歳時記
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6月和風月名

水無月(みなづき)
 雨がしとしと降る梅雨の時期にあって、なぜ6月を「水が無い月」と呼ぶのでしょう? 実は「無」という字は、「無い」ではなく、連体助詞の「の」という意味。要するに「水の月」ということを表します。無事に稲を植え田に水を張ることから、こう呼ばれるようになったそうです。小豆をたっぷり使った和菓子「水無月」の名前も、この旧名に由来しており、今も6月30日の「夏越しの祓(はらえ)」に食べる習慣があります。

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6月

紫陽花
 この時期の風景を美しく彩る紫陽花。諸説ありますが、藍色の花が集まって咲くことから「集青藍(あづさい)」が語源と言われています。また、生息する土壌によって色が変化することから「七変化」とも呼ばれ、弱酸性の土壌が多い日本では青系が、アルカリ性の土壌が多い欧州では赤系が主流だそうです。元々日本固有の植物でしたが、シーボルトが長崎に渡来した際に出会った最愛の人・お滝さんにちなんで「オタクサ」という名を付け、海外に紹介したことから、西洋でも親しまれるようになったそうです。

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6月

新生姜
 ぽかぽか体を温めてくれる生姜。寒い時期によく食べらえるため冬のイメージが強いかもしれませんが、収穫されるのはこの時期。「新生姜」と呼ばれ、茎の部分が白から赤へグラデーションになっているのが特徴です。味は甘く、酢漬けなどに用いられます。生姜は新陳代謝を高め疲労回復にも効果があるため、湿気が増しバテやすくなるこれからの時期にもピッタリ。冬に限らず、一年を通して冷蔵庫に常備しておくと良いでしょう。

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サクランボ
 赤く美しい果実、サクランボ。語源には諸説ありますが「桜の坊(こども)」と見立てて呼び、そこから転じて「サクランボ」になったと言われています。花を鑑賞するソメイヨシノなどの桜では実は大きくならず、国内産のほとんどが「西洋実桜(セイヨウミザクラ)」から収穫されています。サクランボの品種は世界で1000種類以上とも言われており、国内で最も多く生産されている品種は「佐藤錦」で、交配育成をした山形県の佐藤英助さんにちなんで名付けられたそうです。鮮やかな紅色の美しさから「赤いルビー」とも呼ばれています。

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6月行事

稽古始め
 楽器や舞踊の世界では、「6歳の6月6日から稽古を始めると上手になる」と言われています。これは、室町時代に能を完成させた世阿弥の著書『風姿花伝』に由来するもの。中には「この時期の子は口うるさく注意するとやる気をなくしてしまう。基礎だけ教え、その子の最も得意とする役柄で舞台に出してやるのがよろしい」という記載も。型にはめずそれぞれの個性を伸ばすという教えは、現代の子育てにも参考になりますね。

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父の日
 父の日の発祥は母の日と同じく20世紀初頭のアメリカ。ワシントン州に住む女性が、戦後男手ひとつで6人の子を育ててくれた父を称えて「母の日のように父の日もあるべき」と提唱したのが始まりです。その後、6月の第3日曜日を「父の日」として制定。1980年頃に日本にも伝わり、「FDC日本ファーザーズ・デイ委員会」が設立され、アメリカで「愛する人の無事を願う」という意味のある黄色いリボンを贈る活動をしています。贈り物に黄色いリボンをかけて、日頃の感謝を伝えましょう。

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6月5日
環境の日(世界環境デー)


 みなさんすでにご存知かも知れませんが、6月5日は環境の日(世界環境デー)として、環境問題について考え行動する日です。イベントの実施や長年地道に環境問題に取り組んできた人や団体を表彰し、その取り組みを紹介しています。この機会に環境問題を見つめ直し、環境のためにできることに取り組んでみては?

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6月10日
時の記念日


 天智天皇が日本で初めて漏刻と呼ばれる水時計で時を知らせたことにちなんで、1920年(大正9年)に東京天文台などによって制定されました。時間を効率的に使う生活を習慣化することで、産業の発展と近代化を図ろうという意図で作られたと言われています。緻密な時間管理がされている現代ですが、季節の移ろいを感じる時間も大切にしたいものです。

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出典:暮らしの歳時記

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