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UPS(無停電電源装置)とは?特徴や活用シーンを紹介

更新日:2022/10/14
UPS(無停電電源装置)とは?特徴や活用シーンを紹介
サーバやネットワークを稼働し続けるために、停電や電源のトラブルなどが起きた際のバックアップは欠かせません。
今回は、当社スイッチングハブと動作検証も実施しています「UPS(無停電電源装置)」について、特徴や必要性、活用シーンなどを解説します。
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UPS(無停電電源装置)とは

UPSは「Uninterruptible Power Systems」の頭文字で、一言でいえば、停電や電源のトラブルなどが起きた際にも電力を供給し続け、企業の基幹システムを支えているサーバやネットワーク機器などを動かし続けるための装置です。金融機関や行政機関のシステム、病院、データセンター、さらには半導体製造に代表される精密加工の工場など、コンピュータ機器はもちろん、停止することが許されない機器や装置など、さまざまな分野の重要なシステムには欠かせないものです。

UPSは一般的なオフィスや家庭ではあまり馴染みがありませんが、電源コードのついたバッテリーのようなものです。通常時は、電源からUPSにつながれた機器に電気をそのまま送り、同時にバッテリーに電気を蓄えます。停電などが発生すると、瞬時にバッテリーから電気を送り、コンピュータ機器などの稼働を維持します。

UPSに似た装置として、非常用発電機があります。UPSは停電が起きると瞬時にバッテリーからの給電に切り替え、システムの停止を防ぎます。一方、非常用発電機は動き出すまでに時間がかかります。そのかわり、UPSに比べて長時間の稼働が可能です。クリティカルなシステムはUPSと非常用発電機を組み合わせて停電や電源トラブルから守ることが重要になります。

UPSの必要性

日本ではこれまで停電がもたらす影響はあまり意識されてきませんでしたが、昨今では自然災害やコロナ禍による電力事情などから、以前と比べると停電の影響を受けやすくなっています。ポータブル電源の需要やハイブリッド車を電源として活用するなど、電源への意識はこれまで以上に高まっています。

ですが実は、クリティカルなシステムを運用する人にとっては、停電はきわめて日常的な課題でした。電力会社は1分以上送電が止まることを「停電」と呼んでいますが、それ以外に、ごく短時間送電が停止することを「瞬停」、最大0.2秒電圧が低下することを「瞬低(瞬時電圧低下)」と定義しています。1分を超える停電は珍しいことでも、瞬停や瞬低は、大雨や落雷などをはじめ、送電線の点検や工事、あるいは周囲の電力使用状況によって発生します。

瞬停や瞬低は、一般的な電気製品には大きな影響はありませんが、コンピュータシステムはもちろん、自動化が進んだ最先端工場やミクロン単位の精度が求められる半導体製造などには大きな影響を与えます。製造ラインが停止したり、加工の精度が落ちて大きなロスにつながることがあるのです。

UPSは予期せぬ電源トラブルからクリティカルなシステムを守ると同時に、精緻なシステムの安定稼働を支えるために欠かせないものになっています。

UPSの活用シーンを紹介

UPSは、我々の生活を支えるさまざまな場面で活用されています。いくつか見ていきましょう。

ITシステム

コンピュータやネットワーク機器で構成されるITシステムは、24時間・365日、安定して稼働することが求められています。一般的な企業の業務システムはもちろん、多くのユーザーが使っているメールサービスや動画配信サービス、さまざまなクラウドサービスも停止は許されません。

金融機関

金融機関にもUPSは必須。金融機関のシステムが停電で停止してしまうと、窓口業務はもちろん、ATMやインターネットバンキングなども止まってしまいます。そのため銀行・証券などの金融機関では、データセンターに複数のUPSを導入しています。

医療機関

医療機関にはクリティカルな機器やシステムが多数導入されています。さらに電子カルテシステムの普及によりネットワーク通信の安定稼働の必要性が高まっています。基幹システム側の電源バックアップはもちろん、これからは端末側まで電源のバックアップが当たり前になるかもしれません。

製造現場

医療機関だけでなく、医療機関で使用するさまざまな器具の製造現場やワクチンなど医薬品の製造現場は、きわめて高品質な製造環境が求められます。停電や瞬停・瞬低は、製造ラインを完全に止めることはなくても、そうした高品質な製造環境の維持に影響を及ぼします。

半導体製造の現場でも、製造機器はきわめてデリケートな環境で稼働しており、電気の安定供給は必須となっています。

エッジまでUPSで電源バックアップ
無停電ネットワークを

UPSを含むシステムのご提案はもちろん、PoE給電スイッチングハブなどエッジスイッチの電源バックアップニーズも増えてきています。
PoE電源をUPSでバックアップすることで、停電時の監視カメラや無線LANアクセスポイントへの給電を可能にしBCP対策強化へ貢献します。
1Uタイプの薄型UPSもご提案可能ですのでご相談ください。

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