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病院ネットワークシステムとは?問題点と対処方法、事例を紹介

更新日:2024/10/21
病院ネットワークシステムとは?問題点と対処方法、事例を紹介
医療現場で患者情報をスムーズかつ安全に管理・共有するためには、信頼性の高い病院ネットワークシステムが不可欠です。このシステムにより、診療科ごとの患者情報を統合管理したり、他の医療機関との情報連携を迅速に行ったりすることが可能になります。この記事では、病院ネットワークシステムの概要から課題、対策、導入事例について解説します。
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病院ネットワークシステムとは

病院ネットワークシステムとは、病院内に構築されたネットワークシステムのことです。病院内にネットワークシステムを構築することで、診療科ごとの患者情報を集約して管理し、他の医療機関へ患者の診療情報を提供することが可能になります。
特に他の医療機関との患者情報の連携は、厚生労働省や都道府県も積極的に推進しています。
入転院の調整や救急搬送、専門外の医師への相談、セカンドオピニオンなどの際に、患者の診療情報を正確かつ迅速に共有することで、地域内での医療機関の連携強化を実現できます。

病院ネットワークシステムにはガイドラインが存在する

患者の診療情報を安全に扱うために、厚生労働省は「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を公表しています。内容項目は以下のとおりです。

  • 概説編
  • 経営管理編
  • 企画管理編
  • システム運用編

病院ネットワークシステムを利用する際は、ガイドラインに沿って運用していく必要があるため、必ず確認を行いましょう。

病院ネットワークシステムの現在

厚生労働省が公表している「地域医療情報連携ネットワークの現状について」によると、病院ネットワークの現状として「1医療機関のためのネットワークにとどまっている」「自主財源がなく、事業の継続性に疑問がある」といった現状があります。
厚生労働省は、病院ネットワークシステムの普及・構築に向けて、都道府県が運用状況のフォローアップを行うとしています。

病院ネットワークシステムの問題点と対策

病院ネットワークシステムの問題点と対策

病院ネットワークシステムの問題点として、以下の内容が挙げられます。

  • セキュリティが脆弱
  • 管理体制が構築されていない
  • 通信環境が安定していない

それぞれの問題点について、対策と合わせて解説します。

セキュリティが脆弱

病院ネットワークシステムでは患者情報を扱うため、情報漏えいを防ぐセキュリティ対策は万全にしなければなりません。
ただ公共性の高いネットワークでないこともあり、ネットワークのセキュリティが脆弱であるケースも見られます。
ネットワークのセキュリティを強化するためには、ネットワーク接続時の認証システムを設けて、アクセス制御を行うことが第一です。
クローズ環境のネットワークだからといって油断することなく、セキュリティ強化を図りましょう。

管理体制が構築されていない

病院ネットワークでは、誰がどのように管理を行っていくのかといった管理体制が曖昧になっているケースも見られます。
病院ネットワークを安全に運用するためには、ネットワーク構築から運用保守まで徹底して行える管理体制が不可欠です。
ネットワークの安定稼働はもちろんのこと、ネットワーク障害に対しても迅速に対応できる管理体制を敷く必要があります。
病院側で管理体制を敷くのが難しい場合は、専門のネットワーク会社に運用・保守を依頼することも検討しましょう。

通信環境が安定していない

病院ネットワークでは、通信環境が安定していないケースも見られます。
Wi-Fi機器の設置場所を誤っていたり、利用しているWi-Fi機器が古かったりすると、ネットワークを構築しても接続できない可能性も出てきます。
通信環境を安定させるためには、適切な場所に最新のWi-Fi機器を設置することが必要です。
設置場所やWi-Fi機器が分からない場合は、一度ネットワーク会社へ相談しましょう。

病院ネットワークシステム構築の流れ

病院ネットワークシステムを構築する流れは、大まかに以下のようになります。

  1. ネットワーク会社へ問い合わせて、ネットワークの利用目的、規模感などをすり合わせる
  2. ネットワーク構築に必要なWi-Fi機器の種類、台数、設置場所などを決める
  3. ネットワーク会社から見積もりをもらい、費用を確認する
  4. 病院内にWi-Fi機器を設置して、ネットワークの構築を行う
  5. 病院ネットワークシステムが正常に利用できるかテストする
  6. 病院ネットワークシステムの運用を開始する

病院ネットワークの構築には、ネットワークに関する専門的な知識が不可欠です。
安定したネットワーク環境を構築するためにも、病院ネットワークの構築はネットワーク会社に依頼するのがおすすめです。

病院ネットワークシステム導入の事例

次に病院ネットワークシステム導入の事例を紹介します。
今回紹介する事例は、以下の3つです。

  • 某病院への院内ネットワークシステムの導入
  • 某クリニックへのファイアウォール、スイッチングハブの導入
  • 某病院におけるネットワークシステムの拡大

某病院への院内ネットワークシステムの導入

福岡県福岡市、糸島市を拠点に地域に根差した医療を提供している某病院は、2008年に自社開発による電子カルテシステムの運用を開始しました。
電子カルテシステムの運用では、高速で信頼性の高い院内ネットワークが不可欠です。
運用を安定させるために、院内ネットワークとして高速無線LANアクセスポイント、ネットワークインフラ機器の導入を行いました。
導入した院内ネットワークシステムでは、ネットワークの運用状況を監視できる体制も整え、安全で迅速な電子カルテシステムの運用を実現しています。

某クリニックへのファイアウォール、スイッチングハブの導入

某クリニックは「インターネットおよびVPNのセキュリティを強化したい」「監視やログ収集を通じて、ネットワークのセキュリティリスクを前もって把握したい」という要望をもっていました。
この要望を実現するために、院内ネットワークへのファイアウォール、スイッチングハブの導入を行いました。
これらの導入によって、セキュリティパッチの自動アップデート、隠れたセキュリティリスクの顕在化、未知の脅威をブロックすることを実現しました。
また危険なアクティビティやトラフィックなど、高度な脅威をレポートで分かりやすく表示できる機能も追加しており、ネットワークを適切に制御できる環境を整えています。

某病院におけるネットワークシステムの拡大

某病院は「既設の電子カルテ用ネットワークへ、無線アクセスポイントを複数台追加して、ネットワークを拡張したい」という要望をもっていました。
ただし施工対象エリアが治療室であったため、医療機器の移動が難しいこと、また天井点検口がなく、増設のたびに既設照明器具を外して配線を行っているなど、ネットワーク拡張に際して課題が複数見られました。
これらの要望を実現するべく、電源工事が不要でLAN配線の敷設のみで工事が完結するネットワーク機器の設置を行いました。
また機器の運用後は天井下から機器の動作状況をLEDのみで確認可能な状態にして、運用・保守の負担も最小限に抑える環境を整えました。

ネットワーク構築ならパナソニックEWネットワークス

ネットワーク構築を行う際は、パナソニックEWネットワークスにお任せください。
パナソニックEWネットワークスでは、最新のサイバー攻撃に対応した検知システム、バックアップサービスを提供しています。
未知のマルウェアからのコンピューター防御、端末情報の一元管理を行い、安全に利用できるネットワーク環境を構築します。
また、潜在的なセキュリティリスクを可視化できる次世代型のファイアウォールも提供しており、事前に対策を講じることが可能です。安全かつ快適なネットワークの構築をご希望の場合は、パナソニックEWネットワークスまでお問い合わせください。

まとめ

病院ネットワークシステムは、病院内外において患者情報、治療情報などを迅速に共有する上で非常に重要なシステムです。
個人情報を広く扱う分、万全なセキュリティ体制を敷いて運用する必要があります。
高いセキュリティを備えたネットワークを構築するためには、専門的な知識が不可欠です。病院ネットワークシステムの再構築を検討するなら、専門の会社に依頼しましょう。

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