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【初心者向け】無線アクセスポイントとは?役割や無線ルータとの違い、繋ぎ方を解説

更新日:2023/08/29
【初心者向け】無線アクセスポイントとは?役割や無線ルータとの違い、繋ぎ方を解説
無線AP(アクセスポイント)という機器をご存知でしょうか?インターネット環境を構築する際に必要とされるものですが、その機能や役割、無線LANルータとの違いなど、分かりづらい点が多い機器です。今回の記事では、この無線APの概要や無線LANルータとの相違点、法人向け無線APの特徴、接続方法や安全に利用する方法などを徹底的に解説していきます。
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無線AP(アクセスポイント)とは?

そもそも無線APとは、どのような機器なのでしょうか?ここでは、無線APの概要や無線LANルータとの違い、無線LANインターネットの仕組みを解説します。

無線LANルータと無線AP(アクセスポイント)の相違点とは?

無線LANルータと無線AP(アクセスポイント)の相違点とは?

無線APのAPとは、アクセスポイントの略語です。無線の電波を発する機能を持っているアクセスポイントは、パソコンやスマートフォンなどの端末間を無線接続するため、電波の発信と受信をおこなう基地局の役割を担う機器になります。基本的に、ほとんどの無線APが有線LANとの接続機能を持ち、有線LANと無線LANを相互に変換できる点も特徴です。この無線APと混合される機器が無線LANルータなのですが、アクセスポイントとルータには、機能的に大きな違いがあります。先述したように、無線APは、パソコンやスマートフォンなどの端末同士を無線でつなぎ、データの送受信といったやりとりをおこなう機器なのですが、それ以外の機能を持っていません。そのため、ローカルネットワークを構築できるものの、無線AP単体では、インターネットに接続できないのです。一方で、無線LANルータは、ルータとアクセスポイントの両機能を備えています。ルータとは、複数の端末をインターネットにつなぐ機能を持った機器です。具体的にいえば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末を同時にインターネットへ接続することが可能であり、構築したローカルネットワークとインターネットをつなぐ役割を持った機器になります。

このように、アクセスポイントとルータは、別々の機能を持った機器です。ただし、家庭でネット環境(無線LAN環境)を構築する場合、アクセスポイントとルータの両方が必要になるため、両機能を兼ね備えた無線LANルータが多く使われるようになっています。市販されている製品も、ルータの機能を持ったアクセスポイント(無線LANルータ)が一般的です。これに対し、企業でネット環境(無線LAN環境)を構築する場合、すでにルータは、用意されているケースが多いため、おもに、拠点間通信を目的として構築されたルータに、無線LANを追加することになります。つまり、必要な機器は、アクセスポイントだけです。また、使用するパソコンやスマートフォンといった端末の数も多いうえ、ビル内やオフィス内をカバーできるように、広範囲へ電波を飛ばす必要があるため、その規模に対応できる数のアクセスポイントを用意しなければなりません。この観点からも、小規模な事業所や一般的家庭のネット環境を構築するためには、無線LANルータの方が適していますが、大規模な企業や組織においては、ルータと無線APを別々に導入することが大半を占めます。

中継器と無線AP(アクセスポイント)の相違点は?

中継器と無線AP(アクセスポイント)の相違点は?

中継器とは、電波を中継することで広範囲に電波を広げ、機能を拡張できるデバイスです。
無線APはネットワークの親機になる存在ですが、中継器は無線APとデバイスをつなげるための中継点だと考えるとわかりやすいでしょう。
親機の性能によっては、中継器が十分な能力を発揮できないこともあるため、親機の性能に合わせた中継器を購入してください。

無線インターネットの仕組みとは?

無線インターネットの仕組みとは?

無線インターネットは、有線のインターネット回線を引き込み、無線APとルータや無線LANルータを利用し、無線インターネット環境を構築します。具体的には、ネット環境を作りたい場所に有線LANを引き込む工事をおこない、ONUと呼ばれる回線終端装置を設置。さらに、用意した無線LANルータや無線AP・ルータを接続・設定すれば、パソコンやスマートフォンなどの端末がインターネットに接続できる仕組みとなっています。

法人向け無線AP(アクセスポイント)の特徴やメリット

法人向け無線AP(アクセスポイント)の特徴やメリット

一般家庭で使われる無線APと異なり、企業や組織で使われる無線APは、電波の届く範囲や接続する端末数が大規模になるため、それ相応のスペックが必要です。ここからは、法人向けに利用される無線APの特徴を解説します。

特徴①電波の接続範囲が調整可能

法人向けの無線APは、電波の接続範囲などを調節できる機能があります。たとえば、ロードバランス機能は、各アクセスポイントに接続する端末数が調節できるため1ヵ所に集中した通信の負荷を分散し、インターネットの遅延や停止を防ぐものです。また、スマートフォンやタブレットなどの端末を移動させながら通信する際、自動的にアクセスポイントが切り替わるローミング機能、アクセスポイント間を無線接続し、電波の届く範囲を広域でカバーするリピータ機能もあります。

特徴②数十台の端末を同時接続できる

同時に数十台の端末を接続できるところも、法人向け無線APの特徴です。家庭向け無線APは、多くの端末が同時接続することを想定していないため、機器のスペック的に20台未満が許容数とされています。しかし、高性能なCPUが搭載された法人向け無線APの場合、製品によっては50台にのぼる端末の同時接続も可能です。たとえ、許容数を超えた端末がつながれた場合も、通信を途切らせずに維持する機能や端末の接続調整をおこなう機能が装備されています。

法人向け無線AP(アクセスポイント)の注意点やデメリット

法人向けに無線APを使用する場合、次のような注意点やデメリットがあります。

  • 遮蔽物や環境によって通信状況が悪くなる
  • 有線にくらべて通信速度や安定性が低い
  • 不正アクセスなどへの強固なセキュリティ対策が必須
  • トラブル発生時の原因究明に時間がかかる

無線APは電波で通信する特性上、遮蔽物や壁、電磁波を発する環境下では通信状況が悪くなります。
5GHzの周波数帯を使用すれば通信に大きな支障は出ませんが、環境による影響が大きい点は理解しておくべきです。
また有線にくらべて通信速度が不安定で、複数同時接続で遅延が発生する可能性もあります。
電波という目に見えないもので通信する以上、外部からの不正アクセスのリスクをゼロにできない点も注意すべきです。
最後に、無線APはトラブルが発生した場合、どこに根本原因があるか特定しにくいデメリットもあります。
専門家がチームで原因究明を行わなければ、早期の復旧が難しいこともあります。

法人向け無線AP(アクセスポイント)の耐用年数

無線AP(アクセスポイント)を含むLAN設備の耐用年数について、国税庁は次のように規定しています。

減価償却資産 耐用年数
サーバ 6年
ネットワークオペレーションシステム、アプリケーションソフト 5年
ハブ、ルータ、リピーター、LANボード 10年
端末機 6年
プリンタ 5年
ツイストペアケーブル、同軸ケーブル 18年
光ケーブル 10年

無線APは上記の表のリピーターに該当し、耐用年数は10年となります。
ただし無線APには無線LANルータに内蔵されたタイプもあり、その場合はルータと同じです。
無線APとルータが別々になっている場合、個々の購入年度を把握し、毎年度の勘定科目に資産として計上しましょう。
別年度に購入した場合は、減価償却の期間がズレてくるため注意してください。

アクセスポイントへの接続方法

ここでは、スマートフォンを例にとり、アクセスポイントへの具体的な接続方法をご紹介します。あくまでも、無線インターネット環境を整えた状態が前提です。また、端末の種類やメーカによっては、手順・表示画面などが若干異なります。以下が接続方法の流れです。

  1. スマートフォンの設定画面を開き「Wi-Fi」の項目をタップ
  2. その中の最上部に表示された「Wi-Fi」をタップし、接続表示を「オン」にする
  3. 指示に従い、パスワードを入力し、最後に最下部の「接続」をタップ
  4. 「接続済み」と表示されたら、アクセスポイントへの接続完了

無線AP(アクセスポイント)を安全に利用する方法

無線APを利用する場合、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。無防備の状態で無線APを使えば、送受信した情報の盗み見、第三者による無断アクセス、アクセスポイントの犯罪利用などのリスクが伴うからです。無線APの安全性を高めるためには、送受信する大切な情報を「SSL/TLS」で暗号化しましょう。また、外出時は、端末のファイル共有機能を解除しておくことで、第三者による無断アクセスを防ぐことが可能です。さらに、アクセスポイントの設置時には「WPA」や「WPA2」などの暗号化方式を設定し、パスフレーズを複雑化させることで、アクセスポイントの犯罪利用を回避することができます。

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はい。調査範囲はご相談ください。
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内容によりますので、調査内容はご相談ください。

大規模なインターネット環境の構築に最適な無線AP

無線AP(アクセスポイント)は、端末同士を無線接続するために、基地局の役割を担う重要な機器です。アクセスポイントのみでは、インターネットに接続はできません。しかし、大規模なインターネット環境の構築が必要となる企業や組織にとっては、欠かせないツールといえるでしょう。法人向け無線APは、端末の接続調節が可能なうえ、同時接続台数が多いといったメリットを持っています。導入する際は、アクセスポイントの特徴を把握し、その機能を最大限活用できるようにしてみてください。