Air Creator #04見えなくても、
風はひとの心に
触れられる。

Air Creator #04 見えなくても、風はひとの心に触れられる。

「風のソムリエ」入社16年目

【気流制御技術】研究開発

Air Creators
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Air Creator #04 気流制御技術 ~自然の風を室内で再現する~

Air Creators Column

空気で新しい価値を形にすることをミッションに、
気流の研究開発に取り組む「風のソムリエ」。
地道で大変な仕事の中で、彼女が大切にする信条や夢を伺いました。

自社はグループ内の
島国ニッポン。

もともと、大学時代は研究室で湿気を研究していました。その中で、暮らしに近い仕事に興味がわいて、当社に入ったんです。空気からひとの暮らしを変えていくことが面白いなと思って。当社はパナソニックという大企業グループの中で、「島国ニッポン」といった立ち位置の会社だと思います。歴史が長くて、独特のアイデンティティを持っていて、新しいことへのチャレンジ精神が受け継がれています。

そんな当社でいま取り組んでいるのは、気流の研究開発です。感性的な価値と機能的な価値の2つの側面から、気流を追求しています。感性的な価値とは、一言で言うと心地よさを与えること。ひとが心地よいと思う気流には4つのポイントがあります。1つ目はなめらかであること。2つ目は体全体が包まれること。3つ目は自然な揺らぎがあること。4つ目は音と見た目の人工感がないことです。これらが揃った気流だと、ひとは自然で心地よいと感じるようです。

機能的な側面からは、集中度が下がった時にリフレッシュできる香り付きの気流を開発しています。また、香りと組み合わせて断続的に香りを噴射できる気流も研究中。ひとの仕事をサポートできる気流です。

風について考える
地道な仕事。

扇風機や気流が出るものをひとに浴びてもらい、どう感じたか?どこが不快か?Aの風とBの風は何が違う?といったことを聞きながら、それぞれの風について掘り下げていきます。とても地道な作業です。こんなに風について考える仕事をしているひとは、なかなかいないのではないかと思います。

自然の風を測定しに屋久島に行ったこともあります。水と空気がきれいというイメージがある屋久島ですが、本当にきれいで気持ちの良いところでした。海風が屋久島の高い山を登る時に雨雲になり、たくさんの雨と風をもたらします。屋久島は水と空気が循環する中で常に浄化されていて、水も空気も淀みなく流れ続けることが大事なのだと感触として理解できたんです。この気持ち良い屋久島の風の再現にも取り組んでいます。

そんな仕事をしているので、ひとよりも風に対するアンテナは立っているし、日常生活でも空気や風は気になるものです。例えば、自宅のどこで洗濯物を干すと、最も日当たりや気流の条件が最適になるか考えてしまいます。そう言えば、入社3年目の時に気流で洗濯物を乾燥させる「せんたく日和」という商品のコンセプトを作ったこともあります。主婦目線で考えたアイディアで、気流の力で省エネなうえ家事も助かる商品を作れて嬉しかったですね。

日本一、風を浴びせる地道な仕事。

「風のソムリエ」が好むのは、塊でふわっとくる風。理想の風を求めて、さまざまな場所へ足を運んでいる。

気持ち良いだけでは
商品にならない。

仕事で難しいのは、ひとが気流を浴びた際の気持ち良いとか爽やかといった感性の部分を抽出して、一般的な話に落とし込んでいく点です。どういう価値があって、誰にどう受け入れられるのか。気持ち良いだけでは商品にならないので、企画やコンセプトを考え抜くことが重要です。しかし、時間をかければ必ず答えが出るわけではなく、形にならなかった経験もたくさんあります。

そこで、モットーにしているのは「ひとの幸せにつながる仕事をすること」です。研究開発の仕事が商品に結びつくまでは長く、すぐに成果や反応があるわけではありません。だからこそ、自分の仕事が少しでも未来の誰かの幸せになると信じて取り組んでいます。例え商品にならなかったことでも、知見としての積み重なりが誰かの幸せにつながっていくと。そう思って、日々楽しく前向きに働いています。

日本の室内環境を
変えたい。

いまの日本の室内環境では、空気はそれほど重要視されていません。不快な状態ではないけれど、気持ちの良い状態でもないというのが実情。だからこそ、当社の商品でその場の空気を良くする、あるとやはり違うと思ってもらえるような空気を作りたいんです。

一方で、コロナウイルスによって空気や換気といったことに社会の関心が向いています。世界には換気という文化がないような国もあるので、今回のことが変化のきっかけになり、国境を越えてきれいな空気を共有する意識が高まれば良いと思います。

空気は目に見えず、あることが当たり前のように思われている脇役ですが、実はその価値はとても大きい。空気はひととひとの間にあり、心を介在させる「雰囲気」になります。特に風は、変化をもたらすものだと思います。見えなくても、ひとの心に触れられる。また空気はひとと自然の間にあり、ひとは空気の感触をもって外界の状態をリアルに感じることができます。ひととひとの間にあるもの、ひとと自然の間にあるもの。それが私にとっての空気です。

日本の室内環境を変えたい。

開発に携わった、愛知県春日井市にあるリブートスペース。屋久島の風を再現する環境も整えられている。

Air & Water
Creator

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    家を呼吸させて、
    ひとの心と身体に栄養を。

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    未来の子どもたちを、
    空気で守るために。

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    「空気の建築士×空気の伝道師」

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    「トンネルの守りびと」

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