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LANとWANの違いとは?仕組みや特徴について解説

更新日:2024/01/17
LANとWANの違いとは?仕組みや特徴について解説
「LAN」と「WAN」。なんとなくネットワーク関連の用語だという認識は、多くの人にあることでしょう。しかし、これらの違いを説明できる人は少ないのではないでしょうか。そこでこの記事では、LANとWANの違い、仕組み、特徴について解説していきます。
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LANとWANの違いとは

LANは小規模な地域内で高速なデータ転送を行うネットワークであり、WANは広範囲にわたる地域での通信を可能にするより遅い速度のネットワークです。LANとWAN。1文字だけ違うこの言葉は、混同しがちです。それぞれどのような意味があるのか解説していきましょう。

LANとは

LANとは「Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)」の頭文字をとったものです。日本語に訳すと「構内情報通信網」となり、ローカルエリア(限られた範囲)のネットワークのことを意味します。ネットワークの構築は自分で行います。

WANとは

WANとは「Wide Area Network(ワイドエリアネットワーク)」の頭文字をとったものです。日本語に訳すと「広域情報通信網」となり、広い範囲のネットワークのことを指します。いわゆるインターネットがWANにあたります。複数のLANの集合体というイメージをするとよいかもしれません。

WANの構築は、通信事業者(プロバイダー)が行います。よって、プロバイダー契約をすることで、WANへのアクセスができるようになるのです。

LANとWANでは使用するIPアドレスが違う

LANとWANでは使用するIPアドレスが違う

ネットワーク上の機器にはIPアドレスが割り当てられています。このIPアドレスは、LANとWANでは使用するものが違うのです。ここでは、IPアドレスの基礎知識と、それぞれに使用するIPアドレスを説明していきます。

IPアドレスの基礎知識

IPアドレスとは、PCやスマートフォン、タブレットなどネットワーク上の機器に割り当てられている住所のようなもののことです。これは、パソコン同士が通信するために必要なもので、「192.168.1.1」や「172.16.12.1」のような数字で表されます。

IPアドレスの割り振り方は2種類あります。
1つは「動的(可変)タイプ」です。
インターネットに接続するたびに、ISP(インターネットサービスプロバイダー)から新たなIPアドレスが自動的に割り振られます。一定時間が経過したり、ネットを切断するたびに新しい番号に変わります。個人が使用するパソコンやスマートフォン、家庭用Wi-Fiや公衆のWi-Fiなどは、このタイプです。

もう1つは「固定(不変)タイプ」です。常に同じIPアドレスで接続するタイプで、会社内のシステムなど特定の許可した人(機器)のみ通信ができます。活用されているのは、リモートワークで自宅から会社にアクセスする場合や、遠隔監視するネットワークカメラなどです。自動的に割り振られる動的タイプとは違い、ユーザーが手動で接続設定する必要があります。

プライベートIPとは?グローバルIPとは?

IPアドレスには、おもに2つの種類があります。

1つは「プライベートIPアドレス」。これはLAN内で使用されるIPアドレスで、組織内のネットワークでのみ使えます。プライベートIPアドレスは、家庭内や企業内(社内)などの通信機器に割り振られます。ネットワーク内のみで使えるのですが、同じネットワーク内で重複して使うことはできません。

もう1つは「グローバルIPアドレス」です。WANで使用されるIPアドレスのことで、インターネットを利用するときに割り振られます。プロバイダーと契約することで、グローバルIPアドレスが付与されます。グローバルIPアドレスは、セキュリティを高めるために、プロバイダーによって一定時間の経過や一定サイクルで変更することもあります。

なお、LAN内のPCはグローバルIPアドレスを使いインターネットにつながっています。プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する技術のことを「NAT(Network Address Translation)」といい、ルーターで変換しています。

LANとWANを構成する機器

LANとWANとでは、構築する機器も異なります。それぞれの機器を見ていきましょう。

LANを構成するネットワーク機器

LANは、家庭内や会社内部のネットワークである「ローカルネットワーク」を構築します。
LANを構築するのに必要な機器には、次のようなものがあります。

  • ルーター:2つ以上の異なるネットワーク間を相互に接続するネットワーク機器。
  • ハブ:イーサネット(Ethernet)LANの敷設に用いられる集線装置。複数のケーブルを接続するためのポート(端子)が並んでおり、ケーブルから流れてきた信号を他のケーブルに流すことで相互に通信ができる。
  • スイッチ:ハブ同様、集線装置の機能を持つ機器。特定のMACアドレスにデータを転送することができる。

WANを構成する機器

WANは、プロバイダーがネットワークを構築します。
WANを構築する機器には、

  • DTE:データ端末装置。データ通信回線の末端に接続され、受信した信号を情報としてユーザーに提示したり、ユーザーが入力した情報を信号に変換して送信する。
  • DCE:データ回線終端装置。通信回線と末端機器(端末やコンピュータなど)間に設置し、機器から送られてきた信号を、通信回線に適した信号に変換したり、その逆を行ったりする。

などがあります。

なお、WANを構成するサービスには、

  • IP-VPN:「IP Virtual Private Network」の略で、プロバイダーなどの閉域IPネットワーク網を使った通信技術。巨大なルーターのようなものと捉えるとよい。現在企業で最も利用されている。
  • 広域イーサネット:プロバイダーなどが独自に用意したイーサネット網に、企業ネットワークのイーサネットLANを直接接続し、広域なLAN間接続を可能にするサービスのこと。企業で多く利用されている。
  • 専用線:企業の複数の拠点間を1本の専用ケーブルで接続しているかのようにできるWANサービス

などがあります。

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LANは狭い範囲、WANは広い範囲のネットワーク

この記事では、LANとWANの違い、特徴を解説しました。LANは狭く、限られた範囲のネットワークのこと、WANはLANのネットワークが集合した広い範囲のネットワークのこと、ということが理解できたと思います。また、用途や使用するIPアドレス、構築機器にも違いがあることをご説明しました。それぞれの意味をしっかり把握し、活用するようにしましょう。

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