からだの保険のコラム
目次
厚生労働省の統計によると、65歳以上の2割近くが要介護・要支援状態になる時代、公的介護保険制度の仕組みをよく知っておくことは大切です。そして、本当に公的制度だけで十分なのかどうかも考えておきましょう。
公的介護保険制度の概要
図表1は、現在の公的介護保険制度全体の枠組みを示しています。
40歳以上の人全員が加入者(被保険者)となり、そのうち40~64歳の第2号被保険者は健康保険組合などを通じて、65歳以上の第1号被保険者は年金からの天引きで保険料を支払います。この保険料に同額の公費を加えた財源(平成30年度で11.1兆円)で運営されています。
被保険者は要介護認定に応じて多様なサービスを自分で選択して受け、自立を目指します。2000年以前の老人福祉制度と現在の介護保険制度の最も大きな違いは、この「利用者本位」と「自立支援」です。
第2号被保険者や住民税非課税世帯などの自己負担額は1割、第1号被保険者は世帯人数と所得に応じて1~3割です。サービス事業者は残りの部分を基金に請求することになります。
介護保険で受けられるサービス
介護保険で受けられるサービスは図表2のように、在宅から施設までの程度に応じて大きく訪問系・通所系・短期滞在系・居住系・入所系の5つに分けられます。
サービスにかかる利用料は、要介護状態とサービスの種類によって法律で決まっています。料金体系は細かく複雑ですが、厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索を使えば概算料金を試算できます。(図表3)
なお、要介護度は、概ね図表4のような能力の低下状況から判断されます。
利用限度額がある
自己負担割合があるとは言え、在宅介護サービスの場合は支給限度額があります。図表4は要介護度と支給限度額を示しており、この金額を超えた分は全額自己負担となります。
65歳未満はカバーされる範囲が狭い
基本的に公的介護保険制度は、40歳以上の人が加入し、65歳以上の人が介護サービスを受けることが想定されていますが、65歳未満でも介護が必要な状態に陥ってしまうケースがあります。65歳以上ならどんな理由で介護が必要になっても介護サービスを受けることができますが、40歳以上65歳未満の場合は16種類の特定疾病(図表6)が原因の場合しか受けることができません。
介護保険料が増加傾向
介護保険料は増加傾向にあります。図表7は例として全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率の推移を示していますが、2009年の1.19%から2021年には1.80%まで上昇しています。
この背景には、高齢化率の高まりだけでなく、要介護・要支援認定を受ける人の割合が増えているという状況があります。図表8は第1号被保険者数と要介護・要支援認定者数(左軸)の他、その認定率<認定者数/被保険者数>(右軸)を示しており、認定率も増加しています。制度維持のために被保険者の負担が年々重くなっているのです。
将来のためにリスクの分散を
以上のように、保険料負担は増加傾向にあるものの、
●介護サービスの利用限度額
●65歳未満の介護サービス受給要件
などによって、公的介護保険制度だけでは希望するサービスの全てを利用できるとは限りません。また、保有する資産に応じてサービスの利用に必要な自己負担金額が大きくなるため、公的制度だけに依存するのではなく、それ以外の方法(例えば団体保険など)を検討しておくのもリスクの分散になります。
参考文献
当社の福祉制度や各種サービスをご紹介するものですが、
今回の内容は、普段の生活でのお気づきや、お役に立ちましたか?
- このホームページは、概要を掲載したものです。詳細は、商品パンフレット等をご覧ください。なお、ご契約等の際には、パンフレット・重要事項のご説明・ご契約のしおり等にて必ず内容をご確認ください。また、ご不明な点は、パナソニック保険サービスまたは引受保険会社にお問い合わせください。
- パナソニック保険サービスは、複数保険会社の商品を取扱う保険会社の募集代理店です。保険商品のご案内に際し、当社の比較説明・推奨販売方針「保険商品のご案内について」に基づき適正に保険募集を行います。
引受保険会社:
三井住友海上火災保険株式会社
東京海上日動火災保険株式会社
損害保険ジャパン株式会社
【2021年4月作成】