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工場ネットワークセキュリティが求められている背景と導入のステップを解説

更新日:2024/06/20
工場ネットワークセキュリティが求められている背景と導入のステップを解説
近年、工場ネットワークセキュリティの重要性が増しています。この記事では工場ネットワークセキュリティが必要な理由や背景、具体的な導入手順について解説します。製造業におけるデジタル化とサイバー攻撃の脅威が高まる中で、適切なセキュリティ対策の重要性と、その導入方法を見ていきましょう。
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工場にネットワークセキュリティが求められている背景とは

現代の製造業はデジタル化とネットワーク化が進み、効率と生産性の向上を目指しています。しかしこれに伴い、工場におけるネットワークセキュリティの重要性がますます高まっています。

サイバー攻撃の増加

サイバー攻撃によって生産ラインが停止したり、知的財産が盗まれたりするリスクが高まっているため、セキュリティ対策が必要不可欠となっています。製造業のデジタル化が進むにつれ、サイバー犯罪者にとって魅力的な標的が増えている現状があります。

ITとOTの統合

工場内では情報技術(IT)と運用技術(OT)の統合が進んでおり、製造プロセスの効率化やデータ分析による生産性向上が期待されます。しかし同時に、セキュリティの脅威も増加しています。

産業スパイの脅威

製品の設計図や製造プロセスの詳細などが狙われやすく、これらの情報が外部に漏えいすることで企業の競争力が大きく損なわれる可能性があります。

規制とコンプライアンス

GDPR(一般データ保護規則)やNIST(米国国立標準技術研究所)のサイバーセキュリティフレームワークなどが、例として挙げられます。
これらの規制に準拠しない場合、法的な罰則や経済的なペナルティを受けるリスクがあります。
コンプライアンスを確保するためにも、適切なネットワークセキュリティ対策が不可欠です。

工場のネットワークセキュリティ導入のステップ

工場のネットワークセキュリティ導入のステップ

製造業におけるネットワークセキュリティの重要性が増す中、効果的なセキュリティ対策を導入することが欠かせません。

現状の評価とリスク分析

「現状の評価とリスク分析」のステップでは、まず工場のネットワークシステムとデータフローを把握し、潜在的な脅威や脆弱性を特定します。
過去のセキュリティインシデントや内部統制の欠陥を分析し、リスクレベルを評価します。
さらに外部の専門家によるペネトレーションテストやセキュリティ監査を実施し、見落とされがちな脆弱性を発見することが重要です。
これらの評価結果に基づき、優先度の高いリスクから対策を講じる必要があります。

セキュリティポリシーの策定

「セキュリティポリシーの策定」のステップでは、工場のビジネス目標とリスク評価結果を踏まえ、包括的なセキュリティポリシーを策定する必要があります。
ポリシーにはアクセス制御、パスワード管理、データ保護、インシデント対応手順など、さまざまな側面を網羅する必要があります。
また、関連法規や業界規格に準拠していることを確認しましょう。
ポリシーは全従業員に周知徹底し、定期的に見直しと更新を行うことが欠かせません。
明確で実行可能なポリシーを持つことで、セキュリティ意識の向上と一貫したリスク管理が可能となります。

セキュリティ対策の実装

「セキュリティ対策の実装」のステップでは、策定したポリシーに基づき、技術的および物理的な対策を講じます。
ファイアウォール、VPN、アンチウイルスソフトなどのセキュリティツールの導入、ネットワークの適切な分割、アクセス権限の厳格な管理が技術面での対策となります。
物理的な対策としては、施設のエリア制限、監視カメラの設置、記録媒体の適切な保管などがあげられます。
さらに、従業員の情報セキュリティに関する意識向上と、インシデント発生時の対応手順の周知も重要な実装項目です。
包括的な対策を確実に実行することで、リスクを最小限に抑えられます。

従業員の教育とトレーニング

「従業員の教育とトレーニング」のステップでは、ネットワークセキュリティ対策を効果的に機能させる上で不可欠な要素です。
最新のサイバー攻撃の手口や情報漏えいリスクについて、全従業員に対して定期的な研修を実施する必要があります。
eラーニングやセミナー、実践的な模擬訓練などのさまざまな手法を組み合わせることで、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めていきます。
また部門ごとの特有のリスクについて、重点的な指導を行うことも大切です。
従業員が高いセキュリティリテラシーを持つことで、人的ミスからくる脅威を最小限に抑えられるのです。

定期的な評価と改善

「定期的な評価と改善」は、ネットワークセキュリティ対策の継続的な有効性を確保するための重要なステップです。
定期的にセキュリティ監査を実施し、ポリシーや技術的対策、従業員教育などの適切性を評価します。
新たな脅威や技術の進化に伴いリスクが変化する可能性があるため、評価結果に基づきセキュリティ対策を適宜見直し、改善していく必要があります。
また、過去のインシデントにおける原因分析と対策の検証も不可欠です。
このようにPDCAサイクルを継続的に回していくことで、工場のネットワークセキュリティ対策を常に最新の状態に保てます。

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まとめ

製造業におけるデジタル化とネットワーク化の進展に伴い、工場ネットワークセキュリティの重要性が増しています。
セキュリティが求められる背景として、サイバー攻撃の増加、ITとOTの統合、産業スパイの脅威、規制とコンプライアンスの強化などがあります。
また導入ステップとして、現状評価とリスク分析、セキュリティポリシーの策定、対策の実装、従業員の教育、定期的な評価と改善などを紹介しました。
ネットワークセキュリティを強化し、持続的な工場運営を目指しましょう。

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