パナソニック・ホーム パナソニックEWネットワークス > プロダクト > コラム一覧 > PoEスイッチとは?仕組みや導入メリットなどを徹底解説!

プロダクト関連

PoEスイッチとは?仕組みや導入メリットなどを徹底解説!

更新日:2022/10/21
PoEスイッチとは?仕組みや導入メリットなどを徹底解説!
PoEスイッチとは、イーサネットケーブルを介して電力を供給する機能「Power over Ethernet(パワー・オーバー・イーサネット)」に対応したスイッチングハブのこと。電源が確保できない場所でも、PoEスイッチを使えば、IPカメラやIP電話を設置できます。ここでは、PoEスイッチの種類、使用用途、簡単な歴史、仕組み、導入メリットなどを紹介します。
法人のお客様向け

スイッチングハブ、ネットワークシステム構築に関するお問い合わせはこちら

PoEスイッチとは?

PoEスイッチとは、PoE(Power over Ethernet:パワー・オーバー・イーサネット)に対応したスイッチングハブのこと。つまり、PoE給電スイッチングハブのことです。

PoEはイーサネットケーブルを介して通信データに加えて、電力を供給する技術のことで、PoEスイッチとは、ネットワーク構築に欠かせないスイッチングハブの中で、特にイーサネットケーブルを介して接続している対応機器に電力を供給する「給電機能」を備えたスイッチングハブをいいます。

PoEスイッチを使うと、例えば監視用・防犯用にIPカメラ(ネットワークカメラ)を設置する場合、入口の上や天井といった電源の確保が難しい場所でもイーサネットケーブルだけでIPカメラを設置することができます。

さまざまなPoEスイッチの違い

PoEスイッチには、規格や機能によっていくつかの種類があります。それぞれ見ていきましょう。

アンマネージドPoEスイッチとマネージドPoEスイッチの違い

アンマネージド/マネージドは、PoEスイッチに限ったことではなく、スイッチ(スイッチングハブ)全般の違いを表す言葉です。

アンマネージドスイッチは、管理や設定が不要なスイッチでイーサネットケーブルを挿せば使えるもの。基本的にはネットワークの末端側に使われ、オフィスのデスクまわりや会議室など、イーサネットの接続ポートが複数必要な場所に使われます。家庭用のスイッチもほぼアンマネージドスイッチです。

マネージドスイッチはその逆。もちろんイーサネットケーブルを接続するだけでも使用できますが、高度な管理機能や拡張性を備え、さまざまな設定が可能です。マネージドスイッチは大規模ネットワークの中核部分や中〜小規模ネットワークで中心的な役割を担うコアスイッチとして使われます。

PoEスイッチとPoE+スイッチの違い

PoEは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子学会)で標準規格が定められています。PoEスイッチは、PoE規格に対応したスイッチ全体を表すこともあれば、規格としての(狭義の)PoEに対応したスイッチを指すこともあります。

PoEは、2003年に「IEEE 802.3af」として標準化され、この規格に対応したものが、PoEスイッチです。

その後、機能の強化とともに、2009年には「PoE+(IEEE 802.3at)」、2018年には「PoE++(IEEE802.3bt)」が標準化されました。PoE+に対応したものがPoE+スイッチ、PoE++に対応したものがPoE++スイッチです。主な違いは給電能力が高くなったことで、大きな消費電力を必要とする機器にも対応できるようになりました。

新しい規格は下位互換性を備えているため、例えば、PoE+スイッチに、PoE対応のIPカメラなどを接続できます。

PoEスイッチの使用用途は?

PoEスイッチの使用用途は?

PoEスイッチを使うと、電源の確保が難しい場所にさまざまなイーサネット対応機器を設置することができます。最も代表的な用途がIPカメラ(ネットワークカメラ)です。防犯用・監視用にネットワークカメラを設置する場合、エントランスの上部や天井など、設置場所には必ずしも電源が確保されているわけではありません。その際、電源工事を行うとなるとコストがかかります。

PoEスイッチとPoE対応のIPカメラを使えば、イーサネットケーブルだけで設置が可能です。その他、IP電話をオフィスや会議室などに置く場合も接続はイーサネットケーブル1本で済み、取り回しや管理が簡単になり、省力化・運用の低コスト化につながります。

通常のスイッチングハブとどう違うのか

PoEスイッチは、通常のスイッチの機能に加えて、イーサネットケーブルを介して接続された各機器に電力を供給する機能(給電機能)を備えています。PoEは、IEEEで規格が定められているため、PoEスイッチにはPoE対応の機器であれば、IPカメラ(ネットワークカメラ)やIP電話などをメーカの壁を超えて接続でき、イーサネットでの通信はもちろん、PoEによる電力供給を行うことができます。

PoEスイッチなど電力を給電する機器を「PSE(Power Sourcing Equipment)、電力を受電する機器を「PD(Powerd Device)」と呼びます。

PoEスイッチの歴史

PoEスイッチ規格の検討がIEEEで始まったのは1999年頃。Webカメラやアクセスポイントなどをイーサネットケーブルのみで動作させることが目的でした。2003年6月にPoEは正式に「IEEE 802.3af」として標準化され、規格に則ったPoEスイッチや対応機器が登場しました。当初、PoEスイッチの最大供給電力は15.4Wで、接続される機器には主にIPカメラ(ネットワークカメラ)やIP電話が想定されていました。

その後、2009年には給電能力を30Wに向上させた「PoE+(IEEE 802.3at)」が、2018年には90Wまで向上させた「PoE++(IEEE802.3bt)」が登場。デジタルサイネージのような消費電力の大きな機器も接続可能になっています。

PoEスイッチの仕組み・原理

現在、一般的に使われているイーサネットケーブルの中には、8本の細いコード(信号線)が入っています。PoEは、この信号線を使って通信と同時に電力供給を行います。PoEとPoE+では、8本のうち4本の信号線を、PoE++では8本すべての信号線を電力供給に使用します。

PoEスイッチの「アクティブ」「パッシブ」とは?

アクティブPoEは、IEEEで定められた規格に準拠したPoEのことで、標準PoEとも呼ばれます。アクティブPoEは、接続されている機器(PD)に電力を供給する前にPDが正式な規格に対応している機器がどうかをチェックします。対応していない機器には電力供給を行いません。

一方、パッシブPoEはIEEEに準拠しておらず、電力供給前のチェックなどは行いません。メリットは安価なことですが、無条件に電力を供給するため、場合によっては接続された端末が損傷する可能性があります。

PoEパススルーとは?

PoEパススルーとは、給電された電力を受け取り、中継してPDに給電する機能です。給電元となるPoEスイッチにPoEパススルーに対応したスイッチを接続して電力を中継すると、電力供給の距離を伸ばすことができます。PoEでは規格上、最大100mの通信と給電が可能ですが、PoEパススルーを活用すれば100m以上の通信・給電が可能になります。

PoEスイッチに関するお問い合わせはこちら

パナソニックEWネットワークスは、オフィス・学校・工場などお客様環境やニーズに合わせ、スイッチングハブの機器選定-ネットワーク構築-保守に至るまでトータルでサポート。PoE対応スイッチは、高温環境対応モデルや雷サージ耐性強化モデル、ファンレスモデルなど、さまざまな環境で安定した通信を確保できるラインナップを揃えています。PoE対応スイッチに関するお問い合わせはこちら。

関連情報はこちら

PoEスイッチを活用して効率化・運用コスト削減

IPカメラやIP電話などに電力を供給できるPoEスイッチ。イーサネットケーブルのみでIPカメラやIP電話を運用できるため、管理を効率化でき、運用コストを削減することができます。イベント開催時にIPカメラや無線アクセスポイントを一時的に設置する際も簡単に設置できます。PoEスイッチのメリットを理解し、運用の効率化・コスト削減にPoEスイッチをぜひご活用ください。

関連記事はこちら