くるまの保険のコラム
車で出かけるときは駐車場を利用することがしばしばありますが、駐車場は隠れた事故多発場所とも言われています。そこで今回は、特に高速道路のサービスエリアやパーキングエリア(以下、「SA・PA」と言います。)、行楽地や観光地の駐車場、スーパーマーケット等の商業施設の立体駐車場における事故防止のための留意点をまとめてみました。
SA・PAでの留意点
本線車道から場内に入る時は減速する
高速道路の本線車道走行中の速度感覚のままで場内に進入すると危険なため、十分に減速し、スピードメータなどで実際の走行速度を確認しましょう。先行車の急減速・急停止に備え、先行車との車間距離も十分に保持し、場内走行時は徐行しましょう。
他車だけでなく歩行者の動きにも注意する
場内では、ドライバーは駐車スペースを探しながら運転しがちになり、そのため周囲の状況に対する注意が薄れてしまうことがあります。SA・PAの利用時間は比較的短いことから頻繁に車が出入りし、場内は子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人が歩いており、中には走ってトイレに向かう人の姿も見られます。しかも、駐車車両が死角を作って発見が遅れることがありますから、先行車や発進しようとする車だけでなく、歩行者の動きにも十分に注意しましょう。また、自車の存在を他車や歩行者が視認できるよう、早めにヘッドライトを点灯しましょう。
駐車時はパーキングブレーキをかける
場所によっては、一見、路面が平坦なように思えても実際には傾斜していることがあります。確実に停止状態を保つため、駐車時はギアを「P」レンジに入れるだけでなく、必ずパーキングブレーキもかけるようにしましょう。
車種に応じた駐車区分を守る
駐車スペースが「普通車」「大型車」「二輪車」など車種に応じて区分されている場所も少なくありません。
特に大型トラックなどの大型車は、大型車用スぺースにしか駐車できませんので、それ以外の車が駐車してしまうと、駐車場所を失い、休憩が取れなくなるおそれがあります。車種に応じた正しい場所に駐車しましょう。
行楽地・観光地の駐車場での留意点
特に団体観光客の動きに注意する
行楽地や観光地の駐車場は、一般車両のほかに観光バスが多いという特徴があります。バスを降りた観光客は団体で行動することもあって、自分で安全を確認するという意識が薄らいでいるおそれがあります。場内では徐行するとともに、特に団体観光客の動きには十分に注意を払いましょう。
整備されていない駐車場では駐車方法などに注意する
行楽シーズンには、臨時の駐車場が設けられる場合もよくありますが、その中には車止めや区画線がなく、路面もあまり整備されていない駐車場も見られます。そうした駐車場を利用する場合は、他の車や歩行者の動きだけでなく路面の凹凸などにも注意しましょう。また、駐車する際は、側方や後方の駐車車両との間隔が十分か、車両が斜めになっていないかなどにも注意しましょう。駐車する際に少しでも不安があるときは、躊躇することなく降車して駐車先や隣接車両との間隔を自分の目で確認し、同乗者がいる場合は、車を降りて誘導してもらうのも良い方法です。
商業施設の立体駐車場での留意点
徐行し歩行者の動きに注意する
立体駐車場は、死角が多いことに加えて、屋内になることから、一般に屋外の駐車場に比べて暗くなります。
他車や歩行者が自車を視認できるよう早めにヘッドライトを点灯するともに、場内は徐行しましょう。特に立体駐車場のエレベータや店舗への出入口付近は、歩行者の出入りが多くなりますから、十分な注意が必要です。また、子どもは駐車車両の死角に入りやすいので、歩行者を見かけたときは子どもが隠れているかもしれないと予測しましょう。
逆走する車があるかもしれないと考えておく
立体駐車場の多くは、入口と出口が分かれている一方通行路になっていますが、初めて利用するような不慣れなドライバーの中には、誤って逆走するケースも見られます。逆走車などあるはずがないと思い込んで漫然と走行していると、いざ逆走車と出合った時にあわててしまい、適切な措置がとれないおそれがあります。逆走車のことも念頭に置きつつ、前方の状況に注意して進行しましょう。
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〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ