地震大国なのに無対策が半数。2人に1人が何もしていない自宅の防災意識
地震はいつ、どこで発生するか分かりません。日本に暮らす私たちにとって、日常のすぐそばにあるリスクといえるでしょう。
とはいえ、自宅でどの程度の防災対策を行っているかには、個人差が大きいのが実情です。
そこで今回は、株式会社NEXERと共同で、全国の男女500名を対象に「自宅の防災意識」に関するアンケート調査を実施しました。
「自宅の防災意識に関するアンケート」調査概要
調査手法:インターネットでのアンケート
調査期間:2025年10月29日 ~ 11月5日
調査対象者:全国の男女
有効回答:500サンプル
- 質問内容:
- 質問1:次の地震対策に関する用語のうち、知っているものをすべて選んでください。
- 質問2:制震ダンパーを知ったきっかけを教えてください。
- 質問3:自宅で実施している地震対策を教えてください。
- 質問4:その中でも、最も重視している地震対策は何ですか?
- 質問5:その理由を教えてください。
- 質問6:地震対策に関して、「今後取り入れてみたい」と思うものはありますか?
- 質問7:どのようなものを今後取り入れてみたいですか?
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。

質問1:次の地震対策に関する用語のうち、知っているものをすべて選んでください。
まず、地震対策に関連する用語の認知度を尋ねたところ、「耐震」は約8割と多くの方が知っている一方で、「免震」は約5割、「制震」は約2割と、用語が専門的になるほど認知度が下がる傾向が見られました。
さらに約2割は「どれも知らない」と回答しており、住宅の防災性能に関する理解が十分に広まっていないことがわかります。

質問2:制震ダンパーを知ったきっかけを教えてください。
地震の揺れを吸収・軽減する装置である「制震ダンパー」。こちらを知っている方は、わずか16.6%でした。
- 一戸建て購入を目標に生活しているので、毎日調べている間に知りました。(30代・女性)
- 台湾にある台北101に行ったとき実際に目にしたことから。(40代・男性)
- 部材メーカーの展示会にて。(50代・男性)
- テレビで地震に強い家の建設について紹介していてその時に知りました。(50代・女性)
- サンシャインシティが備え付けているから。(60代・男性)
アンケート調査では、テレビ番組や展示会、住宅購入時の情報収集、さらには台北101やサンシャインシティなど、著名な建物で見た経験などが挙げられました。
質問3:自宅で実施している地震対策を教えてください
質問4:その中でも、最も重視している地震対策は何ですか?
質問5:その理由を教えてください。
自宅で行っている地震対策を尋ねたところ、なんと「特に何もしていない」と答えた方が48.8%と、約半数を占める衝撃の結果となりました。
対策をしている方の多くは、「非常用持ち出し袋の備蓄」や「家具・家電の固定」といった初期対応を中心に実施しており、建物自体の安全性に関わる「耐震補強」や「耐震性の高い住宅の導入」は限られているようです。
また、重視する対策としては、「備蓄」「家具固定」「地震保険」の3点が多く挙げられました。命を守る初動対応や、災害後の生活再建を意識した備えが優先されていることが分かります。


「非常用持ち出し袋・食料・水を備蓄している」理由
- 東京に住んでいると、災害が起きた時にスーパーから食べ物がなくなるから。(30代・女性)
- 震災を経験して備蓄は必要だと感じたから。(50代・男性)
- 72時間は独力で生き抜く必要があるから。(60代・男性)
「家具・家電の固定をしている(転倒防止器具など)」理由
- 寝ている時に地震があったら転倒事故が起こりやすそうなので。(20代・男性)
- まずはじめに自分たちでできることだったので。(40代・女性)
- 阪神大震災での経験から。(50代・男性)
「地震保険に加入している」理由
- 保険があると助かるかなと思うので。(30代・女性)
- 命が助かっても何もなくなってしまったらその後の生活が大変だと思うから。(50代・女性)
- 大地震の時は自宅の耐震性だけでなく、周辺建物の倒壊や火災などの影響が大きいので、地震保険がいちばん安心だと思うから。(50代・男性)
「特に何もしていない」理由
- 経済的に余裕がない。(40代・男性)
- 頭では分かっていても実際お金を使ってまでも備えの準備はなかなか出来ない。(50代・男性)
対策を行っていない理由としては「経済的な余裕がない」「必要だと分かっていても費用面で難しい」といった声が目立ちました。
質問6:地震対策に関して、「今後取り入れてみたい」と思うものはありますか?
質問7:どのようなものを今後取り入れてみたいですか?
地震対策について「今後取り入れてみたい」と回答した方は24%と、5人に1人は地震対策について前向きな意識を持っていることがわかりました。

今後取り入れたい地震対策は?
- ポータブル電源の準備。(30代・女性)
- 携帯用トイレを買っておきたい。(40代・男性)
- 窓ガラスに飛散防止シートを施工。(60代・男性)
- 太陽光発電や蓄電池です。(50代・男性)
- 避難用の家をもう一軒確保しておきたいです。(60代・男性)
具体的な内容としては、「ポータブル電源」「太陽光発電や蓄電池」などの電力確保に関するものが多く、「窓ガラスの飛散防止シート」「携帯用トイレ」など、二次被害を防ぐための備えも挙げられました。
なかには「避難用の家をもう一軒確保したい」といった、本格的な対策を検討する方も見られました。
まとめ
今回の調査では、地震対策に関する用語の認知度は依然として低く、実際の対策も「備蓄」「家具固定」「保険加入」など、初期的な範囲にとどまっていることが分かりました。
「何も対策していない」という回答が約半数に達した背景には、経済的な制約や、地震に対する情報不足があると考えられるでしょう。今後は、費用対効果の高い対策や、電力確保・飛散防止など、具体的に取り組みやすい防災方法を広めることが重要です。
パナソニックでは、安心して暮らせる住まいづくりのために、これからも住宅の耐震性能の向上と情報発信に取り組んでまいります。
<記事等でのご利用にあたって>
- 引用元が「株式会社NEXERとパナソニック アーキスケルトンデザイン株式会社による調査」である旨の記載
- 本記事(https://panasonic.co.jp/phs/pasd/knowledge/archives/page-rp2.html)へのリンク設置




