すまいの保険のコラム

~ラニーニャ現象で今年の冬は厳しく長い?

目次

    「今冬はラニーニャ現象で寒くなる」といわれています。ラニーニャ現象が発生するメカニズムと私たちの生活への影響を見てみましょう。

    ラニーニャ現象の発生メカニズム

    通常、赤道太平洋では東風(貿易風)が吹いており、暖水(海表面の温度が高い海水)はインドネシア近海(西太平洋)に蓄積しています。一方で南米では東風と自転により冷水(深海の冷たい海水)が引き上げられ、東西で海水温が大きく異なります。(図表1)

    図表1:エルニーニョ/ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動

    出典:気象庁ホームページ
    https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html

    図表1:エルニーニョ/ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動

    しかし、何らかの大気の相互作用により、東風が強くなったり弱くなったりすることがあります。東風が弱くなると暖水を押し込む力が弱くなって海水温が高い地域が広がり、逆に東風が強くなると暖水はさらに押し込まれて海水温が低い地域が増えます。前者を一般にエルニーニョ現象、後者をラニーニャ現象と呼んでいます。

    気象庁はエルニーニョ監視海域(図表2のNINO.3)の海面水温の5ヶ月移動平均値が6ヶ月以上続けて基準値より+0.5℃以上になるとエルニーニョ現象、-0.5℃以下になるとラニーニャ現象と定義しています。

    図表2:気象庁のエルニーニョ監視地域

    出典:気象庁ホームページ
    https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/faq2.html

    図表2:気象庁のエルニーニョ監視地域

    図表3のように4月以降、海面水温(赤)は基準値(緑)を下回り続けており、ラニーニャ現象が発生しています。今後も当面は低い海水温(黄)が予想され、来年3月までラニーニャ現象が発生している確率は90%と示されています。

    図表3:エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値

    出典:気象庁ホームページ
    https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/kanshi_joho/kanshi_joho1.html
    注:黄色のボックスの範囲に海水温が入る確率が70%となっています。

    図表3:エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値

    ラニーニャ現象下の冬は厳しく長い

    特に厳しい寒さになると考えられるのが年明け上旬までの時期で、図表4のように日本全体で平年より気温が低くなる確率が高いと予想されています。近畿地方では平年より低い確率が40%となっています。

    図表4: 12月12日~1月11日 の平均気温が平年より「高い」または「低い」確率が40%以上の地域

    出典:気象庁ホームページ
    https://www.jma.go.jp/jp/longfcst/000_1_00.html

    図表4: 12月12日~1月11日 の平均気温が平年より「高い」または「低い」確率が40%以上の地域

    そしてラニーニャ現象により「冬が長くなる」傾向があります。図表5はラニーニャ現象発生時の2~4月の平均気温を示していますが、東日本と西日本では統計的に有意なレベルで低い気温になっており、西日本では64%の確率で低くなります。このことから来年は春が来るのが遅いと考えられています。

    図表5:ラニーニャ現象発生時の2~4月の平均気温

    出典:気象庁ホームページ
    https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/db/elnino/learning/tenkou/nihon_month.html?phenom=2

    図表5:ラニーニャ現象発生時の2~4月の平均気温

    日本海側は雪が多くなる可能性

    日本海側は平年より雪が多くなる可能性が高いと考えられています。図表6のように、ラニーニャ現象の影響で偏西風が蛇行し、シベリア高気圧が南東に張り出すことで、寒気が流れ込みやすいからです。

    図表6:予想される海洋と大気の特徴(12~2月)

    出典:気象庁ホームページ
    https://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf3/001.pdf

    図表6:予想される海洋と大気の特徴(12~2月)

    その結果、12~2月は日本海側の多くで平年よりも降雪量が多いと予想されています。(図表7)近畿でも兵庫・京都・滋賀の北部で例年よりも雪が多い確率が40%となっています。

    図表7: 12月~2月 の降雪量が平年より「多い」または「少ない」確率が40%以上の地域

    出典:気象庁ホームページ
    https://www.jma.go.jp/jp/longfcst/000_2_10.html

    図表7: 12月~2月 の降雪量が平年より「多い」または「少ない」確率が40%以上の地域

    大雪で気をつけたい事故

    首相官邸は、雪で発生しやすい事故(雪害)として5つ挙げています。その項目と主な発生原因をまとめたのが図表8です。

    図表8:主な雪害とその原因

    出典:首相官邸ホームページ
    https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/setsugai.html

    図表8:主な雪害とその原因

    特に運転中や歩行中の事故は、大雪でなくとも路面凍結等によるリスクが考えられるため、注意する必要があります。当サイトでも、冬道走行の危険や安全に運転するための基本をまとめているので、そちらもご覧ください。

    参考:たすけくん交通安全のポイント2020年12月号

    ラニーニャ現象で寒い冬が続くと、体調を崩しやすいだけでなく、大雪などで被災するリスクも高くなります。保険で備えておくことも重要でしょう。
    詳しくは商品一覧をご確認下さい
    ご相談は、各種保険を取り扱っているパナソニック保険サービスにお任せください。

    たすけくん

    上記の内容は、パナソニックグループの従業員の皆さまに、
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    • パナソニック保険サービスは、複数保険会社の商品を取扱う保険会社の募集代理店です。保険商品のご案内に際し、当社の比較説明・推奨販売方針「保険商品のご案内について」に基づき適正に保険募集を行います。

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