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病院にWi-Fi(無線LAN)を導入するメリットと安全な導入方法を解説

更新日:2024/09/19
病院にWi-Fi(無線LAN)を導入するメリットと安全な導入方法を解説
私たちが生活する上で、必要不可欠な存在になりつつあるWi-Fi(無線LAN)。しかし病院でWi-Fiを導入するとなると、セキュリティはもちろん費用や管理方法などが気になる方も多いでしょう。この記事では、病院にWi-Fiを導入するメリットや役割、安全に導入するためのポイントについて詳しく解説します。
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国内の病院におけるWi-Fi(無線LAN)の導入率と役割

Wi-Fiの導入状況

医療機関におけるWi-Fiの導入率は、年々増加し続けています。
電波利用推進委員会が発表した「2021年度医療機関における適正な電波利用推進に関する調査の結果」によると、2021年度の有床診療所でのWi-Fi導入率は93.2%と、かなり多くの医療機関で、Wi-Fiの導入が浸透しているということがわかります。

病院におけるWi-Fiの役割

実際に、病院でWi-Fiはどのような役割をしているのでしょうか。
電波利用推進委員会が発表した主なWi-Fiの利用目的によると、従業員のオンラインでの業務での利用が多く、主に、「施設スタッフのインターネット接続(71.8%)」「電子カルテなどの医療事務や治療を支援する医療情報システム(68.9%)」が大半をしめています。

それに対して「患者・外部訪問者のインターネット使用(33.5%)」と一定数利用はされているものの、来院者向けのWi-Fiの導入が進んでいるとはいいがたい現状であるということもわかる結果となっています。
現代社会においてWi-Fiは、従業員同様、患者や来院者にとっても欠かせない存在です。
最近ではスマートフォンを使用して、動画やSNSなどを見て待ち時間を過ごす患者がたくさんいます。
病院内でのWi-Fi環境が悪い場合、患者にとっては不便でストレスに繋がってしまいます。
しかし、セキュリティ上の理由などから患者用と業務用のWi-Fiを区別しなければならず、そのコストや手間などから、患者用のWi-Fiの導入が進んでいないというのが現状です。
病院でWi-Fi環境が悪いと患者のマイナスイメージに繋がりかねないため、快適に過ごしてもらうためにも患者専用のWi-Fiの設置が求められています。

Wi-Fiを病院に設置する際の課題とは

セキュリティ面の不安

病院がネットワーク環境を確保するには、患者の命にかかわる医療現場に必要とされる安全性の確保が大前提となります。
また患者の個人情報の流出を防ぐ、セキュリティの高さが重要です。
このセキュリティを完備するために、ネットワークに接続するユーザーの端末の認証システムを設けて、アクセス制御を行うことをおすすめします。
また、不正ログインやアクセスを防ぐ通知設定などを稼働させておくと、トラブルを未然に防ぐために役立ちます。

どの機器を選べばいいか分からない

Wi-Fiを導入する際には、端末の購入だけではなく、設置にあたっての工事にかかる費用、ランニングコストなどが発生します。
費用は病院の規模によって異なりますが、総合病院などの大規模な病院では、通信環境を快適にさせるために複数のアクセスポイントを設置しなければなりません。
そのため、コストを考慮しながら適切な機器を選ぶ必要があります。

Wi-Fiについての詳しい知識をもった人材がいない

医療従事者には情報通信に明るくない人もいて、病院内にWi-Fiについて詳しい知識をもった人材がいないこともあります。
しかしWi-Fiのトラブルが起きたときに対応し、患者に状況や対策を説明するには、ある程度の知識が必要となります。
そういった対応を誰が行うのかを想定すると、導入に踏み出せない病院も多いでしょう。

病院にWi-Fiを設置するメリット

業務効率が上がる

最大のメリットは、業務効率が上がることです。
電子カルテや医療システムを安全に安定して使用できるようになり、場所にとらわれず病院内のどこからでも仕事ができるようになります。
容量の大きいデータのやり取りや、複数のデバイスでの共有もスムーズです。
病院内を通信速度の高い環境に整えることができれば、全体的な作業スピードが上がり、業務効率の向上が期待できます。

来院者の利用促進につながる

Wi-Fi環境が整うと、患者の満足度が向上し利用促進につながります。
従業員同様、患者にとってもWi-Fi環境は重要です。
病院での待ち時間にWi-Fiがスムーズに繋がれば、通信量を気にすることなくスマートフォンを使用できるため、患者は快適に時間を過ごすことができます。
通院時の長い待ち時間の体感が短くなることで、患者のストレスは軽減されるでしょう。
また入院中の患者にとっても、病室のWi-Fi環境が整っていると、オンラインの面会が可能になります。そうすることで入院中の寂しさや不安が紛れ、入院中の時間を有効活用することが可能になります。
現状では患者や来院者向けのWi-Fi環境が整っている病院はまだ少ないため、他施設との差別化を図ることもできます。

病院にWi-Fiを設置する際に押さえるべきポイント

病院にWi-Fiを設置する際に押さえるべきポイント

セキュリティが高く安心して使用できるか

患者の個人情報を守るためにも、セキュリティの高さが重要になります。
そのためにも、従業員用のWi-Fiとは別のネットワークを設定することが求められます。
業務用と患者用のWi-Fiを同じネットワークにすると、患者の個人情報の流出をまねく可能性があります。
業務用と異なるネットワークを構築し、セキュリティ上問題がないかを必ず確認しましょう。
また、パスワードのないフリーWi-Fiはセキュリティが守られていません。
もしフリーWi-Fiを導入して、使用した患者の情報が流出すると、病院側が責任をとらなければならない状況に陥る可能性があります。
病院、患者双方のためにも、Wi-Fiのセキュリティの高さを必ず見極めるようにしましょう。

快適に使用できる通信環境が確保されているか

大規模な病院では診療室や手術室、病室や、会議室など沢山の部屋があります。
そういった場所のどこでも快適に使用できる通信環境が必要になります。
Wi-Fiを導入しても通信速度が安定せず、途中で途切れてしまうことがあれば、少なくとも業務では使い物になりません。
いつでもどこでも快適に使用できるように、区域ごとにネットワークをわけるなどの工夫が必要です。

管理の負担が少なく運用に手間がかからないか

Wi-Fiの中には設定や管理などに手間がかかるものや、知識がないと設定が難しいものがあります。
「設定ができない」「うまく繋がらない」などのトラブルが発生した際にうまく対応できないと、病院としての信用を失うことにも繋がりかねません。

過去に病院への納入実績があり、購入時だけでなく運用後もしっかりサポートしているメーカーの製品を選ぶようにしましょう。

価格は無理のない範囲内の価格か

Wi-Fiを導入する際には、コストが適正かどうか見極めることも重要です。
性能やスペックは大切ですが、必要以上のコストをかける必要はありません。
あらかじめ予算を設定したうえで見積もりをとり、適正価格でサービスを導入しましょう。

病院におすすめのWi-Fi(無線LAN)

パナソニックのクラウド型無線アクセスポイント『AIRRECT(エアレクト)』は、病院にWi-Fiを導入する際の悩みを解決し、安全、高速で安定した無線LAN環境の構築を実現します。
安全なWi-Fiを提供するために、利用者情報の確認を、総務省が推奨する認証手段でもある「メール認証」「SNSアカウント認証」「SMS認証」の3つの認証方式で対応します。
また不正端末監視用アンテナが搭載されており、24時間365日不正な端末からのアクセスがないか監視するため、セキュリティ面でも安心です。
このWi-Fiはインターネット経由でユーザーにサービスを提供しているため、ひとつの拠点から全国のネットワーク情報が確認でき、一括設定やトラブルシューティングも簡単に行えます。
導入時にかかるコストや運用のコストが削減できるだけでなく、運用の手間もかかりません。

病院でのWi-Fi(無線LAN)導入事例

最後に、病院でのWi-Fi(無線LAN)導入の事例を紹介します。
今回紹介する事例は以下の2つです。

  • ニコニコタウンきいれ(社会福祉法人喜入会・医療法人参天会)
  • 愛知医科大学病院

ニコニコタウンきいれ(社会福祉法人喜入会・医療法人参天会)

ニコニコタウンきいれ(社会福祉法人喜入会・医療法人参天会)では、多くの医療機器・センサー等のIP化が進む中で、多種多様なデバイスと通信できる無線LANネットワークを必要とする状態でした。
また、各デバイスが同時に接続したときの通信品質も求められるうえ、通信を維持するためのトラフィック最適化や負荷分散、電波環境の最適化なども行う必要がありました。
さらに運用面ではトラブル発生時の機器特定に時間がかかっており、現場で個々の機器を確認する必要があったため、多くの工数を要する状態となっていました。
このような背景を踏まえて、ニコニコタウンきいれでは無線LANシステム「AIRRECT(エアレクト)」を導入していただきました。
AIRRECTはクラウド管理型の無線Aシステムであるため、すべての機器をブラウザ上で確認できます。
各無線LAN機器にひもづく通信機器の状態を一元的に管理できるため、遠隔で電波干渉の状況を確認しながら、電波出力調整などを遠隔で実施して管理・調整作業の工数削減を実現しました。
トラブル発生時に現場へ駆けつけることなく、迅速に対応することが可能になり、「ニコニコタウンきいれ」各施設の快適な運用につながっています。

愛知医科大学病院

愛知医科大学病院は「患者様向けにフリーWi-Fiのサービスを提供したい」「端末の同時通信時も、安定したネットワーク通信を実現したい」「無線LANアクセスポイントの管理は死活監視、通信量を可視化したい」といった要望を持っていました。
それらを実現するために、愛知医科大学病院にはレイヤ2スイッチングハブ、無線LANアクセスポイントに加えて、複数の無線LANアクセスポイントの集中管理が可能な監視マネージャーを導入していただきました。
トラフィック状態や運用状態を可視化して、通信不良時にはメールで通知し、早急な復旧対応を実現しました。

パナソニックEWネットワークスのサポート内容

パナソニックEWネットワークスでは、サポート制度も備わっています。
24時間365日体制で稼働している病院では、いつどこでWi-Fiのトラブルが発生しても円滑な対応ができる環境作りが求められます。
AIRRECTでは、不正端末監視用アンテナが年中無休で監視しています。夜間の従業員が少ない時間帯に通信障害などが発生しても、解析から解決案の提案までAI機能がすべてサポートします。
難しい操作や設定を、病院スタッフがする必要はありません。
このように従業員の無線LAN運用の負担を軽減することができるため、業務効率化へと繋がります。
導入前から導入後までサポートが続くため、使用方法はもちろんトラブルの解決にも役に立ちます。

病院にWi-Fiを導入するならパナソニックEWネットワークスへご相談ください

徹底したセキュリティの安全確保はもちろんのこと、導入後も安心できる管理サポートシステムなど、パナソニックEWネットワークスのシステムはWi-Fiの導入にあたっての懸念点を解決するサービスを備えています。
製品導入のご検討、製品やサービスに関するご質問などは、パナソニックEWネットワークスへご相談ください。

病院へのWi-Fi導入の際にはしっかりと検討を!

今回は、病院でのWi-Fi導入に関してのメリットや方法などを解説しました。
病院にWi-Fiを導入することは、従業員の業務の効率化を図るだけではなく、すべての来院者にとってストレスが軽減され、満足度の向上へと繋がります。
来院者へ快適な病院環境を提供するためにも、Wi-Fiの導入を検討しましょう。

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