歳時記
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2月和風月名

如月(きさらぎ)
 一年のうちで最も寒さが厳しい2月。如月の由来は、厳しい寒さに耐えるため、更に衣を重ねて着る「衣更着(きさらぎ)」から「如月」になったという説が有力です。他にも、2月は何をするにも良い月という意味の「令月(れいげつ)」や、厳しい寒さの中に春を思わせる「梅見月(うめみづき)」、「雪消月(ゆききえつき)」、「木芽月(このめつき)」という呼び名があります。

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2月


 春の到来を告げる梅の花。日本有数の梅の名所である太宰府天満宮には約6000本の梅があり、中でも有名なのが「飛梅」。太宰府天満宮に祀(まつ)られている菅原道真は京都で右大臣として活躍していましたが、藤原氏の政略によって無実の罪で太宰府に左遷されてしまいます。道真が京都を離れる際に自宅で大切に愛でていた梅の木に別れの歌を詠んだ後、残された梅が一夜のうちに主人を追いかけて太宰府に飛来したと言われています。これが「飛梅」と呼ばれ今でも太宰府天満宮で見ることができます。

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クロッカス
 春の訪れを告げる花として、早春に白、黄、青、紫の花を咲かせるクロッカス。色別に花言葉があり、白は「あなたを待っています」、黄は「私を信じて」、青は「心配しながら信じる」ですが、紫は「愛の後悔」と、なんとも切ない雰囲気。これはギリシャ神話に由来しており、美少年クロッカスは恋人と結婚を誓いますが、神々の反対を受けそれぞれ命を絶ってしまいます。それを見た花の女神フローラは、二人を哀れみ、美しい花に生まれ変わらせた、という悲しいお話が由来だと言われています。

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2月食べ物

恵方巻き
 節分の日に恵方を向いて願い事をしながら無言で太巻きを食べると縁起が良いとされている「恵方巻き」。一本丸ごとを丸かぶりすることから「丸かぶり寿司」とも呼ばれています。切り分けたり、途中で食べるのをやめるのは「縁が切れる」と言われており、無言で食べることには「福が口から逃げないように」という意味が込められています。また、恵方巻きの具材は七福神にちなんで7種類入れると良いとされています。

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カブ
 別名は春の七草でもある「すずな」。地域に根差した在来種が多く、千枚漬けに使われる京都の「聖護院カブ」など、国内には全部で80種もあると言われています。旬の時期は春と秋の2回あり、肉質がやわらかい春ものに対し、秋ものは甘みのある味わいが特長です。ただ、おいしく食べるには保存方法に注意が必要。そのままにしておくと、根の水分や栄養を葉に吸い取られてしまうので、購入後すぐに切り分け、葉は湿らせた紙に包み袋へ、根はそのまま包んで袋に入れて野菜室で保存しましょう。

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2月行事

豆まき
 古代中国では、現在の大晦日にあたる節分に「追儺(ついな)」という鬼の面をかぶった人を弓矢で追い払う邪気祓い(じゃきばらい)の行事があり、これが日本に伝来し、平安時代に宮中行事として取り入れられました。その行事の一つの「豆打ち」と「追儺」が合わさったのが「豆まき」の由来とされています(諸説あり)。また、豆(まめ)=魔目(鬼の目)や、豆(まめ)=魔滅(魔物を滅する)の語呂合わせや、古来より穀物には邪気を払う力があると考えられていたことから、鬼に豆をまいて無病息災を願っていました。

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針供養
 針供養とは、使えなくなった針を供養し、裁縫の上達を願う行事。針を豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに刺して寺社に奉納します。時期は地域によって異なり、2月8日か12月8日、もしくは両日行われるところもあります。食べ物に針を刺すという一風変わった光景ですが、それまで分厚い生地を縫ってきた針に「最後は柔らかいところで休んでもらおう」という気持ちが込められています。古来中国の習わしに影響を受けているようで、平安時代に貴族たちの間で広まり、江戸時代以降は日本全国で行うようになりました。

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2月1日
テレビ放送記念日


 1953年(昭和28年)2月1日、NHK東京放送局(JOAK)が日本初のテレビ本放送を行いました。当日の放送は午後2時から「JOAK-TV、こちらはNHK東京テレビジョンであります」の第一声から始まり、約4時間程度行われました。この時、テレビカメラはわずか5台しかなく、受信契約数は866件でした。当時、テレビはとても高価だったため、家庭よりもデパートや駅、公園などに設置され、大相撲やボクシングが放送されると、人々は「目でみるラジオ」と呼んで熱狂していました。

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2月6日
お風呂の日


 寒さが最も厳しいこの季節にお風呂で心も身体もあたたかく過ごしてほしいという想いで、日付の「2(ふ)」と「6(ろ)」の語呂合わせから、一般社団法人「HOTJAPAN」によって制定されました。HOTJAPANは「日本のお風呂をもっと世界に」と、ユネスコの世界無形文化遺産登録を目指しているようです。お風呂の楽しみ方や健康的な汗を書くための正しい入浴方法など、日本独自のお風呂文化の魅力を多くの人に知らせるため、様々な活動をしています。

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出典:暮らしの歳時記

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