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有線LANから無線化にするメリットや構築までの流れを解説

更新日:2026/02/20
有線LANから無線化にするメリットや構築までの流れを解説
スマートフォン・タブレット端末の利用が進む昨今、社内ネットワークで有線LANを利用していると不都合が出てきたり、非効率なことも多くなってきます。そこでこの記事では、有線LANを無線化するメリット、無線LANに切り替える際のネットワーク構築の流れをご紹介します。
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無線LANとは何か?

まずは、無線LANとは何かを説明していきましょう。

LAN(Local Area Network)は、会社内や家庭内など、決められた敷地内や建物内の限定したエリアで構築するネットワークのことです。パソコンや複合機などをLANにつなぎ、データをやりとりできるようにします。このとき、LANケーブルを使わず、Wi-Fiを利用して無線で接続するのが「無線LAN」です。

無線LANを導入するメリット

無線LANを社内ネットワークに導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

場所が限定されない

無線LANは、LANケーブルをパソコンなどにつなぐことなく、通信のやりとりができることが最大のメリットです。そのため、電波が届く範囲であれば、どこでも接続できます。また、ケーブルによってデスク周りがごちゃごちゃすることがないのも良い点です。

さらに最近では、働き方改革の一つのスタイルとして、オフィスでのフリーアドレスが浸透しつつあります。フリーアドレスならどのエリアでも仕事ができ、プロジェクトごとにチーム編成がしやすくなったり、業務の効率化にもつながります。

スマートフォンやタブレット端末もつなげる

今までは、デスクトップパソコンがオフィス環境での主流機器でしたが、最近ではスマートフォンやタブレット端末などを用いた仕事も多くなっていることでしょう。これらの端末は有線LAN変換アダプターを使えば有線LANに接続することは可能ですが、せっかくの持ち味であるどこでも持ち運べて使える「ポータブル」という点が台無しになってしまいます。また、無線LANのほうが圧倒的に使いやすいです。無線LANなら、スマートフォンやタブレットが気軽に接続できるのもメリットのひとつでしょう。

別オフィスでの業務効率アップ

支店や営業所などへ出張した際に、無線LANの環境を構築しておけば使い慣れたノートパソコンやスマートフォン、タブレット端末をそのまま使うことができます。利便性の良さに加えて、業務効率を上げることにつながるのもメリットです。

無線LANを導入するデメリット

無線LANにはデメリットもあります。理解しておきましょう。

セキュリティが弱い

無線LANは、電波を広い範囲に拡散するのが特徴です。そのため、電波の届く場所であれば、どこからでもアクセスできます。そうすると、不正アクセスや、通信内容を第三者に見られたり、情報が漏洩してしまうといった被害が起こる可能性もあります。このように無線LANは、有線LANに比べるとセキュリティが弱いため、しっかりとしたセキュリティ対策が必要になります。

速度、回線が不安定になることも

無線LANのデメリットには、回線状況が不安定になることも挙げられます。これは、電波の干渉を受けやすいことや、一時的に利用する場所や社内でのアクセスが集中することも原因の一つです。また、通信が重くなったり、通信スピードが遅くなることもあります。

導入コストがかかる

有線LANを無線化する場合、当然ながら一定の導入コストが発生します。小規模な環境であれば、市販の無線LANルータを追加するだけで対応できるケースもありますが、企業・工場・学校・官公庁などの中~大規模環境では、通信の安定性や同時接続台数を考慮し、業務用APを複数台設置する必要があります。さらに、PoE対応スイッチングハブや無線LANコントローラが必要になる場合もあり、構成次第では数百万円規模のコストになることもあります。

また、電波調査・設計、設定作業を専門業者に依頼する場合は、設計費・構築費・工事費などが発生します。その他、セキュリティ強化のための認証サーバ導入やUTM・ファイアウォールの追加、導入後の保守・運用費用も考慮しなければいけません。

有線LANの無線化する手順

有線LANの無線化は、次の3つのステップで進めます。

  • モデムと無線ルータを接続する
  • 無線ルータの電源を入れる
  • 端末(パソコン、スマートフォンなど)の設定をする

それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

モデムと無線ルータを接続する

はじめに、モデム(光回線の場合はONU)と無線ルータを接続します。モデムから出ているLANケーブルを無線ルータの「WAN」ポートに差し込み、無線ルータの電源ケーブルをコンセントに接続すれば、物理的な設置は完了です。電波を受信しやすくするため、無線ルータはできるだけ障害物の少ない場所に置くことをおすすめします。

無線ルータの電源を入れる

モデムと無線ルータの接続が完了したら、無線ルータ本体の電源スイッチを入れます。ルータの機種によっては、電源を入れてから電波の受信が安定するまで、数分程度の時間がかかる場合があります。無線ルータのランプの状態を確認し、正常に起動したことを確認しましょう。

端末(パソコン、スマートフォンなど)の設定をする

無線ルータの準備ができたら、無線化したいパソコンやスマートフォンなどの端末側の設定をおこないます。端末のWi-Fi設定画面を開き、無線ルータ本体に記載されているSSID(ネットワーク名)を選択します。その後、同じく無線ルータ本体に記載されているパスワード(暗号化キー)を入力すれば接続完了です。複数の端末で無線LANを利用する場合は、それぞれの端末で同じ設定をおこないます。

無線LANに切り替える前に確認すべきこと

LANとWANでは使用するIPアドレスが違う

有線LANを無線に切り替える前には、いくつか確認しておきたいことがあります。次に挙げる点をチェックしておきましょう。

接続するデバイス数の把握

まず、無線LANに接続するデバイスの数を把握しておく必要があります。というのも、接続する台数が多すぎる場合、IPアドレスが枯渇することがあるためです。IPアドレス(ネットワークに接続されたパソコンなどを識別する番号)には、限りがあります。不足すると、新たなパソコンなどに割り振りができなくなり、インターネットの拡大ができません。しっかり台数を把握した上で、ネットワークを構成しましょう。

拠点数の確認

会社の拠点が1つであればとくに問題はありませんが、支店など、2つ以上の拠点がある場合には、数を確認しておきましょう。拠点数によって、ネットワーク構成も変わりますし、構築時の価格も違ってきます。社内ネットワークを快適に利用するためにも、明確にしておきましょう。

IPアドレスのクラス

有線LANの無線化によって接続端末が増えると、IPアドレスが不足して通信できなくなる可能性があります。無線LANに切り替える際は、IPアドレスのクラスと想定される接続端末数を確認しておきましょう。

IPアドレスのクラス 接続可能台数(目安)
クラスA 約1,600万台
クラスB 約65,000台
クラスC 254台

現状のセキュリティの把握

無線LANはセキュリティが弱いと前述しました。導入後サイバー攻撃や不正アクセス、情報漏洩などの被害にあわないために、現状のセキュリティがどうなっているのか、問題点はないか、さらにセキュリティ対策としてどういったことをするのかを、事前に考えておく必要があります。

有線LANを無線化する際の4つのポイント

有線LANを無線化する際は、次の4点がポイントになります。

  • 専門業者に相談する
  • セキュリティ対策を徹底する
  • 電波干渉を避ける
  • 定期的にメンテナンスをする

専門業者に相談する

有線LANの無線化に不安がある場合は、専門業者に相談することをおすすめします。専門業者の強みは、オフィスの環境や個別のニーズに合わせて最適な無線LAN環境を構築できることです。専門業者に相談すれば、オフィスの広さや壁の構造、利用するデバイスの数などを考慮したうえで、最適な無線ルータの選定や設置場所についてアドバイスをしてくれるでしょう。

また、無線化した後も、トラブルが発生したときには迅速なサポートを受けられるため、安心して運用することができます。有線LANをスムーズに無線化し、早期に安定した通信環境を確立するためには、専門業者の力を借りるのが賢明です。

セキュリティ対策を徹底する

有線LANを無線化する際、セキュリティ対策は極めて重要です。有線LANに比べると無線LANは外部からのアクセスが容易なため、適切なセキュリティ対策を施していないと不正アクセスや情報漏洩のリスクが高くなります。

まず、無線ルータの初期パスワードは必ず変更し、定期的に推測されにくいパスワードに更新しましょう。また、最新の暗号化技術であるWPA3などを利用して通信内容を保護することも重要です。定期的に無線ルータのファームウェアを更新するのはもちろん、ネットワークに接続するすべてのデバイスにセキュリティソフトを導入し、安全性の高い無線LAN環境を維持しましょう。

暗号化

暗号化とは、通信データを第三者に盗み見られても内容が分からないよう、特定の規則に基づいてデータを変換する仕組みのことです。主な暗号化方式は以下のとおりです。

  • AES:現在の無線LANで標準的に使われている暗号化方式。
  • TKIP:旧来の無線LAN向けに使われてきた暗号化方式(現在はセキュリティ強度が不十分なため推奨されていない)。
  • GCMP:WPA3で採用されている最新の暗号化方式。より高い安全性を確保できる。

認証

無線LANは不正接続のリスクがあるため、利用環境に応じた認証方式を選択する必要があります。主な認証方式は以下のとおりです。

  • パスワード認証(PSK):あらかじめ設定した共通のパスワードを用いて接続する認証方式。
  • 802.1X認証:利用者や端末ごとに認証をおこなう方式。高いセキュリティ性を確保できる。
  • MACアドレス認証:事前に登録した端末のみ接続を許可する認証方式。補助的な対策として用いられる。

電波干渉を避ける

無線LANは、周囲の環境によって通信が大きな影響を受けることがあります。特に、近隣のオフィスや集合住宅で多数の無線LANが稼働している場合、電波干渉によって速度が低下したり接続が不安定になったりしがちです。

電波干渉を避けるためには、無線ルータの設置場所に気を付ける必要があります。その際には電波を発する機器から離して設置するのが基本です。また、無線ルータの設定から利用するWi-Fiチャンネルを手動で変更し、空いているチャンネルを選択するのも効果的です。こうした対策によって電波干渉を最小限に抑えることで、無線LANのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

定期的にメンテナンスをする

長期安定的に無線LANを運用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。無線ルータや接続するデバイスのファームウェアを常に最新の状態に保つことで、セキュリティの強化とともに、機能改善によるパフォーマンスアップも期待できます。

また、オフィスのレイアウトを変更したり、新しい機器を導入したりした場合は、「電波状況が適切か」「特定のエリアで電波が届きにくくなっていないか」などをチェックしましょう。必要に応じて、アクセスポイントの追加や配置の見直しをおこない、電波の死角をなくすことで安定した通信環境を維持できるでしょう。

無線LANルータを選ぶ際の注意点

無線LANルータは、以下のポイントを押さえて最適な製品を選定しましょう。

  • 同時接続台数:接続端末数に十分な余裕がない場合、通信速度の低下や不安定化を招く可能性がある。
  • 対応規格:WiFi 6/6E/7など、最新の通信規格に対応しているかを確認する。
  • 設置範囲・電波性能:オフィスや工場の広さ、壁や設備などの障害物を考慮した電波性能が求められる。
  • セキュリティ機能:WPA3に対応していると、無線通信をより安全に利用できる。
  • 管理・拡張性:APの追加や集中管理が可能かどうかも重要なポイント。

まとめ

本記事では、無線LANのメリットのほか、有線LANを無線化する手順や安定した通信環境を構築するためのポイントなどについて解説してきました。有線LANを無線化することで、配線の煩わしさから解放されるだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのポータブルデバイスとの接続によって、コミュニケーションの円滑化や業務の効率化にもつながります。ぜひ有線LANを無線化することで、快適なオフィス環境を構築しましょう。

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