パナソニックの社史 |
ここから本文です。 収納品 現代文化の結晶タイム・カプセルEXPO'70の全収納品の数は、317件、2,098点である。これらは、大別すると、物品と記録に分けられる。また内容別には、自然科学分野、社会分野、芸術分野、その他、の4分野になっている。 これらの収納品の特長は、現代文化の全体像を知るうえで、その手がかりとなるものがほとんど全部網羅されている点であろう。また、タイム・カプセルEXPO'70のために特別に製作された記録、情報も数多い。たとえば、出版物では、「未来へおくる科学レポート」「未来へおくる科学統計資料」「アトラス日本と世界」「日本の短編」(上)(下)がある。映画では、「表情1970」「減びゆく動物」「科学のトピックス」「日本の戦争」「テレビ放送1970」「松下館建設の記録」がある。 さらに録音では、テープとして「動物の鳴き声」「会話」「いびき、歯ぎしり」「お笑い1970」「邦楽」「万国博覧会開会式式次、テーマソング」。レコード盤(ゴールデンレコード)として両主催者会長の「声のメッセージ」、松下館のB.G.M.「飛天」「詩曲」がある。そして、世界6か国語を使った「現代風ロゼッタ石」など珍しいものもある。特別に製作したものの中で、最も代表的なものは「日本現代風俗絵巻」4巻で、これは人類の祖先が遺産として残してくれた直截(ちょくせつ)な手法を継承して、きわめてわかりやすく、興味深く今日の文化を見てもらおうという意図に基づいている。 このように文字の印刷物もあれば、色を使った絵も写真もあり、録音もあれば、動く映像、つまり映画もある。これほど多彩な方法で情報を残す試みをした例は過去にはなかったといえよう。 物品については、広く一般の人びとに使われているものを、そのまま収納品にすることを原則としたが、中には、変質することが明らかに予想されるもの、あるいは入手不可能なものについては、手を加えたり、特別に作製したりした。たとえば、蚊やハエ、着せ替え人形、一部のゴムや塩化ビニルを使った製品などがそれである。 |
※本ページの内容は、タイム・カプセルEXPO'70記録書(1975年3月発行)を引用して掲載しています。社名や組織名など現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。
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