10月の和風月名
神無月(かんなづき)
「神無月(かんなづき)」とは、「神様が留守の月」という意味。旧暦10月は、八百万(やおよろず)の神が全国から島根県の出雲大社に集まり、人間の運命や縁について話し合うそう。その間、日本各地では神様が不在になるため、この呼び名が付いたと言われています。一方、神様が集まる島根県では、逆に「神在月(かみありづき)」と呼ばれ、さまざまな神事が執り行われます。
10月の花
パンジー
名前の由来は、考え事をする人の姿に似ていることから、フランス語の「思想」を意味する「Pansee(パンセ)」にちなんで、この名がついたそう。日本へは江戸時代末期にオランダ船によって渡来したと言われており、当時は花を人の顔に見立てた「人面草」、花びらの模様を飛んでいる蝶に見立てた「遊蝶花」などと呼ばれていました。また、昔から西洋ではパンジーには恋の力があると考えられ、花言葉には恋や愛に関する言葉が多く、シェイクスピアの作品では惚れ薬として用いられるシーンがあります。
10月の景色
いわし雲
鰯の群れのように空に広がる雲。魚の鱗のようにも見えるため、うろこ雲とも呼ばれています。秋以外にも見られますが、移動性低気圧や台風の多い秋によく現れることから秋の季語にもなっています。低気圧が近づいている時に現れやすいため、天気が下り坂のサインとも言われており、この雲が出るといわしが大漁になる兆しという言い伝えもあります。他にも秋の季語でひつじ雲や鯖雲があります。空の様子から秋を感じてみてはいかがでしょう。
10月の食べ物
さんま
昔から愛され続けてきた秋の味覚さんま。呼び名の由来には様々な説がありますが、有力な説として「細長い魚」を意味する「狭真魚(サマナ)」が訛って変化した説と、大群で泳ぐ習性から「大きな群れ」を意味する「サワ(沢)」と「魚」を意味する「マ」からなる「サワンマ」が語源となったというふたつの説があります。漢字では「秋に獲れる刀のような魚」から「秋刀魚」と書きますが、大正時代までは様々な当て字が使われており、夏目漱石の小説「吾輩は猫である」の中では「三馬」とも書かれていました。
栗
栗は縄文時代から日本で食され、現在も栗ご飯や焼き栗など、私たちの食生活に非常になじみ深い食べ物です。栗の語源には諸説ありますが、果実が黒褐色になるので「黒実(くろみ)」になり、これが転じて「クリ」と呼ばれるようになったそう。トゲトゲしたイガが印象的ですが、見た目によらず栄養バランスが良く、ビタミンB1やカリウムを豊富に含み、渋皮に含まれるタンニンは老化防止やがん予防に効果があると言われています。
10月の行事
スポーツの日
オリンピックの開会式となった2021年7月23日は「スポーツの日」です。1964年10月10日に東京オリンピックが開催されたことを記念し、「体育の日」として国民の祝日に制定されたことが始まりです。その後、2000年に施行された「ハッピーマンデー制度」によって、毎年10月の第2月曜日に変更されることに。さらに2020年、2度目の開催予定だった東京オリンピックにちなんで、教育的要素の強い「体育」から「スポーツ」へ名称が変更されました。
えびす講
神無月(旧暦10月)に出雲に全国の神様が集まる間、「留守神」として出雲地方以外の留守を預かってくださる神様が恵比寿様です。その恵比寿様に1年の無事を感謝し、豊作、大漁、あるいは商売繁盛を祈願する行事のことを「えびす講」と言います。日にちは地域によって様々で、旧暦の10月は現在の10月下旬から12月ということで、このあたりの時期に各地で行事が行われています。
10月1日
あかりの日
1879年(明治12年)10月21日に米国の発明家トーマス・エジソンが、世界で初めて実用性の高い白熱電球を発明。あかりの日は、その偉業を称えて制定されました。実用化に向けて、京都府八幡市の良質な竹を用いて製品化されました。以降、照明は様々な分野で飛躍的な進歩を遂げ、生活文化の発展に重要な役割を果たしてきました。地球に優しい環境が求められる昨今、照明業界では省エネルギー対策による地球温暖化防止に取り組んでいます。
10月20日
リサイクルの日
10(ひと回り)、20(ふた回り)の語呂合わせから、1990年に日本リサイクルネットワーク会議により制定されました。この記念日が発展して、10月は「リデュース・リユース・リサイクル推進月間」(略称:3R推進月間)となり、様々な取り組みが行われています。天然資源の枯渇、さらには地球温暖化など様々な環境問題を抱える今、身近にできるリサイクルや3Rについて、この機会に考えてみましょう。
出典:暮らしの歳時記
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