くるまの保険のコラム
自家用乗用車の日常点検については、道路運送車両法第47条の2において、走行距離や運行時の状態から判断した適切な時期に実施することとされていますが、現実には、ほとんど点検を実施しないドライバーも見られます。点検の不備による車両トラブルは事故の大きな要因となります。そこで今回は、車の日常点検の内容と方法をまとめてみました。
日常点検の内容と方法
日常点検の点検箇所と点検内容については、自動車点検基準に定められていますが、点検する際は、次のような順序で行うと効率的に実施できます。
1.外回りでの点検
2.エンジンルームでの点検
3.運転席での点検
1外回りでの点検
① タイヤ
- 空気圧は適当かをタイヤゲージ等で点検します。
※タイヤの指定空気圧を記したラベルは、運転席側のドアなどに貼り付けてあります - タイヤの全周に亀裂や損傷がないか、くぎ、石、その他の異物が刺さったり、かみ込んだりしていないかを点検します。
- タイヤの接地面に極端に擦り減っている箇所(異状な摩耗)がないかを点検します。
- 溝の深さについては、スリップ・サインが出ていないかどうかを点検します。
※スリップサインは、残り溝が1.6ミリになると現れます。一箇所でもスリップサインの現れたタイヤはすぐに交換してください。 - タイヤの脱輪事故も発生していますので、自分でタイヤ交換したときなどは、ナットやボルトが締付け具合などをしっかり点検・確認しましょう。
② 灯火類 前照灯(ヘッドライト)、方向指示器、後退灯、制動灯などの灯火類については、次のことを点検します。
- 点灯具合や点滅具合が不良でないか
- 汚れや損傷がないか
- 灯火類の点検後に、フロントガラスやリアガラス等のウインドガラスやドアミラーの汚れなども点検しておきましょう。
2エンジンルームでの点検
① ウィンド・ウォッシャ液
- タンク内のウィンド・ウォッシャ液の量が適当かを点検します。
- ブレーキ・リザーバ・タンク内の液量が規定の範囲内にあるかを点検します。
- バッテリー各槽の液量が規定の範囲内にあるか車両を揺らすなどして点検します。
- リザーバ・タンク内の冷却水の量が規定の範囲内にあるかを点検します。
※冷却水の量が著しく減少しているときは、ラジエータ、ラジエータホースなどから水漏れがしているおそれがあります。
- オイルの量が、オイルレベルゲージで示された範囲内にあるかを点検します。
3運転席での点検
① ブレーキペダル
- ペダルをいっぱいに踏み込んだとき、床板とのすき間や踏みごたえが適当であるかを点検します。
※床板とのすき間が少なくなっているときや、踏みごたえが柔らかくなっているときは、ブレーキ液の液漏れ、空気の混入によるブレーキのきき不良のおそれがあります。
- レバーをいっぱいに引いた(踏んだ)とき、引きしろ(踏みしろ)が多すぎたり、少なすぎたりしないかを点検します。
- エンジンが速やかに始動し、スムーズに回転するか、エンジン始動時およびアイドリング状態で異音がないかを点検します。
- エンジンを暖機させた状態で、アイドリング時の開店がスムーズに続くかを点検します。
- エンジンを徐々に加速したとき、アクセルペダルに引っ掛かりがないか、エンストやノッキングを起こすことなくスムーズに回転するかを、走行するなどして点検します。
- ウィンド・ウォッシャ液の噴射の向きや高さが適当かを点検します。
- ワイパーを作動させ、低速および高速の作動が不良でないか、きれいにふき取れるかを点検します。
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〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ