くるまの保険のコラム

くるまの保険のコラム 2020年6月号

2020年
6月号

 近年、大雨で冠水した場所で身動きがとれなくなった車が水没したり、強風により車が横転するなどの異常気象に係る事故が目立つようになっています。そこで今回は、大雨や強風、濃霧などの気象状況に応じた事故防止のための留意点についてまとめてみました。

大雨時の留意点大雨時の留意点

 気象情報に注意し、大雨が予想されるとき(大雨注意報や警報が出されたときなど)は、車の運転は控えるのが望ましいのですが、やむを得ない事情で運転する場合や、走行中にいきなり大雨に襲われた場合には、次の点に留意しましょう。

  • ワイパーを最速にして視界を確保しましょう。最速にしても雨滴が拭い切れない場合は、そのまま走行を継続するのは危険ですから、安全な場所に車を止めて様子をみましょう。
  • 高架下などのアンダーパスやすり鉢状の道路は冠水するおそれがありますから、できるだけ避けましょう。
  • 前方に冠水場所がある場合、まだ大丈夫だろうと進入すると立往生する危険がありますから、決して無理はせず引き返しましょう。
  • 河川の近くを走行すると、河川の氾濫に巻き込まれる危険がありますから、このような場所を走行しているときは、速やかに高台など安全な場所に避難しましょう。
大雨時の留意点

車が水没しかけたときの措置

 急な増水などにより回避が間に合わず、冠水場所に進入してしまった場合、エンジンに水が入って車が動かなくなり水没することがあります。このような場合は、一刻も早く車から脱出し、安全な場所に退避する必要がありますが、車の内と外の水圧差によって、ドアが開かなくなることがあります。しかも、エンジンが停止しているため、電動の窓ガラスも開かなくなります。こうした事態に陥ったときは、次の措置をとりましょう。

  • 自動車専用の脱出用ハンマーを携行している場合は、それを使用して、窓ガラスを割って脱出します。
  • 脱出用ハンマーを携行していない場合は、車内への浸水により内と外の水圧差が小さくなるとドアが開くようになりますから、決してあわてたりせず、落ち着いてドアが開くタイミングをとらえて脱出します。
  • 冠水した車はエンジンをかけると車両火災が発生するおそれがありますから、水が引いても無理に車を動かそうとはせず、専門業者に安全に処理してもらうようにしましょう。

 なお、万一に備えて、脱出用ハンマーを車内に常備しておきましょう。

車が水没しかけたときの措置

雷発生時の留意点雷発生時の留意点

 雷が発生したときに運転を継続すると、落雷の音や稲光に驚いて運転操作を誤ったり、落雷が気になって周囲への注意が欠けるおそれがありますから、安全な場所に停車して、雷が通り過ぎるのを待つようにしましょう。その場合、車外に出るのは危険ですから、車内にとどまっておくようにします。

雷発生時の留意点

強風時の留意点強風時の留意点

 強風時は、ハンドルをとられ車が流されたり、ワンボックスカーなどの車体の高い車の場合は横転することがありますから、暴風警報や強風注意報が出されたときは、できるだけ運転を控えるようにしましょう。

 やむを得ない事情で運転する場合には、特に次の点に留意しましょう。

  • 街路樹の揺れ方などから風の強さに注意しながら、スピードを落として走行しましょう。
  • 万一、強風に車が流されたときに、ハンドルを切り返したり急ブレーキを踏むと、かえって危険な事態を招くおそれがあります。車が流されても決してあわてずにしっかりハンドルを握って車の態勢を立て直しましょう。
  • 紙屑などの飛来物が一瞬ドライバーの視界を遮ることがありますが、そのようなときもあわてずに、前方の状況をしっかりとみて走行しましょう。
  • 橋の上やトンネルの出入口、海岸沿いや切り通しなどは、強風や突風に襲われやすいので、このような場所を走行するときは、特に注意して慎重に走行しましょう。なお、台風接近時の海岸沿いの道路は、強風だけでなく高波のおそれもありますから、できるだけ避けましょう。
強風時の留意点

濃霧時の留意点濃霧時の留意点

 濃霧が発生している場所は、視界が悪化しますから、特に次の点に留意しましょう。

  • スピードを落とすとともに、ヘッドライトまたはフォグランプを早めに点灯しましょう。
  • センターラインやガードレール、前車の尾灯を目安に走行し、必要な場合は、クラクションを使用して対向車などに自車の接近を知らせるようにしましょう。
  • 極端に視界が悪化して、前方がほとんど見えない状態になった場合は、安全な場所に退避して霧が晴れるのを待ちましょう。
濃霧時の留意点

※イラストの二次利用はご遠慮願います

〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ

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