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病室や病院内に監視カメラを設置する理由は?プライバシーに関する注意事項も解説

更新日:2024/09/19
病室や病院内に監視カメラを設置する理由は?プライバシーに関する注意事項も解説
病院や病室に監視カメラを設置することによるさまざまなメリットがありますが、プライバシーの問題を含めて注意すべきことも多くあります。この記事では、病院や病室に監視カメラを設置することについて徹底的に検証し、さらに活用事例も紹介します。監視カメラ設置の参考にしてください。
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病院に監視カメラを設置するメリットとは?

患者さんの容態を確認できる

病院や病室に監視カメラを設置すれば、離れたところからでも患者さんの容態を確認できます。
コロナウイルスの蔓延はまだ記憶に新しいところですが、感染症が流行すると病院スタッフと患者さんの接触を減らすことになります。
そうなると、患者さんの容態をいかに把握するかが課題になります。
その課題を解決してくれるのが監視カメラです。
スタッフと患者さんが接触しなくても、様子をリアルタイムで確認できるようになるでしょう。

不審人物の侵入を察知できる

病院や病室には見舞い客を含めて、多くの人が出入りできるようになっています。
関係者は問題ありませんが、注意しなければならないのが不審人物です。
病室の中の人に危害を与えようとする人、病院から物を盗もうとする人など、危ない人物がいるかもしれません。
そのような不審人物が病院や病室に出入りしていないかを察知するときに、監視カメラが役に立つことがあります。

不審人物が警戒して、入りにくくなる

病院や病室に監視カメラが設置されていると、不審人物は警戒します。
この病院に入ったら、正体が明らかになって通報されるのではと不安にもなるでしょう。
つまり、不審人物の侵入抑止効果が得られるのです。
監視カメラの設置により、不審人物に威圧感を与えて、無断侵入させないようにすることができます。

事故防止になる

病院や病室で事故が起きることは避けなければなりませんが、発生をゼロにすることは残念ながらできません。そんなときに役立つのも監視カメラです。
病院内や病室内に異常がないか点検し、異常があれば早急に対処できます。
病院内ではスタッフも注意していますが、全ての事態を予想することはできません。
患者さんがどこかで転倒して起き上がれない、といった事態が起こったとき、目が行き届きにくい場所だと発見が遅れてしまいます。
そこで活用したいのが監視カメラです。
あちこちに設置しておけば、何らかの事故が起きたときに早く気づくことができ、適切に対処できます。

薬品や備品の盗難防止になる

病院には一般の薬局では手に入らない薬品、備品などが置いてあります。そういったものを盗もうとする人がいます。
また盗んで転売し、儲けようと考える人もいます。
各病院でも厳重な管理はしていますが、ここでも監視カメラが威力を発揮します。
薬品や備品を盗もうとする人がいたときには、監視カメラが犯人を捕縛するのに役立ちます。
警察が捜査するときも、監視カメラの情報を提供することができます。

カルテの改ざん防止になる

監視カメラがあることで、何者かによるカルテの改ざんを抑止できます。
監視カメラの設置によって、侵入しようとする人物の行動を詳細に撮影・記録できるため、監視カメラがついているだけで侵入を諦めるケースが多いのです。
カメラがないとセキュリティが弱くなるため、カルテ改ざんを行うために侵入しようとする人物が出てくる可能性があります。
改ざんを抑止するためにも、カルテ室への監視カメラ設置は必須といえるでしょう。

病院の監視カメラはプライバシーの侵害の対象になることも

プライバシーの侵害が認められる例

病院や病室に監視カメラを設置すると、音声や画像から個人の特徴を読み取ることができます。
顔や体つきだけでなく、氏名や住所・職業・収入・婚姻状況・家族・病歴・通院歴・入院歴などの情報まで把握できてしまうことがあります。
個人情報が、筒抜けで漏れてしまう状況ともいえるでしょう。
仮に監視カメラの画像にぼかしなどが入っていても、他の情報と組み合わせて個人が特定されることもあります。
監視カメラを扱っているスタッフには高い倫理観が求められますが、次のような撮影や公開をするとプライバシーの侵害に問われる恐れがあります。

  • 私生活に関する撮影をする、あるいは公開をする
  • これまで他人が知らなかった個人の内なる情報を撮影する、あるいは公開する
  • 撮影される人が「公開したくない」「公開されるのが怖い」と思う情報を公開する

監視カメラの利用でプライバシーの侵害が認められると、後で問題が生じます。

プライバシーの侵害が認められた場合

監視カメラの画像や音声でプライバシー侵害を受けたと思った人が、損害賠償を請求することがあります。
そこでプライバシー侵害が認められると、慰謝料を支払わなければなりません。
お金の問題だけではなく、名誉毀損ということになれば刑事罰も科され、信頼を大きく損なうことになるでしょう。
病院や病室に監視カメラを設置すること自体は違法ではありませんが、各個人のプライバシーに深く関係することは確かです。
映像や音声の取得だけでも、問題視する人もいます。
それだけに、監視カメラの設置は非常に難しい問題を孕んでいるといえます。

病院に監視カメラを設置する際に配慮すべきポイント

来院者のプライバシー保護

病院や病室への監視カメラの設置では、まず来院者(患者さん)のプライバシー保護が求められます。
通院や入院していることを、他人に知られたくないと思っている人もいます。
診察時に衣服を脱ぐときなどには、当然監視カメラに映りたくないものです。
そこで病院側としては、次のような対策を講じておく必要があります。

  • 監視カメラで撮影する映像は、防犯や安全管理、臨床研究などの目的以外では利用しないことを周知する
  • 監視カメラで取得した映像データの取り扱いや保管にあたっては個人情報保護方針に従う旨を定め、周知する
  • 病室内に監視カメラを設置してあることやカメラに関する取り決めを入院申込書などの書類に記載しておく。そのうえで、入院患者やその家族・親族に対して事前に同意を得ておく

職員のプライバシー保護

監視カメラで撮影する対象は、来院者だけではありません。
病院職員の動きも監視します。
そのため医師や看護師、事務員など病院職員に対するプライバシー保護も考えておく必要があります。
対策としては、監視カメラの設置を事前に通知しておく、更衣室や休憩室など必要のない場所への設置は控える、監視カメラの映像で労働評価などをしないなどがあります。

病院の監視カメラの活用例

病院の監視カメラの活用例

病院荒らし対策

病院やクリニックにはお金がたくさんあるだろうと考え、窃盗を働く人がいます。
中には何件もの病院に侵入し、荒らす人もいます。
そのような病院荒らし対策として、監視カメラを設置している例も多くあります。
病院荒らしには監視カメラ以外の対策も必要になりますが、監視カメラの設置は最低条件です。
病院内の目の届きにくい場所、貴重品を扱っている場所、被害に遭いそうな場所に監視カメラを設置する必要があるでしょう。

受付・会計窓口でのトラブル対策

病院でトラブルが起きそうな場所の1つに、受付や会計窓口があります。
受付や会計窓口では、来院者からの不当なクレーム・暴言などを受けることもあります。また、金銭のやりとりにおけるトラブルが発生することがあります。
さらに来院者の問題だけでなく、職員が金銭を横領するという事件が発生したこともありました。
そのような各種トラブルに対処するために、監視カメラを設置している例があります。
トラブルが起きたときに、監視カメラの客観的な映像で状況を正確に把握して対処するためです。

待合室でのトラブル対策

病院の待合室で、トラブルが起きることもあります。
待合室には不特定多数の人が出入りするために、来院者同士で接触が起こることもあります。
また居眠りをしたり忘れ物をしたりした際に、置き引きされるケースもあるでしょう。
そのようなトラブル発生時のために、監視カメラを設置している例があります。
監視カメラの映像でトラブルの原因を見極め、適切な対応をするためです。

薬品庫からの無断持ち出し対策

病院の薬品庫には劇薬や睡眠薬、高価な薬、普通では手に入りにくい薬、麻薬などさまざまな薬が置いてあります。
そのような薬を持ち出して、転売や犯罪に利用しようとする人もいます。
しかし病院としては、犯罪目的や転売目的で薬が利用されることを絶対に防がなければなりません。
薬の無断持ち出しを監視するために、監視カメラを設置している例があります。

新人医師・研修医の教育

新人医師・研修医の教育のために、監視カメラを活用している病院の例もあります。
診療室などにカメラを設置し、新人医師・研修医と患者さんとのコミュニケーション状況や説明の仕方などを確認し、問題がないかチェックして指導するためです。

業務効率化

業務効率化に監視カメラを活用している病院の例もあります。
監視カメラの映像があれば、病院全体の状況把握が可能です。
直接出向かなくても移動する患者さんやスタッフの場所が分かり、誰がどこにいるかをつかめるため、人を探す手間が不要になります。
余計な業務が発生しなくなる分、業務が効率化するでしょう。

クリニックや歯科医院での活用例もある

監視カメラを導入しているのは、大病院だけではありません。
小規模クリニックや歯科医院、薬局なども活用している例はたくさんあります。
病院荒しや各種トラブルが発生するのは大病院だけではありません。小規模クリニックでも歯科医院でも、薬局でも起こりえます。
それだけに、それぞれの施設で監視カメラの必要性が高まっています。

病院内に監視カメラを設置する際の要確認事項と注意点

防犯カメラ設置のガイドラインを確認

多くの市町村で、防犯カメラの設置のガイドラインを作成しています。
作成されている場合は必ず確認し、ガイドラインに従って監視カメラを設置しましょう。
ここでは、京都府の防犯カメラ設置ガイドラインを参照してみましょう。
ルールとして決まっているのは以下のようなことです。

  1. 設置目的:主として犯罪防止
  2. 設置場所:病院を含む
  3. 装置:画像撮影装置の他、ビデオ、DVD、ハードディスクなど画像を記録し、表示する機能を備えたカメラ

この他、防犯カメラの管理・運用に関して配慮すべき事項が7つ示されています。

防犯以外の教育や業務効率化目的で監視カメラを使用する場合は、経済産業省が策定した「カメラ画像利活用ガイドブック」を参照すれば、問題も起こりにくいでしょう。

監視カメラの設置は周知必須

病院や病室に監視カメラを設置する場合は、広く周知しなければなりません。
病室に設置するときは、患者さんが入院するときにカメラの設置目的や個人情報の取り扱いについてしっかり説明し、同意を取る必要があります。
同意を取る際は、口頭でだけでなく、入院申込書にサインしてもらう形になることが多いです。
待合室に監視カメラを設置するときは、ステッカーやプレートにその旨を記載し、掲示しておきましょう。
来院者にわかりやすいように掲示するのがポイントです。
監視カメラの対象は患者さんだけではなく病院職員も含まれますから、職員にも周知しておいてください。

監視カメラは利用目的に合わせたものを選ぶ

病院に監視カメラを設置する場合、設置場所によっても利用目的が異なるため、目的に合うカメラを選んでください。
例えば、病室に設置する監視カメラには高度なプライバシー機能が求められるため、セキュリティを重視したいところです。
24時間の見守りや夜間の侵入・盗難防止目的であれば、夜間でも撮影ができるタイプがおすすめです。
動体検知・音声検知機能が搭載されているものも効果が期待できます。

監視カメラの映像保存期間を確認

監視カメラの映像保存期間も必ず確認しましょう。
映像保存期間は2週間から1か月が目安となりますが、実際の保存可能期間は監視カメラによって異なります。
またカメラの画素数やコマ数を上げると、映像保存期間が短くなるため注意してください。
映像保存期間を長くしたい場合は、カメラの画素数やコマ数を上げすぎないようにしましょう。

病院に監視カメラを導入する際の費用相場

病院に監視カメラを設置するとなると、考えなければならないのが設置費用です。
どのくらいの相場になっているのでしょうか。
一般的な相場は、1台15〜30万円ほどです。
この費用には次のようなものが含まれます。

  • 監視カメラの購入費用
  • 監視カメラの設置工事費用
  • 初期設定費用

自治体によっては、病院の監視カメラ設置に補助金を支給しているところもあります。
病院を管轄している自治体に補助金制度があるか、まず確かめてみてください。

病院の監視カメラの選び方

設置場所に適したタイプを選ぶ

病院のどこに設置するかによって、適した監視カメラのタイプがあります。
犯罪の防止用に設置する場所には、バレット型やボックス型がおすすめです。ともにインパクトが強いタイプであり、犯罪行為を行おうとする人に対して威圧感を与え抑止効果を発揮できます。
一方で病室に設置する監視カメラは、インパクトが強すぎると患者さんが不快に思うこともあります。そういった場所にはドーム型を設置するといいでしょう。
ドーム型はさりげなく設置できて存在感も薄めですから、患者さんも気になりません。
また職員が働く場所にも、ドーム型が向いています。
職員が萎縮せずに仕事ができるようになります。

コストで選ぶ

病院に監視カメラを設置する場合、課題になるのは導入コストです。
どのくらいのコストをかけられるかは、各病院でも異なります。しかしあまりコストを抑えすぎると、画質が悪かったり機能が不足したりといった問題が生じます。
一方、コストが高すぎれば機能は豊富になりますが、費用負担が大きくなります。
実際に導入を検討する場合は、複数社から相見積もりを取り、どのくらいの費用になるか、機能はどうなっているかを比較したうえで選びましょう。

データの保存方法で選ぶ

監視カメラによってデータの保存方法が異なりますが、その方法で病院用の監視カメラを選定することもできます。
まずハードディスクにデータを保存するタイプでは、大容量なものが必要になります。容量不足だと、後でハードディスクを増設しなければならなくなることがあります。
ただし、利用に当たって必要なのはハードディスク購入費だけで、月額費用は発生しないのがメリットです。
クラウドにデータを保存するタイプでは、月々の利用料はかかりますが、セキュリティをプロバイダーに任せることができて安心です。またバックアップとして使えるのも利点です。

病室・病院内に監視カメラを設置するならパナソニックEWネットワークスへご相談ください

病院・病室内に監視カメラを設置するなら、パナソニックEWネットワークスにご相談ください。
パナソニックEWネットワークスでは、設計から施工、データ分析・運用、保守・メンテナンスまで徹底サポートいたします。
お客さま目線に立ち、真摯に柔軟に課題に取り組み、対話を続け、最適な答えを見つけ出していきます。
提供している監視カメラは高品質で、使いやすさも抜群です。
豊富なラインナップから、病院にぴったりの製品をご提案します。

病院への監視カメラの設置を検討するならしっかりと

この記事では、病院や病室に設置する監視カメラについて解説しました。
病院や病室に監視カメラを設置する場合、プライバシーなどの問題点もありますが、犯罪防止、患者さんの容態確認、事故防止などができるというメリットがあります。
実際の病院での監視カメラの活用例を、ぜひ検討の参考にしてください。

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