ネットワークシステム

sXGPとは?メリットや活用事例4選

投稿日:2022/02/15 更新日:2022/02/15
sXGPとは?メリットや活用事例4選
sXGPは、スマートフォンやモバイルルータなどと同じ通信方式TD-LTEを使った次世代の自営通信方式。sXGPの基礎情報から自営PHSとの違い、ネットワーク構成、sXGPのメリット/デメリット、さらには具体的な活用事例を取り上げます。

sXGPとは?

sXGP(shared Xtended Global Platform)は、スマートフォンやモバイルルータなどと同じ通信方式TD-LTEを使った自営通信方式です。簡単に言えば、4Gでオフィス内や工場内の専用モバイル通信システムを構築しようというもの。今でもPHSが病院内の通信システムとして使われていますが、PHSは登場から時間も経っており、sXGPはその後継サービスとしても期待されています。

さらにsXGPは、スマートフォンなどの端末を使った内線だけでなく、4Gの高速で安定した通信を利用し、工場や物流センターにさまざまなセンサを配置し、sXGPでネットワーク化するなど、IoT化やDX推進に活用することも可能です。

sXGPと自営PHSの違い

sXGPは、自営PHS(あるいは構内PHS)の後継サービスです。最大の違いは、一般的なPHSサービスは2021年1月で終了していること(テレメタリングサービスも2023年3月で終了予定)。つまり、端末をはじめ、自営PHSのシステムの更新、サービスの向上は期待できません。むしろ公衆PHSサービスが終了したことで、サービス品質の低下が懸念されます。

また、サービス面でも自営PHSはすでに時代のニーズに応えられなくなってきていました。今はモバイルの利用は通信だけでなく、データへの高速・大容量アクセス、ビデオ会議など、広範囲に拡大しています。PHSではすでに対応できなくなっていたのです。

sXGPは、4Gで使われている通信方式を用いています。つまり、通信はもちろん、データの活用、動画、ビデオ会議など、現状のモバイル環境で実現されていることが可能になります。

自営PHSでは、通信端末のほかに、データ用のタブレット端末などを携帯する必要性があったケースでも、sXGPであればスマートフォンを端末として利用できるため、通信のみならず、さまざまな用途に活用できます。

sXGPのネットワーク構成

sXGPのネットワーク構成を見ていきましょう。まず、スマートフォンなどの端末は無線(1.9GHz帯)を使って、アクセスポイントに接続します。アクセスポイントはイーサネットでEPCと呼ばれるコアネットワーク装置に接続されます。コアネットワーク装置は社内LANに収納されます。

同一のオフィスや工場内の通信はもちろん、他のオフィスや工場への通信は社内LANを介して行われ、社内LANからインターネットへの接続も可能になります。

コアネットワーク装置はオフィスや工場内に設置するほか、クラウド上に設置することもでき、アクセスポイントの増設、変更にも柔軟な対応が可能になります。

sXGPのメリット

sXGPのメリット

プライベートLTEと呼ばれることもあるsXGPのメリットを紹介します。

メリット①:広域・安定

1つのアクセスポイントで広いエリアを安定してカバー。1.9GHzの周波数帯は無線LANと比べると外部の影響を受けにくく、広いオフィスや工場でも安定した通信を実現。

メリット②:高いセキュリティ

クローズドな通信網を構築するのでセキュアな通信が可能。端末はSIM認証を実施。

メリット③:さまざまなアプリケーションに対応

端末としてスマートフォンが利用できるため、音声通信にとどまらず、さまざまなアプリケーションが利用可能。

メリット④:オンプレミス/クラウドでの柔軟な構成

コアネットワーク装置はオンプレミスでの設置のほか、クラウド上に構築することも可能。アクセスポイントの増設・移動などにも柔軟に対応。

sXGPのデメリット

優れたメリットを持つsXGPですが、もちろん考慮すべきデメリットもあります。

デメリット①:事例が不足

約四半世紀の実績がある自営PHSや無線LANと比べると、新しい利用方法であり、事例がまだ豊富とは言えません。そのため導入に際しては十分な検討はもちろん、導入後も運用方法の見直しが必須となります。

デメリット②:対応機器が限定

各社が新しい製品やサービスを展開していますが、ユーザの状況によっては、導入コストやサービス内容が一長一短となる可能性もあります。また端末としてスマートフォンが利用可能ですが、すべてのスマートフォンが利用可能ではなく、機種は限られます。

デメリット③:コスト

枯れた技術となっていた自営PHSに比べ、新しい技術であるためコストがかかります。サービスの普及によって、大きくコストダウンする可能性はありますが、利用できるサービスが広がることもあり、導入・運用には一定のコストがかかります。

sXGPの活用事例

メリット、デメリットを踏まえ、sXGPの活用事例を見ていきましょう。

事例①:医療機関

医療機関は自営PHSの導入が進んでおり、後継システム選びが問題となっています。すでにWi-Fiを活用して院内ネットワークの整備に取り組み、電子カルテの導入などを進めている医療機関もありますが、Wi-Fiは通信品質の確保やアクセスポイントが多数必要になるなどの問題があります。

sXGPは通信品質に優れた1.9GHz帯を使用しているため、アクセスポイントの削減が可能に。また音声通話の品質も向上します。今後、スマートフォンでの電子カルテの活用、ナースコールとの連携、さらにはさまざまな医療機器のIoT化を進めていくうえで、sXGPは効率的かつ高品質で、信頼性の高いインフラとなります。

事例②:製造業

製造業では工場や倉庫の省力化・効率化に向けて、センサ類のIoT化、AGV(無人搬送車)の活用などが進められています。sXGPは広域での、高品質な無線接続を実現できるため、IoT化に際して機器やセンサのレイアウトの自由度を高めることができます。AGVの活用においてもWi−Fiよりも高品質な通信で安定稼働を支えます。

さらにセキュアなクローズドネットワークであるsXGPなら、開発や製品情報など、機密性の高い情報を安心して扱うことができます。

事例③:農業

長年の経験や知識をもとにした農業からIoTやロボットを活用した「スマート農業」への転換が急がれているなか、sXGPは温度や湿度、土壌の状態をモニターするセンサをネットワークでつなぐインフラとなります。日々変化する情報をリアルタイムで収集し、栽培計画に反映します。また高品質な通信で自動運転トラクターなどの効率的・安定的な運用を実現します。

事例④:イベント会場・スタジアム

大勢の人が集まるイベントやスタジアムでは、さまざまなアングルの映像を会場内に同時中継したり、観客とのコミュニケーションにスマートフォンを利用するなど、新しいサービスが開発され、データ通信の需要も高まっています。その一方で、大勢の観客が集まるため、公衆回線が輻輳して、通信がつながりにくくなったり、品質が低下してしまうこともあります。

xSGPを活用すれば、イベント会場やスタジアムに限定した高品質な通信ネットワークを構築可能。機動的でリアルタイムな映像配信やユーザとの双方向コミュニケーションを実現します。

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