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セキュリティ

企業のサイバーセキュリティ対策を徹底解説 基礎から被害事例、高めるポイントまで

更新日:2023/10/25
企業のサイバーセキュリティ対策を徹底解説 基礎から被害事例、高めるポイントまで
サイバーセキュリティとは、企業データやネットワークインフラなどを内部・外部の脅威から保護することを意味します。サイバー攻撃の手法も新しくなっており、企業情報と顧客情報を守るには、常に最新のセキュリティ対策へのアップデートが必要です。今回はなぜサイバーセキュリティが必要なのか、代表的なサイバー攻撃の手口、企業ができる対策などを解説します。
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サイバーセキュリティとは?

サイバーセキュリティとは何か、なぜ必要になるのかについてご紹介します。

現代のサイバーセキュリティの必要性

サイバーセキュリティとは、企業が保管するデータ、通信に利用するネットワーク、サーバや通信網などの環境を内部・外部のサイバー攻撃の脅威から保護することです。
多くの企業がネットワークで通信する現代の環境は、マルウェアや悪意ある不正アクセスによるセキュリティリスクが高いです。
サイバーセキュリティは機密情報を保護するとともに、顧客情報の漏えい、悪用を防ぐためにも欠かせない対策になっています。
サイバー攻撃は年々高度化しており、セキュリティソフトを導入するだけでは対策として不十分です。

サイバー攻撃を受けるリスク

サイバー攻撃を受けるリスクとして考えられるものは複数あります。
例えばマルウェアやスパムによる標的型攻撃、偽サイトへのリンクで情報を抜き取るフィッシング攻撃、一度に大量のデータを送り付けてサーバをダウンさせるDDoS攻撃などが代表的です。
サイバー攻撃にある程度共通する点は、不正アクセスのために取引先を装ってメールなどを送信してくることです。
社員に取引先からのメールと思い込ませ、警戒心を弱めるという人間心理を突いてきます。
そのためどの企業でもサイバー攻撃を受ける可能性はあり、セキュリティリスクへの対策を早急に行う必要があります。

サイバーセキュリティを高める対策

サイバーセキュリティを高める対策にはさまざまなものがあります。代表的なものをいくつかご紹介します。

  • 社員へのサイバー攻撃の手口を周知する
  • パスワードは大文字・小文字・数字を組み合わせた長い桁数にする
  • メールやサイトはセキュリティチェックを行ってから開く
  • 情報へのアクセスは二段階認証を行う
  • 私的なUSBの持ち込み禁止および重要情報の社外持ち出し禁止
  • 社員はICカードやアプリで入退室管理を行う

企業としてできる対策だけでなく、社員にもサイバー攻撃の脅威を理解してもらったうえで対策を行うことが重要です。
サイバーセキュリティ対策と情報管理の徹底には、システム導入だけでなく、社員の意識向上も欠かせないポイントです。

サイバーセキュリティと情報セキュリティの違いとは

サイバーセキュリティは、デジタルデータやネットワークインフラなどをサイバー攻撃の脅威から保護することを意味します。
一方情報セキュリティはデジタルデータだけでなく、アナログデータも含む企業情報全般の機密性・可用性などを保護することを意味します。
そのためサイバーセキュリティへの備えを行っても、情報セキュリティも十分になるとは限りません。
また情報セキュリティを高めても、サイバーセキュリティが万全な状態になるわけではありません。
サイバーセキュリティも情報セキュリティも企業の重要課題ですから、2つの視点に分けて対策を考えましょう。

サイバー攻撃の代表例と動向

サイバー攻撃の代表例と、近年の動向についてご紹介します。

①不正アクセス

不正アクセスは本来アクセス権限のない人が、何らかの方法で社員のIDやパスワードを入手し、悪意を持ってシステムや重要情報などにアクセスすることを指します。
標的にウイルス感染をさせ、そこからIDやパスワード情報を抜き取る方法のほか、さまざまなパスワードを総当たり攻撃で試行して不正アクセスを行うパターンもあります。
個別のユーザーに目を向けると、パスワードを使いまわす方も多くいます。
使いまわしているパスワードを他サイトなどから入手し、不正アクセスを行うという手法です。

②DDoS攻撃

DDoS攻撃は企業のネットワークやサーバに対し、短時間に大量のデータを送信し、負荷をかけてダウンさせる攻撃のことです。
踏み台となる複数のパソコンから大量のトラフィックを送信し、過剰な負荷をかけることでネットワークの遅延を生じさせるサイバー攻撃の一種です。
DoS攻撃というものもあり、こちらは1台のコンピュータから過剰な負荷をかけることで、サーバやネットワークに負荷をかけます。
DDoS攻撃はDoS攻撃を強化したもので、ある程度規模の大きいサーバであっても遅延やアクセス障害が発生するのが問題です。
企業の売上と信用を毀損するため、早期発見と対応が重要になります。

③脆弱性を狙う攻撃

脆弱性(ぜいじゃくせい)とは、コンピュータのOS、ソフトウェアにおけるプログラムの不具合や設計上のミスが原因となるセキュリティの欠陥を指します。
脆弱性を狙う攻撃では、セキュリティの弱い箇所から不正アクセスを行い、データの改ざんやサービスの停止、マルウェア感染などを行うケースが多いです。
不正なデータを入力してシステムを誤作動させるバッファーオーバーフロー、データベースの情報を窃取・改ざんするSQLインジェクションなどの攻撃があります。
脆弱性を狙う攻撃は最新OSへのアップデート、セキュリティ対策の厳格化である程度未然に防げます。
定期的に脆弱性の診断を行い、脆弱性のある箇所を明らかにしていくことが重要です。

④標的型攻撃

標的型攻撃とは、企業情報へ不正アクセスを行うために、特定の社員に対して取引先や関係者を装ってメールなどを送信し、マルウェア感染を狙う攻撃手口です。
パソコンがウイルスに感染したら、マルウェアを踏み台にしてネットワークに不正侵入し、情報の窃取や無差別のウイルス拡散などを行います。
代表的な経路は、メールに添付されたファイルやURLにマルウェアを仕込み、アクセスしたら感染するケースです。
複数回メールのやりとりを行い、信用させてからマルウェアを添付するパターンもあります。

⑤ばらまき型攻撃

ばらまき型攻撃は、不徳的多数に対してメールや偽サイトで情報を送信し、口座番号や暗証番号、クレジットカード情報を抜き取る手口です。
フィッシング詐欺とも呼ばれており、不用意に添付ファイルやURLを開いてしまうと、詐欺被害に遭うことがあります。
標的型攻撃とは違い、不特定多数に同じ内容を送信することから、受け取る側も比較的簡単に気付くサイバー攻撃です。
心当たりのないアドレスやメールを受け取った時は、不用意にファイルを開かないように注意しましょう。

近年のサイバー攻撃の動向

サイバー攻撃の手口は年々変化してきており、世界的にも被害は拡大しています。
2017年には世界で20万台以上に被害を与えた「WannaCry」のほか、核関連施設を狙ったサイバー攻撃も発生しています。
日本においても2021年には推定320億円ものサイバー犯罪被害が出ており、決して無視できない状況です。
被害事例はばらまき型攻撃や標的型攻撃、不正アクセスが多いですが、DDoS攻撃や脆弱性を狙ったサイバー犯罪も少なくありません。
代表的な攻撃方法以外にも、従来にはないサイバー犯罪手口が登場しており、今後もサイバーセキュリティのアップデートが重要になるでしょう。

サイバーセキュリティの強化で重要な3つの観点

サイバーセキュリティの強化で重要な3つの観点

サイバーセキュリティを強化するには、技術的・人的・物理的の3つの視点から対策が必要です。
それぞれどのような対策が考えられるのかご紹介します。

技術的対策

サイバーセキュリティの技術的対策としては、以下の点が挙げられます。

  • ウイルス対策ソフトの導入
  • ファイアウォールやDMZなどの不正アクセス対策
  • 二重認証やアクセス制御システムの導入
  • ログ監視ツールによるアクセスログの管理
  • OSやソフトウェアのアップデート
  • 利用可能なソフトウェアのリスト化

技術的対策を行うことで、不正アクセスや脆弱性を狙った攻撃への防止策になり、被害の最小化につながります。

人的対策

サイバーセキュリティの人的対策としては、以下の点が挙げられます。

  • 社員へのサイバーセキュリティ研修
  • 不審なメールやサイトへの対策をマニュアル化
  • ID・パスワードの漏えい対策
  • 私的なデバイスの持ち込みとシステムへのアクセス禁止
  • 会社のデバイスの持ち出し禁止
  • サイバー攻撃を受けた際の行動のマニュアル化

人的対策は社員のサイバーセキュリティ意識向上、対策のマニュアル化が重要です。
技術的対策を行っても、人的対策が不十分ではサイバー攻撃に巻き込まれるリスクが高いからです。

物理的対策

サイバーセキュリティの物理的対策は、以下の点が挙げられます。

  • 出入口にスマートロックや生体認証を設置
  • 出入口や死角に監視カメラを設置
  • 警備員または警備システムの導入
  • 予備電源の用意
  • 入退室管理システムの導入
  • 耐震性・防火性能の高い場所にサーバを設置

外部からの不正侵入対策を強固にするだけでなく、災害発生時にもサーバが安定稼働できる環境の用意が重要です。

サイバーセキュリティを高めるためのポイント

サイバーセキュリティを高めるためのポイントを5つご紹介します。

OSやソフトウェアは最新状態にアップデート

サイバーセキュリティでは、脆弱性を生み出さないことが重要です。
特にOSは最新のものは、それ自体にも高度なセキュリティ対策が施されています。
最新バージョンにアップデートしておけば、脆弱性への対策も行われており、高いセキュリティ性能を発揮します。
日常的に使用するOSやソフトウェアは、最新状態にアップデートしましょう。

パスワードは複雑で長くする

パスワードを長く複雑なものにするのは、すぐにできるセキュリティ対策です。
パスワードが短くシンプルなものは何度も試行されて解析されやすく、セキュリティ対策の弱点になります。
アルファベットの大文字、小文字、数字を組み合わせ、複雑でわかりにくいパスワードを設定しましょう。
またパスワードを使いまわすと発覚するリスクが高まるため、使いまわしは避けることが大切です。

不審なメールやサイトにはアクセスしない

社員には不審なメール、サイトへのアクセスはしないよう徹底することも重要です。
添付されたファイルからマルウェアに感染するリスクがあるからです。
判断に迷う時は、上司に相談するよう社員に周知しましょう。

データは定期的にバックアップする

セキュリティ対策には、データ消失や不正アクセスによる改ざん対策としてバックアップをとることが大切です。
サイバー攻撃だけでなく、パソコンのデータは何かのきっかけで消失することがあります。
データが消失してもすぐ復元できるように、定期的なバックアップを行いましょう。

迷った時には相談する

サイバー攻撃を受けているのか、または標的型攻撃のターゲットにされているかなど、迷った時には相談することもセキュリティ対策で重要です。
社員のサイバーセキュリティ意識を高めるとともに、迷った時の相談窓口を設定しておきましょう。
例えばサイバーセキュリティ対策の専門チームを設置し、社員が相談しやすい環境を整備するなどが大切です。

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企業のサイバーセキュリティは幅広い状況を想定する

IT技術とデジタル化の進歩に伴い、サイバー攻撃の種類も多様化してきています。
攻撃手段も新しいものが登場しており、時代に合わせたサイバーセキュリティが必要です。
技術面の対策だけでなく、社員に対するネットリテラシー、サイバー攻撃への理解を促し、企業がサイバー犯罪に巻き込まれないことが大切です。
また物理的に不正侵入を防ぐとともに、震災などの災害時でも企業情報を保護できる強固な対策も行いましょう。
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