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DACケーブルの種類とは?必要性やメリット・デメリット、注意点などを徹底解説

更新日:2022/12/26
DACケーブルの種類とは?必要性やメリット・デメリット、注意点などを徹底解説
DACケーブルは、データセンター内の配線に使われる光ファイバケーブルと同じ規格のコネクタを使い、ケーブルに銅線を使ったもの。スイッチからサーバなど短い距離の配線であれば、高価な光ファイバケーブルを置き換えることができます。ここではDACケーブルの概要、その必要性、DACケーブルの種類、DACケーブルを選ぶ際のポイントなどを取り上げます。
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DACケーブルとは

DACケーブルは「Direct Attach Cable」の頭文字で「直接接続ケーブル」「直接銅ケーブル」、あるいは単に「高速ケーブル」などと呼ばれることもあります。DACケーブルは、両端に「SFP」「QSFP」などのコネクタが付いた銅線ケーブルです。SFP、QSFPはもともと、光ファイバを通信機器に接続するためのコネクタ規格。つまり、DACケーブルは光ファイバケーブルの光ファイバ部分を銅線に置き換えたものといえます。

DACケーブルの必要性とは

大規模なデータセンターはもちろん、金融機関などの企業が自社に設置したサーバルームなどでは、膨大な数のケーブルが使用されます。すべてのケーブルをつなぎ合わせると、総延長は数km、規模によっては数十kmに及ぶかもしれません。そして膨大な量のケーブルを使用するからこそ、ケーブルの容量(スピード)とコストが重要な課題になってきます。

いまやエンドユーザが使用するLANケーブル(イーサネットケーブル)でも1Gbpsは当たり前になっており、データセンターやサーバルーム、あるいは企業のネットワークの基幹部分では、大容量のトラフィックに高い信頼性で安定的に対応するために光ファイバケーブルが使われています。

光ファイバケーブルは、10Gbps、40Gbps、さらには100Gbpsという超高速な通信速度に対応しており、データセンターや企業ネットワークの基幹部分の配線には不可欠です。

しかし問題は、コストがかかることです。超高速な通信速度に対応していますが、コストが高いことが光ファイバケーブルのデメリットで、例えば、データセンター内のすべての配線に使用するわけにはいきません。

DACケーブルは、そうした光ファイバケーブルのデメリットを一部カバーできるケーブルです。前述したように、DACケーブルは、光ファイバケーブルのケーブル部分を銅線に置き換えたものです。光ファイバのような超高速かつ長距離の通信には対応できませんが、データセンター内でラック内のスイッチとサーバを接続したり、隣接するラック間での接続に使うなど、1m〜10m程度までの非常に短い距離の配線に使用することができます。

ラック内などの短い距離の配線にDACケーブルを使用することで、最適なネットワークパフォーマンスとコストパフォーマンスを実現できます。

DACケーブルの種類

DACケーブルは、銅線と光ファイバを通信機器に接続するためのコネクタを組み合わせたものです。光ファイバのコネクタには、SFP、SFP+、SFP28、QSFP、QSFP+、QSFP28などの種類があります。SFPは1Gbps、SFP+は10Gbps、SFP28は25Gbpsに対応しています。QSFPは、「クワッド(4つの)SFP」という意味で、4つのSFPを1つにまとめたものです。QSFPは4Gpbs、QSFP+は40Gpbs、QSFP28は100Gpbsに対応しています。ケーブルの片方にQSFP、もう片方に4つのSFPを取り付け、帯域を4つに分割するような使い方も可能です。

パッシブDACとアクティブDAC

DACケーブルは、コネクタ部分に信号処理のための回路が組み込まれているものと、いないものがあります。組み込まれていないものがパッシブDACケーブル、組み込まれているものがアクティブDACケーブルです。

パッシブDACケーブルは回路が組み込まれておらず、最大5m程度の配線に対応しています。アクティブDACケーブルは回路が組み込まれており、最大10m程度の配線に対応しています。

パナソニックEWネットワークスは、以下のDACケーブルを取り揃えています。

  • 1m 40Gダイレクトアタッチケーブル
  • 2m 40Gダイレクトアタッチケーブル(受注生産品)
  • SFP+ダイレクトアタッチケーブル1m(受注生産品)
  • SFP+ダイレクトアタッチケーブル5m(受注生産品)

併せて覚えたいケーブルの種類

併せて覚えたいケーブルの種類

DACケーブルは、光ファイバケーブルの光ファイバ部分を銅線に置き換えたものですが、光ファイバを使ったものが「AOC(Active Optical Cable)ケーブル」です。「アクティブ光ケーブル」とも呼ばれます。

スイッチやサーバなどコンピュータネットワークの中を流れるのは電気信号です。一方、光ファイバの中を流れるのは光。AOCケーブルは光ファイバの両端に、電気信号を光信号に、そして光信号を電気信号に変換するコネクタを取り付けたものです。主にデータセンター内の配線に使われていますが、最近では業務用映像機器や産業用ロボット、医療機器等の配線に活用する動きが広がっています。

DACケーブルを選ぶ際に注意するポイントとは

短い距離の配線であれば、光ファイバケーブルを置き換えることができ、コストパフォーマンスに優れたDACケーブル。DACケーブルを選ぶ際の注意点は以下のとおりです。

ポイント①長さ

従来使われているLANケーブルは、ケーブルとコネクタを用意し、ケーブルカッターと圧着工具を使えば、必要な長さのものを準備することができました。DACケーブルは長さを調整することはできません。必要な長さのDACケーブルをメーカから購入しなければなりません。

ポイント②対応距離

DACケーブルが使用できる距離は、使用条件やデータ転送量などによって変わりますが、パッシブDACケーブルが最大5m程度、アクティブDACケーブルが最大10m程度です。距離が長くなると不安定になる恐れがあります。

ポイント③柔軟性

DACケーブルは、従来のLANケーブルと比べるとケーブルが太くて固く、曲げ半径が定められています。取り回しは従来のLANケーブルよりもデリケートになります。

DACケーブルとAOCケーブルで効率的な配線を

データセンターやネットワークの基幹部分では、光ファイバを使ったAOCケーブルの利用が進んでいます。しかしAOCケーブルは高価というデメリットがあります。AOCケーブルと同じ光コネクタを使い、コストパフォーマンスに優れた銅線を使ったDACケーブルは短い距離に限られますが、AOCケーブルを置き換えることができます。DACケーブルとAOCケーブルを適材適所でうまく使い分けてください。

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