くるまの保険のコラム

くるまの保険のコラム 2025年3月号

 生活道路は、交通法令において明確に定義されているわけではありませんが、一般的にはセンターラインのない道路のことをいいます。このような道路では、通行する主体が自動車ではなく、歩行者や自転車といえます。そこで今回は、生活道路走行時の注意点をまとめてみました 。

歩行者に対する注意点

 生活道路の多くは、歩道が設けられていません。道路交通法では、歩車道の区別がない道路で歩行者の側方を通過するときは、歩行者との間に安全な間隔をあけるか、それができないときは徐行することが義務づけられてます。安全な間隔がどの程度かについては特に法令で明示されてはいませんが、1メートル以上というのが一般的な解釈です。
 ただ、後方から歩行者に接近する場合、歩行者は車の接近に気づかず急に進路を変えることもあります。また、対面で歩行者に接近する場合でも、歩行者がスマートフォンを操作している場合は車に気づいていないこともありますので、そのような場合には、できるだけ徐行するようにしましょう。

歩行者に対する注意点

自転車に対する注意点

 生活道路で自転車の側方を通過するときも、安全な間隔をとるか徐行する必要がありますが、特にスマートフォンなどを操作している自転車や傘をさして走行する自転車(いずれも違反行為)は、ほとんど周囲の状況が見えていないため、側方通過時は徐行しましょう。
 また、次のような自転車は不安定で急にふらつくことがありますので、側方通過時には徐行しましょう。
・高齢者の乗った自転車
・子どもを乗せた二人乗りや三人乗りの自転車
・前カゴや荷台に大きな荷物を載せている自転車
 なお、生活道路の中には一方通行の規制がかかった道路も少なくありませんが、自転車は一方通行の規制の対象から外されていることがあります。したがって、幹線道路などから一方通行路に進入する際、車が出てくることはないと油断して安全確認を怠ると、自転車が出てきて事故につながることがありますので、一方通行路に進入する際は、一方通行路の状況を十分に確認しましょう。

自転車に対する注意点

交差点走行時の注意点

 生活道路には小さな交差点がたくさんありますが、その大半は信号が設置されていません。しかも、多くの場合、見通しの悪い交差点となっています。道路標識や標示に注意して、一時停止が義務づけられた場所では、必ず一時停止して安全確認を行いましょう。一時停止が義務づけられていない場所でも、左右の見通しのきかない場所では徐行が義務づけられていますので、徐行して安全を確認しましょう。また、生活道路には気づきにくい丁字路がいくつもあります。丁字路の示す道路標識に注意して見落とさないようにしましょう。

交差点走行時の注意点

スクールゾーン走行時の注意点

 スクールゾーンとは、登下校する子どもたちの安全を確保するために設けられているもので、道路標識や路面標示などで明示されています。走行速度も時速30キロメートル以下に規制されている場合が多く、場所によっては登下校の時間帯は車両通行止めの規制がなされていることもあります。したがって、道路標識などに十分注意する必要がありますが、望ましいのは車両通行止めの規制の有無にかかわらず、登下校時間帯のスクールゾーンの走行は避けることです。
 ただ、やむを得ない事情で車両通行止めの規制がないスクールゾーンを走行するときは、子どもたちの動きに十分に注意します。登下校中の子どもたちはふざけあって急に道路の中央に出てくることがありますので、いつでも停止できるよう徐行して走行しましょう。

スクールゾーン走行時の注意点

「ゾーン30」走行時の注意点

 生活道路の中には「ゾーン30」に指定されている区域があります。「ゾーン30」とは、歩行者や自転車の安全を確保するために、最高速度を時速30キロメートルに規制した区域のことで、「ゾーン30」の入口には、区域の始まりを示す道路標識などが設置されています。
  「ゾーン30」の目的の一つに「抜け道として通行することの抑制や排除」がありますので、区域の居住者以外はできるだけ「ゾーン30」の通行を避けるようにましょう。 なお、「ゾーン30」の中には、道路標識により、居住車両以外の車両は通行禁止となっている区域がありますので注意が必要です。

ゾーン30」走行時の注意点

※イラストの二次利用はご遠慮願います

〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ

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