くるまの保険のコラム

くるまの保険のコラム 2021年10月号

 安全な運転を確保するためには、車同士の円滑なコミュニケーションを図ることが重要なポイントの一つになります。カーコミュニケーションの方法としては、ウインカーによる合図など道路交通法等に基づくものと、ハザードランプによる停止の合図などドライバー同士で習慣的に行われている道路交通法に基づかないものがあります。今回は、これらの方法をまとめてご紹介します。

道路交通法等に定められている合図の時期や方法

 相手の顔も見えず、言葉による伝達もできない運転時において、相手との円滑なコミュニケーションを図るためには、道路交通法等に定められたウインカー等による合図を的確に実践していくことが不可欠となります。

合図が必要な場合
 合図が必要な場合として道路交通法第53条では、「左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるとき」と定められており、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならないとされています。

合図が必要な場合

合図の時期
 合図は、いつ出してもよいというわけではありません。なかには、右左折や進路変更の直前になってウインカーを出すケースも見られますが、これでは他車は対応しきれず事故につながりかねません。そのため、道路交通法施行令第21条において、合図を出す時期が次のように定められています。
【左折・右折・転回時】
 右左折又は転回しようとする地点から30メートル手前の地点に達したとき。
【進路変更時】
 進路変更しようとする3秒前。
【徐行・停止・後退時】
 徐行、停止、後退を行うとき。

※徐行、停止は、制動灯が点灯することで、後退は後退灯が点灯することで合図とみなされます。

合図の時期

必要以外の合図の禁止
 右左折や進路変更など合図が必要な行為をしないにもかかわらず合図を出すのは禁止されています。

道路交通法によらないカーコミュニケーションの方法と留意点

ハザードランプで減速・停止の意図を伝える

 減速や停止をするときに、ハザードランプ(非常点滅表示灯)を点滅させ、後続車に自車の減速や停止を知らせるという方法が用いられることがあります。
 ハザートランプの点灯については、それが義務づけられているのは、「夜間に幅員が5.5メートル以上の道路に駐停車するとき」(道路交通法施行令第18条)と、「通学通園バスが、小学校の児童、生徒又は幼児の乗降のために停車しているとき」(道路交通法施行令第26条の3)であり、減速や停止時に関する規定はありません。ただ、特に高速道路では、渋滞の最後尾で停止しているときに後続車に追突されるという事故が発生していますので、最後尾に停止するときはハザードランプを点滅させて後続車の注意を喚起するのも事故から身を守るうえでの方法の一つといえるでしょう。
 なお、相手に道を譲られたときなどにハザードランプを数回点滅させる、いわゆる「サンキューハザード」は周囲の車に誤解を与えるおそれがありますから、控えたほうがよいでしょう。

ハザードランプで減速・停止の意図を伝える

ポンピングブレーキで減速・停止の意図を伝える

 停止するときに一気にブレーキを踏んで停止すると急停止になり、後続車に追突される危険が高まります。停止するときは、ブレーキを一度に踏んで停止するのではなく、数回に分けて踏むポンピングブレーキを行い、後続車に停止する意思を伝えるようにするとよいでしょう。

ポンピングブレーキで減速・停止の意図を伝える

クラクションの使用はできる限り控える

 交差点での信号待ちをしていて、信号が青に変わったにもかかわらず前車が発進しないときなどに、クラクションを鳴らして前車に注意を喚起するという方法が用いられることがありますが、自分では好意のつもりであっても、相手にそのように受け取られるとは限らず、トラブルの原因になることがあります。
 道路交通法第54条においても、クラクションの使用は限定されており、みだりに使用することは禁止されています。したがって、クラクションの使用はできるだけ控えるのが望ましいといえますが、やむを得ず使用しなければならない場合には、軽く短く鳴らすなどの配慮をするとよいでしょう。

クラクションの使用はできる限り控える

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〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ