くるまの保険のコラム
ドライバーには歩行者を保護する義務がありますが、特に事故に遭いやすい子供に対しては、十分な注意が必要です。そこで今回は、事故につながりやすい子供の行動特性と子供を事故から守るためのポイントをまとめてみました。
事故につながりやすい子供の行動特性
手を上げて渡れば横断歩道は安全と考えている
子供のなかには、手を上げて渡れば横断歩道は安全と考えて、車が接近しているか否かを確認せずに横断したり、車が接近していても車が止まってくれると考えて横断することがあります。また、片側1車線の道路では、片方から接近する車が停止すると、その反対車線を走行している車の接近を確認しないまま横断することがあります。
友達に続いて横断する時に車を確認しないことがある
子供が数人でいる時、一人の子供が横断歩道を横断すると、それに続く子供は車が接近しているかどうかを確認しないまま横断することがあります。住宅街などの脇道からの子供の飛出しの場合も同様で、一人の子供が飛出しすると、その後から、次々に子供が安全確認をしないまま飛出してくることがあります。
道路の反対側に友達などがいると横断する
道路の反対側に子供の友達や親などがいる場合、安全確認をせずに、いきなり道路を横断することがあります。特に登下校の時間帯は、子供たちが道路の両側を通行することが多く、反対側に友達を見つけて急な横断をする危険性が高まります。また、登下校中の子供は集団になりやすく、子供同士でふざけあうなどして、急に車道に出てくる場合もありますので、注意が必要です。
子供は死角に入りやすい
子供は身体が小さいため、駐車車両や植込み、のぼり旗、看板などのかげに隠れてしまい、ドライバーからは子供の動きがよく確認できないことがあります。一方、子供のほうも視界を遮られてしまい、接近する車が確認できなかったり、発見が遅れやすくなります。
子供を事故から守るために
横断歩道に子供がいる時は必ず停止する
横断歩道に接近する時は、歩行者などがいないことが明らかな場合を除き、横断歩道の直前で停止できるような速度で進行しなくてはなりません。また、子供に限らず、横断歩道を横断しようとしている歩行者がいる時は、車は一時停止して歩行者の横断を妨げないようにすることが義務づけられています。特に子供は、手を上げれば車が止まってくれると思って、車が接近している場合でも横断することがあります。横断歩道を横断しようとしている子供がいる時は必ず一時停止して、子供を横断させましょう。
なお、一人の子供が横断したからといって、すぐに発進するのは危険です。その子供を追って別の子供が走って横断するケースもあるからです。一人の子供が横断を終えても、その後から横断する子供がいないかどうかを必ず確認しましょう。
子供のいる道路の反対側にも目を向ける
道路脇に子供がいる時は、その子供だけでなく、道路の反対側にも目を向けて、子供の友達や親などがいないかどうかを確認しましょう。もし、道路の反対側に友達や親などがいる場合には、急に道路を横断することが予測されますから、減速し徐行するなど、子供の飛出しに対応できるようにしておきましょう。
死角に入った子供を見落とさないようにする
住宅街の道路や学校、公園など子供の多い場所で駐車車両がある場合は、駐車車両の周辺に子供がいないかどうかを慎重に確認しましょう。もし、子供を見かけた場合は、その子供だけでなく、駐車車両の死角に入って見えない子供がいるかもしれないと考えて徐行するなど、子供の不意な飛出しに備えましょう。また、植込みやのぼり旗、看板などが設置されている横断歩道の場合は、子供が見えにくいことがありますから、横断歩道の接近時に十分確認するようにしましょう。
通学路の走行はできるだけ避ける
標識や路面標示で「通学路」に指定されている道路では、特に朝と午後の登下校の時間帯の走行は、できるだけ避けましょう。やむを得ず走行する時は、登下校中の子供は、ふざけあって急に車道に出てくることがあるということをしっかり頭に入れて、子供の動きに注意し、十分に速度を落としましょう。
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〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ