くるまの保険のコラム

くるまの保険のコラム 2020年9月号

2020年
9月号

 歩行者のなかでも、とりわけドライバーが注意しなければならないのは子どもと高齢者です。そこで今回は、子どもと高齢者の行動特性や事故から守るためのポイントをまとめてみました。

子どもとの事故防止

こんなときの子どもは赤信号

 子どもは基本的に自分中心であり、周囲の状況に注意を払わず行動するという特性があり、それが「飛出し」などの行動につながることがあります。
 特に次のようなときは、子どもの動きに十分な注意が必要です。

数人で歩いているとき

 子どもが数人で歩いているときは、ふざけあっていきなり車道に飛び出してくることがあります。

こんなときの子どもは赤信号
歩きながらゲームをしているとき

 ゲーム画面に視線も意識も集中しているため、特に歩車道の区別のない道路では、道路の中央に寄ってきたり、交差点では信号に気づかず赤信号で横断してくることがあります。

スケートボードで遊んでいるとき

 スケートボードは、かなりスピードが出るため、子どもでは制御しきれないことがあり、たとえ車に気づいても避けることができないことがあります。また、バランスを崩して転倒することもあります。

親と一緒にいても手をつないでいないとき

 親と一緒にいる子どもは安心感から、かえって危険な行動をとりやすいと言われており、手をつないでいないときは、急に車道に出てくることがあります。

こんなときの子どもは赤信号

子どもを事故から守るために

 子どもとの事故を防止するために、特に次の点を心がけましょう。

保育園や幼稚園、小学校など子どもの多い場所を
 
走行するときは、あらかじめスピードを落としま
 
しょう。

通学路の走行はできるかぎり避けましょう。

上記の「こんなときの子どもは赤信号」に該当する
 
ような場合は、いつでも停止できる速度に落とすと
 
ともに、子どもの動きから目を離さないようにしま
 
しょう。

子どもを事故から守るために

高齢者との事故防止

高齢者が事故に遭いやすい要因

高齢者が事故に遭いやすい要因

 交通事故による歩行中の死者の多くは、65歳以上の高齢者です。高齢者の歩行中の死亡事故の大半は横断中に発生しており、車が接近しているにもかかわらず横断してくることが少なくありません。
 その主な要因としては、次のような高齢者の行動特性があげられます。

  • ・高齢者は視力が低下し、耳も遠くなって車の音
     
    も聞こえないことがあるため、車の接近に気づ
     
    きにくい。特に薄暮時にヘッドライトを点灯し
     
    ていない車は気づきにくい。
  • ・歩く速度が遅いため、青信号で横断を始めても
     
    途中で赤信号になることがある。
  • ・振り返るなどの動作が困難な人もいるので、道路
     
    の状況を確認せずに横断してくることがある。
  • ・車のほうが止まってくれると考えて横断してく
     
    ることがある。

高齢者との事故多発パターン

 高齢歩行者は走行車両の直前や直後の横断による事故が多いという特徴があります。また、横断の前半よりも後半に事故に遭うことが多いとされています。したがって、右図のように対向車の通過直後に道路の反対側から横断してくる高齢者には十分な注意が必要です。

高齢者との事故多発パターン

高齢者を事故から守るために

 高齢者を事故から守るために、特に次のような点を心がけましょう。

自車線側だけでなく、対向車線側の道路脇にも目を
 
向けて、横断しそうな高齢者がいないかどうかを
 
確認しましょう。特に対向車がある場合は、高齢者
 
が隠されてしまい発見が遅れることがありますか
 
ら、早めの発見に努めましょう。

道路脇に高齢者を見かけたら、横断してくるかもし
 
れないと考えスピードを落とし、高齢者の動きに注
 
意しましょう。

高齢者が横断を始めたときには、横断歩道のない場
 
所でも一時停止や徐行をして先に横断させるように
 
しましょう。

薄暮時は車に気づきにくいので、早めにヘッドライ
 
トを点灯して自車を目立たせましょう。

高齢者は信号が変わっても横断しきれない場合があ
 
りますから、青に変わって先頭車両で発進していく
 
ときは、必ず渡り遅れた高齢者がいないかどうかを
 
確認しましょう。

高齢者との事故多発パターン

※イラストの二次利用はご遠慮願います

〔制作〕MS&ADインターリスク総研株式会社 リクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ

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