くるまの保険のコラム

くるまの保険のコラム 2020年11月号

2020年
12月号

 冬季は積雪や降雪、路面の凍結など運転にとって悪条件が重なるときです。積雪路・凍結路は、ハンドルやブレーキのちょっとした操作ミスでスリップするおそれがあり、降雪時は視界が悪化し危険の発見が遅れがちになります。そこで今回は、冬道走行に潜む危険を回避するための安全走行の基本についてまとめてみました。

冬道走行に潜む危険

車の停止距離が長くなる

 積雪路や凍結路は、乾燥路面に比べて路面とタイヤとの摩擦係数が低くなります。そのため車の停止距離が長くなり、ブレーキをかけてもなかなか車が止まらず、停止している車に追突したり、赤信号で交差点に進入するなどの危険があります。

車の停止距離が長くなる

スリップが起こりやすい

 積雪路や凍結路は、スリップが起こりやすくなります。特に、カーブ走行時や右左折時、進路変更時などでは、ハンドル操作やブレーキ操作のちょっとしたミスでスリップすることがあります。
 なお、夏用タイヤでは、勾配の緩い上り坂であっても、積雪している場合はタイヤが空回りして上れなくなることがあります。

積雪路では道路表示が見えなくなる

 積雪路では、横断歩道やセンターライン、一時停止線などの路面の道路標示が見えなくなります。そのため横断歩道を見落としたり、対向車線にはみ出したり、一時停止線を超えてしまう危険があります。また、道路端が見えない場合は、左端に寄り過ぎると側溝などに落ちてしまう危険もあります。

夜間特有の危険な現象がある

降雪時は視界が悪くなる

 降雪時は、前方だけでなくサイドミラーやリアウインドーにも雪が付着するため、後方や側方の視界も悪くなり、危険を見落としたり発見が遅れやすくなります。また、激しい吹雪などの場合は、前方がほとんど見えない状態になることもあります。

夜間は昼間より死亡事故が発生しやすい
夜間特有の危険な現象がある

冬道の安全走行の基本

速度を落とし車間距離をとる

 冬道の安全走行の基本は、速度を落とし車間距離を十分とることです。特に気温が低下する深夜から早朝にかけては、雪がなくても路面が凍結しているおそれがありますから、路面の状態に注意するとともに、速度を十分に落とし、前車との車間距離を長くとって走行するようにしましょう。また、交差点や「止まれ」の標識のある場所に接近するときは、あらかじめ減速するとともに前車との車間距離も十分にとっておきましょう。そうすることにより、余裕をもって停止することができます。

速度を落とし車間距離をとる

運転操作は慎重に行う

 積雪路や凍結路の走行時に、乾燥路と同じ感覚でハンドルやブレーキなどの運転操作を行うとスリップを招く危険が高まります。積雪路や凍結路では、ハンドルは小刻みに切るようにし、ブレーキはソフトに踏み、徐々に停止するようにしましょう。また、急ハンドルや急ブレーキ、急発進や急加速などの「急」のつく運転は絶対に避けて、慎重な運転操作を心がけましょう。
 なお、大雪特別警報などが出されるような異例の大雪のときには、高速道路などで「チェーン規制」が行われることがあります。この場合、スタッドレスタイヤなど冬用タイヤを履いていても、タイヤチェーンを装着しないと走行できないので注意が必要です。

運転操作は慎重に行う

道路標識に注意する

 横断歩道や一時停止場所には、道路標示とともに道路標識が設置されている場合が多いので、積雪により道路標示は見えない場合は道路標識によく注意して走行しましょう。また、センターラインや道路端はわかりにくい場合は、道路の中央や左端に寄りすぎないようにしましょう。轍やタイヤの跡がある場合は、それに沿って走行するのがよいでしょう。

視界が悪いときは退避して様子を見る

 降雪時には視界が悪くなりますが、地吹雪などにより、ほとんど前方が見えないような場合は、無理をして先に行こうとするのは非常に危険です。最寄りのパーキングエリアなどの安全な場所に一時待避して、天候が回復し視界が確保できるまで待つようにしましょう。

道路標識に注意する

※イラストの二次利用はご遠慮願います

〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ

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