Air Creator #06キレイな空気を、
トンネルから世界へ。

Air Creator #06 キレイな空気を、トンネルから世界へ。

「トンネルの守りびと」入社21年目

【ジェットファン】商品開発

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Air Creator #06 ジェットファン ~トンネルの安心を守り抜く~

Air Creators Column

トンネル内部にあるジェットファンの設計を担う、「トンネルの守りびと」。
人目につかない堅実な仕事が、車の安全な走行と地球の空気環境を支えていました。

知られざる国内シェア
トップクラス事業。

大学時代は、ディーゼル自動車の排ガスを浄化する技術の研究をしていました。そのころから、将来は空気浄化に関する仕事をしたいなと思っていたんです。そこで、特に環境対策商品に力を入れ、キレイな空気を生み出している当社に目が留まりました。パナソニックは家電のイメージが強いですが、当社は道路機器に関して50年以上の歴史を持つ会社なんです。

入社後から私がずっと設計に携わっているのは、道路のジェットファン。トンネルの天井に吊るされている、あの筒形の送風機です。これは、車がトンネルを安全に通行するために欠かせない換気設備。台風並みの風を発生させて、排ガスで汚染されたトンネル内に新鮮な空気を流入させることで、ドライバーの視界を確保します。さらに、火災などの災害発生時には、とり残されたひとが煙に巻かれないよう、トンネル内の煙をコントロールする重要な役割も担っています。

あまり知られていませんが、ジェットファンに関しては、当社は納入実績が国内でトップクラス。これまでに累計2,000台を納入しているんです。

想定の15倍以上の
負荷に耐える金具を。

ジェットファンでトンネル内の汚れた空気を排気施設へ送り、そこで汚れた空気を電気集じん機でキレイにしてから、排風機でトンネル外に排出する。これが、トンネル内部の排ガス浄化システムです。最近では、阪神高速道路大和川線のトンネルにも納入しました。特にジェットファンは、性能は維持しつつ、本体幅と重量がかなりコンパクトな形を実現したんです。

ただ、道路機器の設計開発は、パナソニックにおいては、マイナーな事業です。しかし、道路機器は、交通インフラを支える、社会に欠かせないもの。そういう気概と責任をもって、毎日の仕事に取り組んでいます。縁の下の力持ちになれる存在。そこにやりがいを見出せるひとには、とても向いている仕事だと思います。

例えば、部品一つとっても、ミスは許されません。ジェットファンは、天井に吊ってあるので、常に落下のリスクを伴う機器。車が行き交う頭上にあって、いかに落ちないようにするか。想定の15倍以上の負荷がかかっても大丈夫なように金具を設計するなど、見えない安全に最大限に注意して作っています。

想定の15倍以上の 負荷に耐える金具を。

工場でジェットファンを試運転。設計通りのパフォーマンスが出ているかを確認し、検討を重ねる。

コミュニケーションが
設計の要。

仕事をする上で私が一番大切にしているのは、お客さんとのコミュニケーションです。見学会や立会検査、機器仕様の打ち合わせなどで、お客さんの生の声に耳を傾けるようにしています。社会が必要としているもの、本当にお客さんが困っていることを知ることができ、次の商品化に取り入れることができます。そうすることで、本当に世の中が欲する商品を提供することができると思うんです。

通常の打ち合わせとは少し離れたところで、お客さんと話す機会も大事にしていますね。そういうところで顔を覚えていただくと、直接お客さんから私に質問が来ることも。そこで疑問にきちんとお答えすることで、信頼関係を築けるよう努めています。シンプルですが、「ありがとう」「助かった」「これからもお願いします」とお客さんに言っていただけた時は、すごく嬉しいですよ。そうした過程を経て機器が完成し、お客さんに感謝された時が、一番、仕事のやりがいを感じる瞬間です。

さらに道路機器は、納品しておしまい、ではありません。現場で何か不具合が起こった場合、私のところに連絡が来ます。運用が始まった後も、問題解決に取り組んでいます。

日本のトンネルから
キレイな空気を。

当社の製品は、海外のトンネルでも活躍しています。過去には、ベトナムやスペイン、韓国に、ジェットファンや電気集じん機、大型の送風機などを納入しました。設計者として、試運転調整でベトナムのダナンに3か月ほど出張したこともあります。

国内については、私が退職するまでに累計納入台数3,000台を達成するのも夢ではないかも、と考えています。先人が培ってきた技術を大切にしつつ、新しいチャレンジを続けながら、3,000台まで伸ばしていきたいです。達成したら、ご褒美として、自分が設計したジェットファンが納入されたトンネルを自分が運転する車で見て回りたいですね。北海道から九州、そして海外まで。

いまは、自動車の排ガス自体が、昔に比べて本当にキレイになりました。それでも、やはり排ガスをそのままトンネルの外に出すわけにはいきません。私たちの技術で、汚れた空気をコントロールしてキレイにしてからトンネルの外に出すことで、環境負荷の低減に貢献する。まずは、日本中のトンネルからキレイな空気が排出できるように。それが私の使命です。

日本のトンネルからキレイな空気を。

阪神高速道路に納入した、短尺ジェットファン。工夫により4.25mだった本体幅を、2.5mまで短くした。

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