージになりかねません。実際の運用に関しても、365日24時間体制の運用・管理を求められ、トラブルやネットワーク構成に変更などが発生した際は、自社での対応を迫られます。そのため、専門的な技術や知識を持った社内SEが相当数いなければ、DNSサーバの適切な運用は非常に困難です。

デメリット②高性能のハードウェアスペックが必須

外部に公開するDNSサーバは、社内で独自に運用することが目的とはいえ、全世界のユーザが参照するかもしれません。そのため、大きな負荷に耐えられる高性能のハードウェアスペックが必須となります。もし自社のDNSサーバに問い合わせが集中した場合、回答の遅延や不足といった不具合が生じる可能性もあるからです。ちなみにハードウェアのスペックは、形状・機能・性能・操作方法・使用部品・採用規格、価格などを基準としています。

デメリット③セキュリティ対策が欠かせない

悪意を持った第三者が、DNSのポートを標的にすることがあります。IPアドレスがインターネット上の「住所」を指すのならば、DNSのポートは「部屋番号」を指すものです。このDNSのポートを狙い、第三者がサイトへの侵入やサイバー攻撃を仕掛けてきます。このような攻撃からDNSサーバを守るためには、万全のセキュリティ体制を敷かなければなりません。しかし、常に最新のセキュリティ対策を講じるうえでの管理面や費用面、情報面などの負担が大きなデメリットに挙げられます。

DNSサーバを社内で運用する場合は慎重に検討を

DNSとは、インターネット上における住所のような存在です。インターネットの重要な基盤技術であり、ドメインとIPアドレスを紐付ける役割を担っているため、DNSの設定が正しくない場合、Webサイトの閲覧やメールの送受信ができません。このDNSの情報を格納しているサーバがDNSサーバであり、自社で独自に運用することも可能です。しかし専門的な技術や知識、高性能のハードウェアスペック、細心のセキュリティ対策などが必須であることから、自社で独自にDNSサーバを立てる際は、細心の検討が必要となります。

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