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LAN配線方式とは?工事の流れから費用相場まで紹介

更新日:2023/12/14
LAN配線方式とは?工事の流れから費用相場まで紹介
LAN配線とは、LAN(ローカルエリアネットワーク)のオフィスや病院、工場での配線のことを意味します。LANには有線・無線があり、それぞれにメリット・デメリットもあります。今回は実際のLAN配線工事例を紹介しながら、配線工事依頼の流れや自分で配線工事を行う際の注意点などを徹底解説いたします。
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LAN配線とは?

LAN配線の「LAN」とは、「Local Area Network」の頭文字を取ったものです。
LANはオフィスビル内など、限られた範囲でインターネットを接続できる環境のことを指します。
そして、LAN配線はLANが敷地内で使用できるようにする配線のことで、専門業者に工事を依頼して配線を繋げてもらうものです。

①有線LAN

LANのなかでも、有線LANはLAN配線とパソコンをLANケーブルで接続し、インターネットを利用できる方法です。
デスクトップ型のパソコンで、大容量のデータのやりとりを行う場合、通信の安定性と速度が重要です。
有線LANの場合、無線LANに比べて環境や電磁波に影響されにくく、安定した通信環境を求める場所での利用に向いています。
また不正侵入などのセキュリティ面でも強く、情報漏洩を防ぎたいオフィスでの利用もしやすい方法です。

②無線LAN

無線LANはルータ・アクセスポイントを使用することで、ケーブルなしでインターネットに接続する方法です。
一般的に「Wi-Fi」と呼ばれているもので、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどの移動端末でも気軽に利用できるメリットがあります。
有線LANのようにケーブルがいらないことから、配線がすっきりしており、アクセスポイントの増設やスポットの移転もできます。
また、認証キーやパスワードが漏れるとアクセス権限のない人でも接続できることから、セキュリティ面では有線LANに劣ります。

光配線方式との違い

光配線方式は、データを送受信するために光ファイバーケーブルを使用します。
この方法では、有線LANと比較して伝送速度が大幅に向上し、データの転送が迅速に行われます。
さらに、光配線方式は耐障害性も非常に高いです。
つまり、光ファイバーケーブルは電磁干渉や信号の減衰などの問題に強く、安定した通信を提供するといえます。
この信頼性の高さにより、データの送受信は中断や遅延がほとんどない状態で行われることが保証されます。
さらに光配線方式を使用することで、通信ネットワークの拡張性も向上します。
光ファイバーケーブルは、長い距離でもデータを高速かつ安定して伝送することができます。
これにより通信ネットワークの規模を拡大する際にも、品質や速度の低下を心配する必要がありません。
また、光配線方式はセキュリティ面でも優れています。
光ファイバーケーブルは、電気信号ではなく光信号を使用するため、外部の盗聴や傍受からの保護がより強化されます。
これにより、機密性の高いデータの送受信においても安心して利用することができます。

VDSL方式との違い

VDSL方式は、電話線を使用してデータを伝送する方式です。
有線LANと比較して速度が遅いことがありますが、一般的な通信には十分な速度を提供します。
またVDSL方式は、高速なデータ通信を提供するだけでなく、信号の安定性も優れています。
これにより、インターネットの接続が頻繁に切断される心配がありません。
さらにVDSL方式は、ビジネスや家庭でのオンラインゲームやストリーミングサービスの利用にも適しています。
高速なダウンロード速度とアップロード速度で、快適なオンライン体験を提供します。
その他にもVDSL方式は、多くの地域で利用できる広範なカバレッジを持っています。
これにより都市部や郊外地域など、さまざまな場所で高速なインターネット接続を享受することができます。

LAN配線方式のマンションのメリット

ここからは、LAN配線方式のマンションのメリットについて紹介をしていきます。
LAN配線方式を採用したマンションには以下のようなメリットがあります。

  • 格安で利用できる場合がある
  • 工事不要
  • 工事・解約費用がかからないことがある
  • 無線ルーターを用意せずに済む場合がある
  • 物件によって最大通信速度が異なる

これらのメリットを考慮しながら、LAN配線方式のマンションを選ぶ際には、通信速度や安定性、コストなどの要素を確認することが重要です。

格安で利用できる場合がある

一部のマンションでは、低価格で高速な通信が可能な場合があります。
さらにこれらのマンションには最新の通信技術が採用されており、インターネット速度や通信品質の向上が期待できます。
これにより住民は快適なオンライン環境を利用することができ、仕事や学習、エンターテイメントなどのさまざまな活動をよりスムーズに行うことができるでしょう。
また低価格で高速な通信が可能なことから、経済的な負担を軽減しながら、高品質な通信サービスを利用できる点も魅力です。

工事不要

特定のマンションでは、既存の設備を活用することにより、新規の工事が不要となります。
これにより、コストや時間を節約することができます。
また既存の設備を活用することにより、環境にも配慮することができます。
より持続可能な方法でマンションを改装することができるため、エコフレンドリーな選択肢となります。
この取り組みにより、住民の快適さや満足度も向上することが期待できます。

工事・解約費用がかからないことがある

工事や解約に関連する費用が発生しない場合があります。
さらに利用者が一定の期間内にサービスを継続することで、特典や割引などの追加のメリットを受けることもできます。
またサービスには、利用者がより便利に利用できるようにするための機能やオプションが含まれており、利用者が自分のニーズに合わせてカスタマイズすることも可能です。
さらにサービスの提供元は常に改善を目指しており、利用者のフィードバックを重視してサービスの品質向上に努めています。

無線ルーターを用意せずに済む場合がある

共有の無線ルーターが提供されているため、1人1台の専用のルーターを用意する必要がないという利便性があります。
これにより追加のコストや手間をかけることなく、インターネット接続を共有できます。また共有の無線ルーターは複数のデバイスから同時にアクセスできるため、家族や同僚とのネットワーク使用においても便利です。
さらにセキュリティ上のリスクを最小限に抑えるため、共有の無線ルーターは定期的にアップデートされ、最新のセキュリティ機能が提供されます。
これにより安全なインターネット環境を維持しながら、快適なネットワーク体験を享受することができます。

物件によって最大通信速度が異なる

マンションでは、提供される通信速度が物件ごとに異なることがあります。
例えば、一部のマンションでは光ファイバーを利用して高速なインターネット接続が可能です。
他のマンションでは、ADSLやケーブルを使用して通信速度が制限される場合もあります。
また一部の物件では共有のWi-Fiネットワークが提供されており、インターネットへのアクセスが便利です。
さらに一部のマンションでは、インターネットプロバイダとの契約によって通信速度が向上することもあります。

LAN配線方式のマンションのデメリット

次にLAN配線方式のマンションのデメリットについて紹介します。
LAN配線方式のマンションのデメリットは以下の通りです。

  • 物件により通信速度が異なる
  • 端末が増えると通信速度が遅くなる
  • 通信環境に波がある

これらのデメリットに注意しながら、LAN配線方式のマンションを選ぶ際は、通信速度や安定性に関する情報を事前に確認することが重要です。

物件により通信速度が異なる

マンションごとに通信環境が異なるため、速度が物件によって異なる場合があります。
したがって、予め物件の通信環境を確認することが重要です。
通信速度は、インターネットの利用体験に直接影響を与える要素の一つです。
特にストリーミングサービスの利用やオンラインゲームのプレイなど、高速な通信環境が求められる場合には、速度の情報を事前に把握しておくことが必要です。
通信速度が遅い場合、ネットワークの混雑や接続の不安定さによって、快適なオンライン体験ができない可能性があります。
そのため、入居を検討しているマンションの通信環境について詳細な情報を収集し、自身のニーズに合った速度が提供される場所を選ぶことが重要です。

端末が増えると通信速度が遅くなる

同じネットワークを利用する端末が増えると、通信速度が低下する可能性があります。
これは、ネットワークの帯域幅が複数のデバイスに分散されるためです。
つまりデバイスの数が増えると、各デバイスが使用できる帯域幅が減少し、通信速度が遅くなることがあります。
したがってネットワークのパフォーマンスを最大限に活用するためには、ネットワークの帯域幅を適切に管理する必要があります。
これにはネットワークインフラの拡張や、デバイス間のトラフィックの適切な制御が含まれます。
また通信速度の低下を最小限に抑えるためには、無線信号の干渉を回避するための適切な配置などを検討する価値があります。

通信環境に波がある

通信環境が安定しない場合があり、一定の速度が保証されないことがあります。
たとえば建物や地形の影響で信号が弱まり、通信が途切れることがあります。
また利用者の数が多い場所では、通信速度が低下する可能性もあります。
これらの要因により、通信の品質やパフォーマンスが制限される場合があります。
したがって通信環境によっては、インターネットの接続やデータの送受信に時間がかかることがあります。

LAN配線工事にかかる費用相場は?

LAN配線工事にかかる費用相場は、配管がある場合とない場合で異なります。
一般的には配管がある場合のLAN配線工事の費用相場は、1ポートあたり5,000円から10,000円程度です。
ただし配管の状態や長さ、設置するポートの数などによって値段は異なる場合があります。
一方、配管がない場合、LAN配線工事には新たに配管を設置する必要があります。
この場合、費用相場は1ポートあたり10,000円から20,000円程度になることが一般的です。
ただし建物の構造や配管のルート、配管の長さなどによって値段は変動することがあります。
なお、これらは一般的な費用相場の目安であり、実際の工事内容や地域によって異なる場合があります。
正確な費用を知りたい場合は、専門のLAN配線業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

LAN配線工事の具体的な流れ

LAN配線工事を行う際の、具体的な流れを3つに分けてご紹介いたします。

流れ①有線LANの配線レイアウトを考える

LAN配線工事をする際は、有線LANでも利用しやすいように配線レイアウトを考えましょう。
環境によっては、無線LANよりも通信安定性の高い有線LANの方が向いているケースがあるからです。
有線LANは配線が複雑化しやすく、ハブを使用するとタコ足配線となって見た目が悪くなります。
ルータの近くにパソコンを配置するなど、ケーブルの長さを短くし、配線が見えないようにするとすっきりとした見た目になります。
また配線が多くなると足元に引っかかりやすくなるため、ケーブルはデスクの下や天井、床下に沿わせるなどレイアウトに配慮しましょう。
ケーブルを隠したい場合は、モールなどの配線カバーを利用するのもおすすめです。

流れ②配線工事を依頼する

有線LANの配線工事をする際は、壁の中に配線を通すケースもあります。
マルチメディアコンセントがある場合、電気のコンセントとLANの配線が近くなるため、配線工事を依頼する際は注意しましょう。
十分な知識と経験がある方なら自ら工事も可能ですが、電気配線を損傷すると漏電や火事の原因になる危険があります。
配線工事は、LAN工事を専門に行う業者に依頼するのがおすすめです。

流れ③モデムとルータを接続する

LAN工事が完了したら、モデムをケーブルに差し込み、ルータとの接続を行います。
ルータは有線・無線ともに必要ですから、自宅やオフィスの端末台数や環境に合わせて最適なものを選びましょう。

LAN配線工事の施工事例

LAN配線工事の施工事例

本項では、実際のLAN配線工事の施工事例を詳しくご紹介いたします。

事例①多賀城市教育員会様の事例

宮城県中央部の太平洋岸に位置する多賀城市では、GIGAスクール構想を機に、市内の小中学校に計5,500台のChromebook配備を行いました。
デジタル教育を推進するための施策として導入したもので、同時に環境整備も必要となりました。
校内での安定したWi-Fi通信環境を構築するため、パナソニックEWネットワークス社製PoEオートリブート機能搭載のスイッチングハブでネットワーク構築を行いました。
マルチベンダ対応のネットワークを構築したことで、同時多数接続でも停止せず、子供達の学びを助ける快適な通信環境を用意できました。

事例②セガサミーホールディングス株式会社様の事例

セガサミーホールディングス株式会社では、「グループシナジーの創出」を目的として、ネットワークインフラの整備を行いました。
グループのオフィスを集約し、エンタテインメントなどの3事業のシナジー効果を狙うため、高速大容量の通信環境構築を目指していたためです。
デジタルゲーム市場が4K・8Kの時代に移行するなかで、10年先の未来を見据えた通信環境の構築をコンセプトに、パナソニックEWネットワークスは6,500人が集まるオフィスに対し、カテゴリー6AのUTPケーブルや光ファイバーの採用、将来的なWi-Fi6への移行も考慮した通信環境を設計しました。
さらに天井や床下に一定間隔で配線されるオールグリッド型配線、ケーブル管理の運用負担軽減の2ポストラックシステムを採用し、コスト削減と高速大容量の通信を実現しています。

LAN配線工事は自分でできるのか?

結論として、LAN配線工事は知識と道具さえあれば可能ですが、不具合が起こる可能性があることを十分理解して行うべきです。
LAN配線工事を行うには電気配線のように、電気工事士資格は不要です。
実際に初心者向けにLAN配線工事についてまとめたネット記事、動画で説明しているものもあります。
しかし、初心者が行うと接触不良やセキュリティ問題などの予期しないトラブルを起こすことがあるため、専門業者に依頼することをおすすめします。
なによりも仕上がりを綺麗に整え、万が一の不具合への対応まで考えるなら業者に依頼した方がよいでしょう。
LAN配線工事はLANケーブルを接続するだけでなく、ネットワーク構築、ネットセキュリティ、室内や壁内の配線工事までを含みます。
知識なしでネット記事や動画を参考に進めても、正常なネットワークを構築できないおそれがあります。
DIYで行った結果トラブルが発生しても、自己責任になるため注意してください。
安全・確実にLAN配線工事を行うには、専門業者に依頼しましょう。

ネットワーク構築のことならパナソニックEWネットワークス

ネットワーク構築では、多くの企業が次のような課題を抱えています。

  • 配線レイアウトの効率化
  • 同時接続時の通信の不安定さ
  • トラブル対応の手間
  • セキュリティ対策

企業のネットワークに関する課題を効率化し、高速大容量の通信網をご検討中でしたら、パナソニックEWネットワークスにお問い合わせください。
パナソニックEWネットワークスはネットワーク構築に必要な環境調査からシステム設計、クライアント様のニーズに合わせたプランを提案いたします。

LAN配線はレイアウトとセキュリティ対策を両立しよう

今や有線・無線LANは当たり前のものになっています。
モバイル回線よりも安定性が高く、セキュリティ面にも強いLANは、インターネットに接続するなら必須です。
DIYでもLAN配線工事は可能ですが、レイアウトやセキュリティ面を考慮するなら、専門業者に依頼するのがおすすめです。
自社に最適なLAN工事でのネットワーク構築なら、パナソニックEWネットワークスにおまかせください。

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