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統合ネットワークとは?導入例やメリット・デメリットについて徹底解説

更新日:2025/02/22
統合ネットワークとは?導入例やメリット・デメリットについて徹底解説
別々に運用されていたネットワークやシステムを一本化し、効率的かつ安全なデータ通信を実現する「統合ネットワーク」。この仕組みを構築することで、各システムが連携し、データの一元管理が可能になります。また、セキュリティ対策においてもリアルタイム監視が可能になり、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減できます。本記事では、統合ネットワークが注目されている背景やそのメリット・デメリット、導入事例などについて解説していきます。
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そもそも統合ネットワークとは?

統合ネットワークとは、それぞれ独立して運用されていた複数のネットワークやシステムを一本化することで、より効率的でセキュアなデータ通信を実現する仕組みのことです。

従来のサイロ化されたネットワーク構造では、それぞれが単独のシステムとして稼働していたため、「管理が複雑化して大変」「システムごとにリプレイス・更新のタイミングが異なり、なかなか統一化できない」といった課題がありました。こうした課題を解決できるのが統合ネットワークです。統合ネットワークを構築することで、各システムが連携して稼働するようになります。分散していたシステムが統合されることで、データ通信の効率向上、データ共有の円滑化、管理効率の向上、運用コストの削減など、様々なメリットが期待できます。

統合ネットワークが注目されている背景

統合ネットワークが注目される背景には、ビルや施設、オフィスにおけるデジタル化、IoT化の進展があります。これにより、運用効率の向上や管理コストの削減といったニーズが高まったことが大きな要因です。統合ネットワークは、今後のITインフラのスタンダードになっていくでしょう。

統合ネットワークの導入事例

統合ネットワークの導入事例

今、様々な業界・分野で、運用効率の改善、コスト削減、セキュリティ向上などを目的として統合ネットワークを構築する事例が増えています。特に注目されているのが、スマートビルや都市開発の分野です。

スマートビルにおいては、監視カメラや空調設備、照明設備、エネルギー管理システムなどを統合して運用効率を改善したいといったニーズが高まるなかで、統合ネットワークが続々と導入されています。都市開発においては、スマートシティの基盤として統合ネットワークが採用され、交通、エネルギー、水道、セキュリティなどのインフラを一元管理する仕組みが構築されています。製造業においても、生産設備やロボット、IoTセンサーなどを統合して、生産ラインを最適化する動きが盛んになっています。

導入例

従来の設備ネットワークでは、センサーシステムや映像システム、入退室管理システムなど、施設運営に関わる様々なシステムが個別に管理されており、運用が煩雑で非効率になっていました。

しかし、統合ネットワークを構築したことで、各種設備システムの一元管理が可能になり、運用効率が向上しました。また、ネットワーク統合管理ソフトウェアを導入することで、一元的にシステムを監視・操作できるようになり、管理者の負担も大幅に軽減。既存のシステムに加え、照明システム、空調システム、位置情報システムなども連携し、スマートな施設運営が可能になりました。

統合ネットワークを導入するメリット

統合ネットワークを導入するメリット

統合ネットワークを導入することで、システムの運用・管理の負担が軽減されるほか、各拠点・各システムが連携され、スムーズにデータの収集・活用ができるようになります。また、セキュリティレベルの統一・向上を図ることができるのも、統合ネットワークを導入するメリットです。こうした効果により、企業・施設全体として生産性向上やコスト削減が期待できます。統合ネットワークは、企業が持続的に成長し、競争力を高めるために欠かせないインフラだと言えます。

セキュリティレベルの統一・向上を図れる

統合ネットワークを導入することで、企業・施設はセキュリティレベルの統一・向上を図ることができます。従来は拠点ごとに独自のネットワークを構築するのが一般的で、拠点間でセキュリティレベルに差異が生じることが課題とされていました。しかし、統合ネットワークを構築することでセキュリティシステムが一本化されれば、個別管理に起因する漏れやムラが発生しにくくなり、全体としてセキュリティ対策が強化されます。

各拠点・各システムの連携を図れる

統合ネットワークを導入することで、各拠点や各システム間のシームレスな連携が実現し、システムをより効率的に運用できるようになります。従来は、拠点ごとにデータの収集・管理・分析などがおこなわれていたため、全体を統合するのに多くの時間と労力を要していました。しかし、統合ネットワークを導入することでこうしたプロセスが円滑化されます。その結果、システム全体の利便性が向上し、データの効果的な利活用が推進されるようになります。

管理負荷を軽減できる

統合ネットワークの導入によって、これまで分散していたシステムを一本化することができ、管理の負担が大幅に軽減されます。従来は拠点ごとに個別にシステムが運用されていたため、監視やトラブル対応に多くの時間を要していました。しかし、統合ネットワークを導入することでこうした負担が軽減され、よりコアな業務に集中できる環境が整います。システムの運用・管理が効率化されることで、企業・施設全体としての生産性向上も期待できるでしょう。

コスト削減につながる

従来、通信回線などの設備投資は拠点ごとにおこなわれていましたが、統合ネットワークの導入によってこうした投資が不要になれば、重複していたコストを削減することができます。また、統合ネットワークを構築することで管理・運用の負担が軽減すれば、人件費やトラブル対応にかかるコストの削減も可能です。このように、統合ネットワークの導入によって長期的なコスト削減効果が見込めるようになります。コストの最適化は、企業の持続的な成長や競争力の向上につながるでしょう。

統合ネットワークを導入するデメリット

統合ネットワークの導入によって様々なメリットが期待できる一方で、導入時には決して少なくない初期投資が必要になります。また、システムの構築・移行にともないダウンタイムが発生するリスクがあることや、トラブルが発生したときにその影響が全体に波及するリスクがあることなども認識しておくべきです。こうしたリスクを把握し、適切な運用体制を構築したうえで計画的に統合ネットワークの導入を進めていきましょう。

初期コストの負担

統合ネットワークを導入するためには、当然のことですが、初期コストが発生します。想定される初期コストは、技術基盤の整備、ハードウェアの購入、ソフトウェアの開発、専門人材の確保など、多岐にわたります。こうした初期投資が障壁になり、導入に踏み切れない企業・施設も少なくないでしょう。とはいえ、長期的に見れば、統合ネットワークの導入はシステム運用・管理の効率化や運用コストの削減、生産性の向上など、様々なメリットをもたらしてくれます。導入にあたっては、長期的な視点で費用対効果を見極めることが重要です。

ダウンタイムの発生リスク

統合ネットワークを導入する際には、ダウンタイムが発生するリスクがあることを認識しておく必要があります。新しいシステムの構築や既存システムの移行にともないダウンタイムが発生すると、企業・施設によっては稼働停止やサービス品質の低下など、業務に大きな影響が及ぶ可能性があります。このようなリスクを最小限に抑えるには、事前の計画と入念なテストが不可欠です。非稼働時間を活用した移行スケジュールの策定や、影響範囲を限定した段階的な移行など、ダウンタイムの影響を最小限に抑えるための導入方法を検討しましょう。

拠点ごとの要件の差異

統合ネットワークを導入する際、拠点ごとの要件の差異が課題になることがあります。拠点によって業務プロセスやシステム環境が大きく異なる場合、ネットワーク設計が複雑化し、統合が困難になるケースもあります。また、こうした差異が初期コストや運用コストの増加を招く可能性もあります。このような課題に対応するためには、各拠点の特性やニーズを十分に考慮し、柔軟にカスタマイズしながら最適な導入・運用方法を計画することが重要です。

トラブル発生時の全体波及リスク

統合ネットワークを導入すると、不測のトラブルが発生した際に、その影響が全体に波及するリスクがあります。たとえば、ネットワークが停止した場合、すべての業務が中断し、生産性の低下やサービス品質の低下など、深刻な影響を招く可能性があります。こうしたリスクに対応するためには、冗長性を備えたネットワーク構造や災害復旧計画の策定が不可欠です。

監視カメラの導入ならパナソニックEWネットワークス

複数のシステムが絡み合い、運用・管理の難易度が高くなっているのが、昨今の設備系ネットワークの大きな課題です。統合ネットワークを構築することで、複数のシステムを一元化でき、運用の効率化や人件費の削減など様々なメリットが期待できます。

パナソニックEWネットワークスは、ビル管理、設備更新、教育施設など、様々な分野で増加する複雑性を解消し、運営管理の効率化をサポートしています。ネットワーク機器メーカーならではの知見・ノウハウを活かし、最適な統合ネットワークをご提案いたします。

まとめ

デジタル化が進み、顧客の期待やビジネスのスピードがますます高まるなか、これまで以上に、システムの効率的な運用が求められる時代になっています。非効率なシステム運用を続けていると、業務の遅延、セキュリティリスクの増大、運用コストの増加など、様々な課題に悩まされることになりかねません。こうした課題に対応するためには、統合ネットワークの構築が不可欠です。統合ネットワークの導入により効率的なシステム運用を実現し、競争力の維持・向上を図っていきましょう。

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