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業務用Wi-Fiの選び方とは?種類やメリットも徹底解説!

更新日:2022/10/14
業務用Wi-Fiの選び方とは?種類やメリットも徹底解説!
Wi-Fiは今や、家庭やオフィス、カフェや飲食店など、さまざまな場所で使える日常的な存在になっています。そしてオフィスなど、ビジネスでの使用には家庭用とは違った業務用Wi-Fi(機器)があります。業務用Wi-Fiと家庭用Wi-Fiの違い、業務用Wi-Fi機器の選び方などを紹介します。
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業務用Wi-Fiとは何か?

業務用Wi-Fiとは、文字通りオフィスで業務のために使うWi-Fiです。カフェやホテルなどで顧客向けにサービスの一環として提供するWi-Fiも業務用Wi-Fiと言えます。ただし、Wi-Fiは「電波を使ってデータをやりとりする無線LAN技術」のことですので、Wi-Fiそのものに「業務用」「家庭用」といった区別はありません。

一般に「業務用Wi-Fi」と呼ばれているのは、正確には「業務用Wi-Fi機器」のことです。大人数のオフィスや顧客サービスの一環としてWi-Fiを提供する場合は、大勢が一度に接続しても安定してWi-Fiを提供できる性能や信頼性、そして悪意を持った第三者の攻撃や侵入を防ぐことができる、高いセキュリティ機能が必要になります。もちろん家庭用Wi-Fi機器も安全・快適にインターネットを利用するための機能を持っています。業務用Wi-Fi機器は、さらにより多くの人数でも快適に安全に使えるよう強化されています。

業務用Wi-Fiの種類

業務用Wi-Fi(機器)は、使用状況によっていくつかの種類にわけることができます。また基本的なことですが、Wi-Fiだけではインターネットを利用することはできません。

Wi-Fi利用にはインターネット回線の契約が必要

今では「Wi-Fi=インターネット」のように使われていますが、Wi-Fiとインターネットはまったく別のものです。Wi-FiはPCなどの端末が無線でインターネットへつなぐ技術。インターネットを利用するためには、インターネット回線(接続サービス)の契約が必要になります。

インターネット接続サービスの種類は大きく分けて2つ

インターネット接続サービスは、さまざまな会社がサービスを提供しています。代表的な接続サービスは、オフィスや店舗などに固定回線を引いて使用するものです。回線には光ファイバーを使用しているので、多くの場合「●●光」といったサービス名称で提供されています。オフィスビルのフロアや一室を借りてオフィスとする場合、多くの場合、ビル自体に光回線が敷設済みで、インターネット接続サービス提供会社と契約すれば、すぐにインターネットを利用できるはずです。

もう1つは、モバイル回線でのインターネット接続です。外出先でPCをインターネットに接続する場合、スマートフォンを使ってインターネットに接続する手法があります。「テザリング」と呼ばれる手法です。スマートフォンの電話回線をインターネット接続に使う手法ですが、スマートフォンの電話回線を移動中や外出先だけでなく、日常的なインターネット接続に利用するのが、モバイル回線を使った接続です。接続には「ホームルータ」などと呼ばれる機器を使います。最大のメリットは、ホームルータの電源をコンセントに差すだけで、すぐに使えること。光回線の工事などは不要です。何らかの理由で光回線の工事が難しい場合や期間限定のショップなどで短期間しか使わない場合などにモバイル回線の利用はおすすめです。ただし、スマートフォンの通信回線を使うため、光回線と比べると、通信速度は遅くなります。

業務用Wi-Fiと家庭用の違いとは?

業務用Wi-Fiと家庭用の違いとは?

前述したように、Wi-Fiは「電波を使ってデータをやりとりする無線LAN技術」のことなので、それ自体に業務用、家庭用の違いはありません。違いがあるのは、Wi-Fi(無線LAN)機器です。業務用Wi-Fi機器と家庭用Wi-Fi機器の違いを見ていきましょう。

違い①セキュリティ面

Wi-Fiのセキュリティは、家庭や小規模ユーザ向けの「パーソナル」と、大規模ユーザ向けの「エンタープライズ」にわかれています。Wi-Fiのセキュリティの仕様は、細かく見ると、認証方式と暗号化方式でいくつか種類がありますが、最新仕様は「WPA3」で、そのWPA3も「WPA3-Personal(WPA3パーソナル)」と「WPA3-Enterprise(WPA3エンタープライズ)」にわかれています。この2つの大きな違いは、パスワードの設定方法です。

パーソナルでは、あらかじめ設定されたパスワードを全ユーザが共有して使います。事前に共有されたパスワードを使う、という意味から「PSK(Pre-Shared Key/事前共有鍵)方式と呼ばれます。簡単に言えば、1つの鍵を全員で使い回します。

一方、エンタープライズでは「認証サーバ」を使ってユーザを認証します。

オフィスでWi-Fiを使うときに、数十人で同じパスワードを使うケースと、ユーザ1人1人を認証する仕組み(認証サーバ)を導入するケースで、どちらがセキュリティにおいて優れているかは言うまでもありません。

違い②運用・管理システム

家庭や数名規模の小規模オフィスであれば、Wi-Fi機器の導入は1台で済み、運用・管理などはさほど気にしなくてもよいでしょう。ですが業務用Wi-Fiでは、規模によっては数台〜数十台、会社全体で考えれば数百台規模のWi-Fi機器を運用・管理することになります。

Wi-Fi機器へのアクセス状況、トラブルはもちろん、外部からの攻撃やセキュリティ侵害などを感知できる運用・管理システムが業務用Wi-Fiでは必須になります。

違い③同時接続台数

家庭用Wi-Fiでは、同時にアクセスする人数は数名ですが、業務用Wi-Fiの場合、大規模なオフィスであれば、数十人(=数十台のPCなど)が同時にアクセスすることになります。業務用Wi-Fiは、大人数が同時にアクセスしても、Wi-Fiを安定して提供できる高い処理能力と安定性が求められます。

違い④ゲスト用Wi-Fiの提供

ゲスト用Wi-Fiを、社内のWi-Fiネットワークから切り離された別のネットワークとして提供することも業務用Wi-Fiを使えば、簡単に、かつ安全に行うことができます。またカフェなどでフリーWi-Fiを提供する際も業務用Wi-Fiなら大勢のお客様に安定した通信環境を提供できます。

業務用Wi-Fiを導入するメリット

オフィスなどに業務用Wi-Fiを導入するとどんなメリットがあるでしょうか。

メリット①新しい働き方をサポート

リモートワーク、ワーケーションなど、時代が大きく変わるなか、働き方も大きく変化しています。ある日はオフィスに出社し、別の日は違う場所で仕事をする…。働き方がフレキシブルになれば、オフィスにも柔軟性が求められます。固定席を廃止したフリーアドレスなど、業務用Wi-Fiは新しい働き方、新しいオフィスのあり方をサポートします。

メリット②オフィスの柔軟性アップ

これまでLANケーブルを使っていたのであれば、オフィスの柔軟性は大きくアップします。オフィスのレイアウト変更や組織変更への対応もよりスムーズになります。タブレットを使った会議資料の共有なども可能です。

メリット③DXの推進

DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性は、業種・業態を超えて叫ばれています。業務用Wi-Fiの導入は、業務のデジタル化やさまざまなデータ活用の基本となるもの。業務の効率化や企業文化の革新への第一歩となります。

メリット④顧客サービスの充実

オフィスの来客スペースや、外部の人も利用する会議室などに業務用Wi-Fiを利用してゲスト専用のWi-Fiを提供すれば、社員も、取引先や協力先などの外部の人も打ち合わせや会議の場で同じようにWi-Fiを利用できます。資料や文書の閲覧・共有などがスムーズに行え、会議や打ち合わせの効率化が図れます。

またオフィスのみならず、カフェなどの飲食店やホテルなどが顧客向けにWi-Fiを提供することは、顧客サービスのひとつとして当たり前になっています。快適な空間と快適なWi-Fi環境の提供は、集客につながります。業務用Wi-Fiなら、たくさんの顧客が利用する際も安定した、快適なWi-Fi環境を提供できます。

業務用Wi-Fiの選び方とポイント

業務用Wi-Fi(機器)はどのようなポイントで選べばよいのでしょうか。

何人で使用するのか

どれくらいの人数、台数が接続するのか、業務用Wi-Fi機器選びはまずはそこからスタートです。1人の社員が複数の端末(例えば、PCとタブレット)を使用するケースもあるので、人数だけでなく、接続する端末の数を把握します。

オフィスの広さや形はどうか

オフィスの広さや形状も業務用Wi-Fiを使用する際に重要になります。シンプルな形のオフィスであれば、さほど問題はありませんが、形が変わっていたり、途中に仕切り等がある場合、Wi-Fiの電波が弱くなりそうな場所はないか注意しましょう。

運用・管理機能はあるか

業務用Wi-Fiでは、複数のWi-Fi機器を運用するケースが多くなります。同一フロアで複数のWi-Fi機器を使うケース、さらにはフロアをまたいで運用するケースも出てきます。複数のWi-Fi機器を運用・管理する場合は、一括して運用・管理できる機能が必要になります。

Wi-Fi規格は最新か

Wi-Fiは、1997年に第1世代が標準化されて以来、進化を続けています。最新規格は、2019年に登場した「IEEE 802.11ax」。最大通信速度は9.6Gbps、2.4GHzと5GHzの両方の周波数に対応しているため、現在主流となっている11n、11acの端末との互換性があります。「Wi-Fi 6」とも呼ばれます。

自社の予算に合った費用か

業務用Wi-Fiは、接続する人数や端末の台数、電波が届く距離などによって、さまざまな種類があり、価格も異なります。業務用Wi-Fi機器を導入する際には、そうした条件から最適な機器を選択します。ただし、接続人数や台数は現状の数だけでなく、今後の増員予定や顧客数の伸びなどを想定しておく必要があります。

さらにコストには、機器購入の初期費用だけではなく、ランニングコストも含まれます。Wi-Fi機器の場合、機器自体のランニングコストは電気代程度ですが、機器の運用に際しては、Wi-Fi機器やネットワークに詳しい人員が欠かせません。ITサポートのスタッフが不在の場合は、外部の専門業者に運用をアウトソースすることになります。外部に委託する場合は、業務における重要性、対応する時間帯、休日対応の有無などを含めてコストを検討します。

セキュリティ対策は万全か

Wi-Fiのセキュリティの最新仕様は前述した「WPA3」です。新たに業務用Wi-Fiを導入する場合は、WPA3に対応した機器を選ぶようにします。またWPA3には、家庭や小規模ユーザ向けの「パーソナル」と、大規模ユーザ向けの「エンタープライズ」がありますが、業務用Wi-Fiでは、認証サーバを使用する「エンタープライズ」の利用を前提とした方がよいでしょう。

サポートや対応が充実しているか

Wi-Fiはビジネスに欠かせないインフラといえます。業務用Wi-Fiにトラブルが発生すると、多くの人の業務に影響を与えることになります。社内にITサポートの人員がいない場合は、運用をアウトソースした先の体制やサポート内容を十分確認しておきましょう。場合によっては、バックアップ用の機器を社内に準備しておくことも検討します。

ゲスト用のWi-Fiが利用できるか

ゲスト用Wi-Fiの設定・運用が簡単に、安全に行えるかどうかも、業務用Wi-Fi選びの大切なポイントになります。SSIDを分け、社内ネットワークとは別にゲスト用Wi-Fiを運用できることが必須です。

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パナソニックの業務用Wi-Fi活用事例

オフィスでは同じ社内であっても経営上の機密情報や社員の個人情報などを扱う部署があり、セキュリティ上、別の部署からのアクセスを遮断したいケースがあります。また遠隔地との重要なテレビ会議の際には、他のユーザの利用状況の影響を受けないようにする必要があります。パナソニックの業務用Wi-Fiなら、マルチSSIDによって部署ごと、業務目的ごとにネットワークを分割することが可能。またネットワークごとに帯域制限を行い、ネットワーク混雑の影響が他に及ばないようにすることも可能です。

さまざまな業務に求められる、さまざまな要件に対応したWi-Fiソリューションを提供します。

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業務用Wi-Fiは、新しい時代環境のなか、フレキシビリティがますます求められているオフィス環境や新しい働き方を支える重要な役割を担っています。業務用Wi-Fiを活用して、安心で快適なビジネス環境を整えてみてはいかがでしょうか。