くるまの保険のコラム

くるまの保険のコラム 2021年5月号

 自転車は、買い物や通勤、レジャーなど日常生活におけるさまざまな場面で幅広く利用されています。そのため、車の運転時に自転車と遭遇しないということはほとんどないといってよいでしょう。ドライバーには自転車を保護する義務があります。そこで今回は、自転車を保護し事故を防止するためのポイントをまとめてみました。

自転車の側方通過時は
安全な間隔をとるか徐行する

 自転車は車道通行が原則です。そのため、車道の左端に「自転車ナビマーク」が表示されている道路も少なくありません。この「自転車ナビマーク」は法令に基づく道路標示ではなく、自転車の走行ポジションを示すために設けられているものです。したがって、「自転車専用通行帯」とは異なり、自転車以外の車両が通行しても違反行為にはなりませんが、自動車のドライバーには自転車を保護する義務があります。追越しや追抜きなどのために自転車の側方を通過するときは、自転車のふらつきなどを予想して、安全な間隔を空けるか徐行する必要があります。
 特に、次のような自転車はふらつくおそれがありますので、十分な注意が必要です。
子どもを乗せた二人乗りや三人乗りの自転車 前後に荷物を積んだ自転車 スマートフォンやヘッドフォンを使用している自転車 高齢者の乗った自転車 犬を散歩させている自転車

「自転車専用通行帯」とは、自転車以外の車両(軽車両を除く)の通行が禁止されている通行帯をいいます(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令・規制標示 109 の 6 )。したがって、道路外施設に入るために右左折するなどやむを得ない場合を除いて、自動車の通行は禁止されています(道路交通法第 20 条 第 2 項)。

側方間隔をとる 【自転車ナビマーク】【自転車専用通行帯】(道路標示)

歩道等を横切るときは
一時停止して自転車の有無を確認する

 駐車場などの道路外施設に出入りするために、歩道や路側帯を横切るときは、その直前で一時停止して、左右の安全を確認しましょう。なお、道路外施設から車道に出ようとする際に、一気に歩道等を横切って車道の手前まで進行してから停止するという車も見かけられますが、これは違反行為となるだけでなく、自転車の進路を妨害する危険な行為であり、事故やトラブルの要因にもなります。
歩道等を横切るときは一時停止して自転車の有無を確認する

見通しの悪い交差点からの
自転車の飛び出しに備える

 警察庁交通局が公表した「令和2年中の交通事故の発生状況」によると、自転車が当事者(第1・第2)となった交通事故発生件数は67,673件、そのうち「出会い頭事故」は32,695件で全体の48.3%、ほぼ半数を占めています。「出会い頭事故」の多くは、見通しの悪い交差点で発生していると考えられますから、生活道路などを走行するときは、スピードを抑えるとともに、路面の十字路や丁字路の標示にもよく目を配って、小さな交差点を見逃さないようにし、自転車の飛び出しに備えましょう。
 また、一時停止の標識や標示のある交差点では一時停止して自転車の有無を確認するとともに、そうでない交差点でも左右の見通しのきかない場合には徐行が義務づけられていますので、そうした交差点では徐行して自転車の有無を確認しましょう。
 
見通しの悪い交差点から自転車の飛び出しに備える

交差点左折時は同一方向からの
自転車を見落とさない

 交差点を右左折するときは、横断してくる自転車をしっかり確認する必要がありますが、特に、右図にあるように、左折時は同一方向から進行してくる自転車が死角に入って見落としやすくなりますから、交差点に接近するときには、前もって車道の左端や歩道に自転車がいないかどうかを確認しておくようにしましょう。また、交差点の右左折時は徐行が義務づけられていますから、必ず徐行して横断自転車の有無を確認しましょう。
 なお、自転車を確認しても、自車のほうが先に行けると判断して事故につながるケースがあります。交差点に接近した自転車は加速することもよくありますから、決して自車のほうが先に行けるとは判断せず、自転車が通過するのを待つようにしましょう。

交差点左折時は同一方向からの自転車を見落とさない

自転車の動きを予想した運転をする

 自転車は、駐車車両などの障害物を避けるために道路の中央に進路変更したり、歩道を通行していた自転車が歩行者を避けるために、歩道から車道に進路を変更してくることがあります。自転車の進路の先の状況に注意を払わず、漫然と運転していると自転車の動きが予測できず、進路変更に気づくのが遅れてしまいますから、自転車の前方の状況にもよく目を配り、進路変更など自転車の動きを予測した運転を心がけましょう。
自転車の動きを予想した運転をする

※イラストの二次利用はご遠慮願います

〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ

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